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現場から学べること、書籍から学べること、発達領域からその意味を考える

投稿日:2020年4月28日 更新日:

皆さんの中には、現場で発達障害の方を支援している方、これから関わろうと考えている方、保護者の方、当事者の方など様々な人たちがいるかと思います。私自身も現場で発達障害の方を支援する仕事をしています。また、当事者の兄として家族という視点も大切にしています。

今回は私が発達領域に携わる現場の経験と、これまで大学で心理学や臨床発達心理学などの学問を学び、そして、様々な書籍を読み疑問に思ったことや重要だと思う視点などを少し抽象的な表現になるかと思いますがお話ししていこうと思います。

まず、私が大学と大学院を出た最初の現場が児童発達支援センターでの療育の現場でした。学生時代にも障害のある方に携わるボランティア活動や仕事などはしていましたが、療育現場では非常に重度なお子さんたちもいるなど、これまでの力が通用しないことが多くありました。

当時の自分は学生時代に学んだことを現場に活かそうと意気込んでいました。しかし、わからないことが多く、自分が学んできたことに意味があったのかという疑問さえ感じていました。そこで、まずは一度、学んできたことを活かそうなどとは考えずに目の前の子供たちとの関係づくりや、非常に楽しめる遊びや関わり方などを試行錯誤していくことに切り替えました。ただ、仕事外の時間は相変わらず書籍などを読み学ぶことは継続してきました。これは義務というより探求心で行ってきた点がほぼ100%を占めていたように思います。

それから約一年近くが経ち、自分の中にある変化が生じていることに気がつきました。それはこれまで子供たちの行動を感覚的に捉えていたものを言葉で表現できる部分が少しずつ増えていることに気がつきました。目の前の子供たちには発語のないお子さんたちも多くいました。その時には、姿勢や動作、発声の種類、要求行動、感情の表出、遊びの種類や内容などをヒントにすることが多く、それらを説明する言葉や知識が他の職員とのやり取りの中で、そして、書籍からのヒントをもとに少しずつ現場に沿った用語になってきたのだと思います。

その時から、子供たちの行動や意図、発達などをどういった言葉や知識で説明していくのかということが常に私の意識にありました。まずは、相手を理解すること、そのためには行動や意図を言語化する努力をすること、そうすることで、さらなる疑問や高次の知識への理解、他の職員との深い議論が可能になるのだと思います。

そらから数年、経験から得た様々なエピソードと多くの書籍や心理学や臨床発達心理学から得た知識は私が現場で関わる人を相手にする際のベースとなる考えになってきました。まだまだ未熟なため、今も思考錯誤は続いていますが、学んだことが今の自分を作っているのだという自信があります。

現場はテキストなどで説明されているような論理図式にならないことが多くあります。そのため、書籍の内容に疑問を持つことも重要だと思います。逆に、経験によってのみ相手を理解することは理解の幅や深さ、客観性を時には失うものになるのではないかと思います。不確実な様々な問いに対して、多くの経験と知識を土台に目的意識や課題意識を持ち、自分の頭で考え抜くという能動性が大切なのだと思います。今の私は現場という経験、大学や書籍などから学んだ知識、どちらを欠いても発達領域に携わる者として私が納得のいく相手への理解に近づくことは難しいのではないかと考えています。今後も、経験と知識から得たインプットを繋げる思考力を積極的に磨いていこうと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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