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療育で大切な視点-ゲームにはまりやすい子への対応-

投稿日:2022年5月13日 更新日:

療育現場には、発達に躓きのある多くのお子さんたちがいます。

こうした子どもたちの中には、特定の対象に強い興味関心をもつことも多く、そして、過集中といった過度に特定の活動に没頭するケースもよく見られます。

関連記事:「ADHDの過集中について考える:何かに没頭する行動とは?

最近、よく話題となるのが、ネット依存やゲーム依存といったバーチャル世界への没入に関するもので、発達に躓きあるお子さんもバーチャルの世界に没頭するケースも多いと言われています。

ネットやゲームを行うことはけっして悪いことではありませんし、むしろ活用できることが必須の社会でもありますので、良し悪しは簡単には述べることはできないと思います。

ここでは、バーチャルの世界に没頭し、社会不適応を起こしている(起こしつつある)場合を想定して考えていきたいと思います。

 

それでは、こうしたバーチャルの世界に没頭する子への対応方法などはあるのでしょうか?

 

今回は、ゲームにはまりやすい子への対応に焦点を当て、著者の療育経験を通じての意見も踏まえてお伝えします。

 

 

今回、参照する資料は、「本田秀夫(2017)自閉スペクトラム症の理解と支援.星和書店.」です。

 

 

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ゲームにはまりやすい子への対応

以下に著書を引用します。

ゲームにはまりやすい子どもに対する方針としては、私は個人的には、なるべく小さい時期から、ゲーム以外にも楽しいことがいっぱいあるということを示し、ゲーム以外の趣味をたくさん確保しておくということが必要なのではないかと思っています。

著書の内容から、ゲームに没頭している子の対応として、ゲームへの制限をかけるというよりは、ゲーム以外の楽しさがあるということを経験として作っていくことが重要になります。

 

 

著者のコメント

著者は小学校時代には大のゲーム好きでした。

まさにゲーム依存の傾向があるほど好きだったように思います。

ただ、一人で没頭していたというよりは、友だちを自宅に呼んでみんなと一緒にやっていた時間も多くありました(今はネット通信ができますね)。

そして、ゲームを通して友人と情報交換するなど、ゲームの話を友人とする時間はとても楽しかったことを思い出します。

それから、長い年月が経ち、ゲームを通して良かったと思うことは友人と楽しかった時間を共有できた経験だと思っています。

つまり、一人で没頭していた時間ではなく、他の人と一緒に同じものを共有したという経験です。

著者の時代には、ネットもそれほど普及しておらず、ゲームを攻略するためには、友人からの情報がとても重要でした。

まさに、友人と一緒に協力してゲームを攻略するという感覚がありました!

 

著者は現在、療育現場で働いていますが、こうした現場の中にはゲーム依存(その傾向がある)子もおります。

自宅ではほとんど一人遊びでゲームをしているという状態です。

療育現場では、身体を通して、大人や他児と関わる経験が多くあります。

こうした他者との経験を重ねていく中で、「楽しかった!また来たい!」といってくれる子も多くいます。

これまで、ゲームに没頭していた子が他のものにも興味が出てきたということです!

また、様々な活動を提供することで、様々な活動への楽しさを知ることができ(活動の選択肢が増える)、その中で、他者の関わる機会も豊富に生まれます。

こうして身体を通して他者と関わる機会を多くもつことで、様々な能力(社会性・コミュニケーション能力・運動能力・認知能力など)が育まれるという利点も療育現場にはあると思っています。

そして、療育現場での体験を通して、ゲーム以外の楽しさを作ることがとても大切だと実感しています。

 

冒頭にも述べましたが、ネットやゲーム自体が悪いことではなく、それしか選択肢(楽しめる活動)がないということが、子どもの可能性を阻害する要因になってしまうのだと思います。

様々な活動を通して、自分が何に興味があるのかということを知り(発見し)、そうした興味のある活動を通して、身体(五感)をもって他者と多くの体験を共有することがとても大切だと思います。

 

今後も療育現場での活動体験を通して、身体を通して、多くの驚きや楽しさを体験できるような取り組みをしていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

本田秀夫(2017)自閉スペクトラム症の理解と支援.星和書店.

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