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ディスレクシアの4つの強みについて

投稿日:2022年2月26日 更新日:

知能は正常でありながらも読み書きに苦手さがある人たちがいます。こうした人たちの中にはディスレクシア(読み書き障害)の人たちもおります。

ディスレクシアというと、読み書きの苦手さなどから、学校の勉強をはじめ、日常生活や社会生活に至るまで様々な困難な視点から語られることが多くあります。

一方で、ディスレクシアには強みもあります。あまり語られることはありません。

 

そこで、今回はディスレクシアの強みについてお伝えしていこうと思います。併せて、ディスレクシア傾向のある私が強みと感じる内容についてもお伝えしていこうと思います。

 

 

今回参考にする資料は「ブロック・L・アイディ/ファーネット・F・アイディ(著)藤堂英子(監訳)辻佑子・成田あゆみ(訳)(2021)ディスレクシアだから大丈夫!視点を変えると見えてくる特異性と才能.金子書房.」です。

 

 

私自身、これを読んだときには正直自分の中で革命が起こったような感覚でした!興味のある方はぜひ読んでみて下さい。重要な点は、ディスレクシアだから、というところです。

また、ディスレクシアについては「ディスレクシアとは何か?:読み書きに困難のある人たちについて考える」に記載しておりますので合わせて読んで頂ければと思います。

 


それでは以下にディスレクシアの強みについて記載していきたいと思います。

 

 

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ディスレクシアの4つの強み

ディスレクシアの4つの強み

以下、著書を引用します。

①空間把握能力(Material reasoning)

物理的あるいは物質的な世界について把握する能力。つまり、空間内における物、サイズ、動き、位置関係、向き、物体が互いにどう連携するかを把握する能力。

 

②相互関係性把握能力(Interconnected reasoning)

複数のモノや概念、視点などの関係性を見つけることのできる並外れた能力。

 

③物語理解能力(Narrative reasoning)

過去の個人的経験の断片(エピソード記憶)を繋ぎ合わせ「脳内シーン」を構築する能力。

 

④シミュレーション能力(Dynamic reasoning)

エピソードのシミュレーションをもとに、過去や未来を正確に予測する力。

以上がディスレクシアの4つの強みになります。

 

 


詳細は参考書の中に、それぞれの能力の詳細な内容や事例などが豊富に記載されています。

こうした強みはディスレクシアの方の中で強弱や、一つが有意である(人によって複数あるなど)など個人差があると言われています。

また、ディスレクシアが苦手とするものがあるからこそ、それとトレードオフで上記のような強みがあるというのが興味深いところかと思います。

 

著者のコメント

私自身、ディスレクシア傾向があり、学習するのに非常に苦労してきました。

それでは、次にディスレクシア傾向のある私がどの強みを持っていると感じているのかについてお伝えしていこうと思います。

それはずばり、②相互関係性把握能力(Interconnected reasoning)です。

これは何か能力を測定したというものではなくあくまでも著者(私)の主観です。

この「相互関係性把握能力」がなぜ自分の強みであるのかある程度の根拠があります。それは、私が苦手とする読み書きと記憶力の弱さにあります。

つまり、こうした弱さを補うために、相互関係性把握能力が高まったと思います。

私自身、読み書きの苦手さに加えて、記憶力がとても弱いです。そのため、記憶力重視の学校教育にうまく適応することが困難でした。勉強で挫折した経験や、無力感に襲われた経験は数知れずあります。

なぜ自分は読みが苦手なのか?なぜ自分は記憶力がこんなに悪いのか?

という不安感や疑問は常にもっていました。一度、自分の脳のどこかがおかしいと思い、MRIを取りにいったほどです(笑)。もちろん、脳は正常でしたが。

こうした苦手さのある私ですが、独学で勉強を進める中で、得意になってきた能力があります。

それは物事の繋がりや関連性を考える力です。

記憶力の悪い自分はとても大量の情報を覚えておくことができません。そのため、もう覚える学びは止めにして、物事の関連や意味を掘り下げるという学びにシフトしました。シフトしたというよりかは、シフトせざるを得なかったという感じです。

こうして、自分ならではの学びを進める中で、必ずしも記憶力が悪くても、物事を理解できないわけではない、一つ一つをしっかり覚えておかなくても良いということを学んでいきました。

その学びが方が、物事の繋がりといった関連性を理解していくことであったり、細部ではなく全体的情報を理解するというものでした。

もちろんこうした力は徐々に身に付いてきたもので、最初から計画立てていたものではありません。

こうした学びを長く続けていくことで人の脳はそれぞれ個性があること、そして、ふさわしい学び方があるのだと実感できるようになりました。

 

 


今回取り上げた書籍は、ディスレクシアの強みに焦点を当てており、こうした文献は非常に少ないため私のようなディスレクシアの特徴がある人にとってはとても勇気づけられるものかと思います。

今後も多様な人間の発達を理解できるように、学ぶことを継続していきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

ブロック・L・アイディ/ファーネット・F・アイディ(著)藤堂英子(監訳)辻佑子・成田あゆみ(訳)(2021)ディスレクシアだから大丈夫!視点を変えると見えてくる特異性と才能.金子書房.

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