〝愛着(アタッチメント)″とは、〝養育者と子どもの情緒的な絆″のことを言います。
養育者と子どもの情緒的な絆である愛着関係は、幼少期だけでなく、大人になってからの対人関係まで影響すると考えられています。
それだけ、愛着関係は生涯にわたる大切なものだと言えます。
こうした愛着関係に困難さがある状態として〝愛着障害″があります。
〝愛着障害″と一言で言っても、状態像は非常に多様です。
それでは、愛着障害を理解していく上でどのような知識が大切となるのでしょうか?
そこで、今回は、愛着障害を理解していく上で非常に参考となるおすすめ本5選【初級~中級編】について紹介していきます。
実際にこれから紹介する本を通して著者自身、愛着障害の理解が深まった、支援の役に立った等、有益な知識を得ることができました。
ぜひ、参考にしていただければ幸いです。
1~5の番号はランキングではありません。紹介内容を見て入りやすい本から手に取って頂けるといいかと思います。
1.愛着障害 子ども時代を引きずる人々
精神科医の〝岡田尊司さん″の本になります。
岡田さんは、愛着障害に関する書籍を多く出しており、どれもお勧めですが、中でも今回取り上げた本は〝大人の愛着障害″を理解する入門書的なものだと言えます。
本の中では、過去の偉人たちの例を参考に愛着障害の考察が多く載っている所が非常に興味深く読める点だと思います。
最後に一人で簡単にできる〝愛着スタイル診断テスト″も載っています。
愛着障害は、子どもの問題だけではなく、子ども時代の愛着関係を引きずり、大人にまで影響するという内容が分かりやすく理解できます。
2.愛着障害の克服 「愛着アプローチ」で、人は変われる
1で紹介した著者と同様に〝岡田尊司さん″が書いた本になります。
1では大人の愛着障害とは?という状態を理解する内容が多ったのに対して(後半には克服法も載っています)、今回取り上げる本は、タイトルにあるように〝愛着障害の克服″がテーマとなってます。
克服方法として活用される〝愛着アプローチ″とは一体どのようなものであるかを中心に、愛着関係の安定化をはかるアプローチが多く載っています。
愛着障害への改善方法について知りたい方にはお勧めの本です。
1の愛着障害と併せて読んで頂けると理解が深まります。
3.「愛情の器」モデルに基づく愛着修復プログラム
著者の〝米澤好史さん″が考案した〝愛情の器モデル″は特に学校や保育現場において、愛着に問題を抱えている(抱えていると思われる)人を相手にしている方には非常にお勧めです。
米澤さんの愛着障害に関する本は多くありますが、その中で最初に出版された本になります。
〝愛情の器モデル″に関する重要な内容が満遍なく記載されています。
最初の方では、愛着とは?愛着障害とは?ASDやADHDと愛着障害はどのように違うのか?愛着障害だけではなくは発達障害の理解と支援方法なども載っています。
そのため、愛着障害に力点を置きながら他の発達障害との関連性やそれぞれの支援方法について実践的に知りたい方には非常にお勧めです。
4.愛着障害・愛着の問題を抱えるこどもをどう理解し、どう支援するか?
3と同じく〝米澤好史さん″の本になります。
3の本よりも、簡潔かつコンパクトな内容になっていること、本の後半では、ワークシート形式で理解する具体的現象・気になる行動の原因と支援のポイントが複数載っています。
例えば、愛着の問題に関係する○○の行動・現象に対しての原因と意味、そして支援のポイントといった流れが載っています。
そのため、保育や学校現場で愛着に問題を抱えている(抱えていると思われる)人を相手にしている方には参考になる点が多くあるかと思います。
5.愛着障害とは何か 親と子のこころのつながりから考える
100ページ程度の分量でコンパクトに愛着障害について学べる本です。
分量は少ないですが、必要な知識が載っているため、愛着障害の概要を短い時間で理解したい方にはお勧めです。
愛着障害への支援に関する本というよりも、タイトルにある通り愛着障害とは何かを理解する所に重きが置かれている本です。
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