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保護者支援について-親が変われば子も変わる?-

投稿日:2022年2月23日 更新日:

療育現場では子どもたちとの関わりだけではなく、保護者との関わりも多くあります。

以前、私は療育施設で働いていたことがあります。療育施設では、未就学児を対象に、日々の生活習慣を整え、遊びを通して主体性や社会性などを育むことを取り組みとして行っていました。

子どもたちとは、多くの時間関わりがありますが、保護者の方とも関わる機会が当然あります。それは、行き・帰りの送迎時であったり、電話や連絡帳でのやり取りや、面談や行事など様々な場面で関わりがあります。

また、親子保育もあり、実際に保護者の方にも保育に混ざってもらうこともありました。

私はこうした日々の保護者との関わりから、保護者の変化とお子さんの変化を感じた経験が多くありました。

 

そこで、今回は、療育現場での経験を通して、保護者支援について大切だと思う点についてお話していこうと思います。

 

 

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体験談

A君とA君ママの事例→親と子の変化を通して考えさせられたこと

当時、5歳だったA君の担任になった私は、A君の担任だけではなく、A君の担当にもなりました。

担当とは、複数いるクラス担任の中で、より密にA君に働きかける、そして、個別支援計画を立てるなどが業務としてあります。

A君ママからは、A君にとって初めて男の人が担任になるということを聞きました。

当時のA君と私との距離感は非常にあり、どちらかというというと私に対して回避的でした。A君は、重度の自閉症のあるお子さんで、人との関係を築くことの難しさや、こだわりが非常に強いお子さんでした。

最初にA君ママと会った時の印象は、非常に口数が少なく、表情も疲れ切っており、A君に対しても、笑顔ややさしい声掛けなどが少ないといった印象でした。

それもそのはずで、私自身、A君との関わりは非常にエネルギーを使い、関係をきずくのに非常に苦労したのを覚えています。

そんなA君ママに変化を感じたと私が実感したのは、私が担任になってから3ヶ月程度が過ぎた頃に、A君が大好きな紙芝居を私が繰り返し読んでおり、その様子をA君ママが近くで見ていたことに始まります。

A君は大喜びで紙芝居と私のことを見ており、紙芝居後に私にスキンシップを求めるなど私との関係に変化が生じているところを偶然お迎えに来たA君ママが見ていたのです。後日、A君ママの連絡帳にその喜びが記載されていました!

A君と私の関係が変化し始めた頃から、A君の表情が豊かになっていきました。こうした変化をA君ママは直接的に、あるいは間接的に感じとっていたのか、A君ママの表情も明るくなっていきました。

A君ママがA君に接する様子も非常に穏やかになり、以前と比べ、A君ママがA君をお迎えにくると、A君は笑顔で喜ぶ様子や、母親と離れる際に、不安がったり悲しがったりする様子が増えていきました。

こうしてA君の情緒は徐々に安定したものへと変わっていきまいた。当時、私が最初にあったA君の緊張した様子、何にでも過敏な様子、そして、A君ママの暗く・疲れきった表情は大きく変化していました。

こうした変化は、どちらか一方の変化というよりも、両者が共に変化し続けたことと言えるのかもしれません。

そういった意味では、療育の重要性は、お子さんと保護者、両方に働きかけることがとても大切なことだと感じます。

 

 

著者のコメント

こうした事例は私の経験上多く存在します。現在、ペアレントトレーニングなど、保護者にアプローチする方法も世間に広く認知されるようになってきています。それだけ、保護者の存在や関わり方は重要であると言えます。

親が変われば子も変わる?というタイトルに対する現時点の私の答えは、変わる部分もあるかもしれませんが、それはケースバイケースであるというものです。

そのわけは、こうした構造は単純ではないからです。

変化の構造には、保護者→子だけではなく、子→保護者もあり、保護者↔周囲の環境・サポート、子↔周囲の環境・サポート、子の発達特性、、保護者のパーソナリティ、おかれている社会環境など様々な要因があるからです。

話が複雑になってきましたが、保護者支援の必要性は変わらず大切だと思います。

今後も私自身、発達支援の現場から日々の実践を大切にしていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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