〝ディスレクシア(読み書き障害)”とは、読み書きに障害のある人たちのことを言います。
当然、読みが困難であると書きにも躓きが生じます。
知能は正常でありながらも、読みや書きに困難さがあると、学習面だけではなく、社会生活においても様々な困難さが生じます。
また、学習がなかなか積み重ならないこともあり、二次障害などにも繋がる可能性もあります。
関連記事:「ディスレクシアとは何か?:読み書きに困難のある人たちについて考える」
ディスレクシアの人の中には、読み書き以外にも困難さがあると言われています。
それでは、ディスレクシアの人たちの読み書き以外の困難さには、どのようなものがあると考えられているのでしょうか?
そこで、今回は、ディスレクシアの読み書き以外の困難さについて、臨床発達心理士である著者の経験談も交えながら理解を深めていきたいと思います。
今回参照する資料として、「藤堂栄子(2009)ディスレクシアでも大丈夫!読み書きの困難とステキな可能性.ぶどう社.」を参照していきます。
ディスレクシアの読み書き以外の困難さについて
以下、著書を引用しながら見ていきます。
ディスレクシアの読み書き以外の困難さ
①不器用さ、②運動神経が鈍い、③忘れっぽい、④疲れやすい、⑤無気力、⑥アレルギー、⑦左右がよくわからない、⑧文字の左右がよくわからない、⑨左利き、⑩聞き間違え、⑪聞き分けができない、⑫言い間違え、⑬空気が読めない、⑭言葉の裏が読めない、⑮行間が読めない、 ⑯人の表情が読めない、⑰顔と名前が一致しない、⑱リズム感、、⑲過集中、⑳ルールがわからない、㉑時間を読めない
著者の経験談
著者自身、ディスレクシア傾向があると感じています。
そのため、上記の困難さの内容の中で、いくつか該当しているものがあります。
それは、③忘れっぽい、④疲れやすい、⑤無気力、⑥アレルギー、⑦左右がよくわからない、⑨左利き、⑫言い間違い、⑰顔と名前が一致しない、です。
非常い多いです!!!
それも、上記の該当箇所は、ある程度成人してからのものなので、幼少期も加えるともっと該当している言えます。
中でも、ひどいのが③忘れっぽいです。
とにかく短期記憶が弱さが昔からありました。
ただでさえ、読み書きがに苦手さがある上に、物覚えが悪いと学校の勉強は壊滅的です!
なぜなら、日本の勉強は正解を出すことに重きをおいているため(特に自分の時代は)、記憶力が弱いと非常に不利に働きます。
昔、心理学部時代に、短期記憶に関する実験を行ったのですが(文書を読んで覚える)、この実験において、周囲とのギャップを強く感じました。
それは、私はほとんどその内容を覚えることができなかったのです。それを見た友人が冗談交じりに「認知症か!」と言っていたことを今でもよく覚えています。
記憶力が悪いと当然人の名前も覚えることが困難になります。そのため、⑰顔と名前が一致しないことも度々起こります。また、⑫言い間違いもよくあります。
学校の勉強に多大なエネルギーを費やしていたにも関わらず、ほとんど成果がでないと当然、④疲れやすい、⑤無気力なども生じます。
こうしてディスレクシアの読み書き以外の困難さの内容と、これまでの自分の状態像を比較すると、該当箇所がとても多いことに改めて驚かされます!
一方で、今はディスレクシアだったからこそ良かったと思えるところも多くあります。その内容については他の記事に記載していきたいと思います。
以上が、【ディスレクシアの読み書き以外の困難さについて】著者の経験談も踏まえて考えるについて見てきました。
ディスレクシアには、今回見てきたように、読み書き以外の困難さもまたあります。
そのため、ディスレクシの人たちにおいて、何が困難であるのかを理解していきながら、個々の困難さに配慮していくことが必要だと思います。
私自身、現場を通して、こうした様々な発達特性を理解していきながら、個々に応じた配慮すべき点なども継続して考えていきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
学習障害に関連するお勧め書籍紹介
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藤堂栄子(2009)ディスレクシアでも大丈夫!読み書きの困難とステキな可能性.ぶどう社.