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先生との愛着関係について【先生との愛着の重要性と親との違いについて考える】

投稿日:2022年10月1日 更新日:

子どもにとって学校など教育現場における先生との関わりはとても大切です。

もちろん、幼稚園や保育園などとは異なり、原初的な情緒的な関わりよりも、この先生は信頼できる、尊敬できる、自分のことをわかってくれるなど、年齢が増すに伴い、関わる大人の役割も変わってくるように思います。

 

それでは、教育現場における先生との愛着関係は重要なのでしょうか?

また、親との違いはあるのでしょうか?

 

そこで、今回は、先生との愛着関係についての重要性と親との違いについてお伝えしていきます。

 

 

今回参照する資料は「遠藤和彦(編)(2021)入門アタッチメント理論:臨床・実践への架け橋.日本評論社.」です。

 

 

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先生との愛着関係の重要性について

以下、著書を引用しながら見ていきます。

学校における生徒と先生との関係には多様な要因が複雑に絡んでいますが、それでも、先生との間のアタッチメント関係は重要だという指摘があります。

 

著書の内容では、学校の先生との愛着関係は重要だという指摘があると記載されています。

そして、著書では、安定した先生との関係は、学業への意欲的な取り組みや、挑戦意欲などに繋がり、先生をモデルとした価値観の獲得や向社会的行動(社会的振る舞い)などにポジティブな影響を及ぼすと考えられています。

確かに、学校の先生が生徒(子ども)に温かいまなざしを向けることは、特定の養育者との愛着関係と同様に重要です。

生徒(子ども)は、先生が自分のことを理解してくれている(理解してくれようとしている)といった信頼により、学校での立ち振る舞いなども変化してきます。

もちろん、学年が上がるにつれて関わりの質は異なっていくと思われますが、少なくとも、先生との愛着関係は変わらず重要だということが言えます。

 

 


それでは、親との違いはあるのでしょうか?

以下に、この点について見ていきます。

 

先生と親との愛着関係の違いについて

以下、著書を引用しながら見ていきます。

生徒の先生に対するふるまいには、部分的ではあれ、その生徒が親をはじめとする大人との間で経験してきた人間関係の歴史がにじんでいる可能性を考慮する必要があると考えられます。

 

先生-生徒関係が親密で良好であることは、生徒の学校適応に対して肯定的影響をもつことが多く示されています。

 

著書の内容から、親との関わりを中心とした愛着関係の質は、他の人間関係にも少なからず影響すると考えられています。

もちろん、親との愛着関係が他の大人との関係の質にどう影響していくかに関する研究はまだまだ研究途上であるため、結論は出ておりません。

あくまで、現段階での見解となります。

そうした中で、著書にもあるように、学校の先生との関係が良好であると、学業面など学校生活においてポジティブな影響がでているといった研究も多くあります。

こうした内容は、幼稚園や保育園などで保育者との関わりは、愛着関係といった関係性の質に加え、保育者と関わる文脈・場面・状況などと関連があるといった知見と関連づくとも考えられます。

 

関連記事:「保育者との愛着関係について【親子との違いはあるのか?】

 

つまり、学校で、生徒が先生に対して信頼を寄せており、生徒と先生が良好な関係にある場合に、学校内に先生といった「安全基地」があることで、例えば、学業などに意欲的に取り組む生徒の様子は想像に難くないと言えます。

このように、愛着関係という言い方が適切かはわかりませんが、生徒(子ども)と先生との信頼関係は年齢が上がってもある程度の機能・役割として重要だと言えます。

また、小学校低学年などは、愛着関係といった情緒的交流も生徒-先生間とで多いため、学年や年齢によっても関係性の質は異なることも考えられます。

 

 


以上、先生との愛着関係について【先生との愛着の重要性と親との違いについて考える】について見ていきました。

著者も、これまで多くの学校の先生たちと関わってきましたが、先生が自分のことをよく見てくれている(理解しようとしてくれている)、他の生徒と比較無しで評価してくれているなどが、子どもながらに安心感を与えてくれていたと感じます。

そして、上記のような関わりを多くしてくれる先生のことはとても「安全基地」として信頼し、行動意欲や挑戦意欲も高まっていたように感じます。

そして、今、自分が大人となり療育する立場になり、改めて、子どもたち一人ひとりの発信を敏感に受け止め、適切な応答をしていくこと、つまり、愛着関係の質を高めていくことが、子どもたちが安心して過ごす上で、とても大切だと思えるようになりました。

私自身、まだまだ未熟ですが、今後も子どもたちの良い「安全基地」でいられるように、あるいは、なっていけるように、日々の現場での実践を大切にしていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

遠藤和彦(編)(2021)入門アタッチメント理論:臨床・実践への架け橋.日本評論社.

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