日々の療育現場で子どもたちと関わっていると、子どもたちの成長を感じる場面や何か新しいことに挑戦する姿、信頼関係の深まりを感じるなど、ある意味、療育の成果ともいえる場面に出会うことがあります。
私の中ではこうした子どもの変化に喜びを感じながらも、なぜそのような変化が生じたのか、その変化にはどのような意味があるのかなど、他者に伝わる言語で語り説明できる力が専門家には必要であると感じています。
こうした力を獲得するためには、理論や知識を学び活用することが重要だと思います。
そして、こうした力はまだまだ私自身に不足している所でもあるため、追い求め続けています。
今回はなぜ療育現場で理論や知識の活用が難しいのかその原因について私の療育経験とその中での学びからお伝えしていこうと思います。
①経験的に判断する
これは療育現場では最も多いのではないかと思います。そして、経験的判断は非常に大切だからです。
しかし、経験的判断のみを重ねてしまうと、他の視点や新しい考えなど実は非常に面白い考えなどを取り入れる機会を失ってしまうように感じます。
また、取り入れたくても、何から学んでいけばいいのかなど、日々の業務の多さからその時間を確保し、その中でさらにどういった情報にアクセスすればいいのかなど悩むことも多いかと思います。
まして、理論や知識の重要性を実感したことのない場合であるとさらに難しさは倍増すると思います。
私の中では、自分の経験では判断できないことは、理論や知識に頼ることで、理解や支援の幅が広がった、深まったという実感があり、それにより迷いが消えた、気持ちが軽くなったことがこれまで多くありましたので、理論や知識を学ぶ意味は徐々に理解できるようになってきていると思います。
大切なことは、理論や知識を得ることで他者と共通認識(共通言語)を持てる要素が増えるということです。さらに、こうした認識が進み経験と掛け合わさることでその力は非常に高まると思います。また、なぜ?という問いも増えると思います。
療育現場で、子どもたちの成長や変化、そして、問題行動だとされている背景の意味を理論や知識からの視点で考えることは楽しい作業でもあります。私自身、理論や知識を学ぶことで日々の現場に非常に厚みが出てきているという実感がありますので、今後も継続して学んでいきたいと思っています。
②理論や知識が意味を持つのに時間がかかる
なんでもそうですが学んだものが形になるのには時間がかかります。特に知識の活用などは、絶えず進化・変化するため、常に考え続けるという姿勢が重要になると思います。
経験においては、おそらく日々の業務の繰り返しで体積される部分は多くなるため、経験側的判断はその中から自ずと鍛えられると思いますが、理論や知識は意識的に取り入れていかないと難しいかと思います。これはあくまでも私のこれまでの経験を通して言えることですが・・・。
私自身もまだまだ学びの途上ですが、理論や知識を吸収し学び続ける過程は非常に楽しい作業だと実感しています。
すぐに成果がでるものではないと思いますので、今後も、時間をかけながら学んでいきたいと思います。
以上が、療育現場に理論や知識を取り入れることの難しさについての私の個人的な見解になります。
現場の経験からの問いや発見などを理論や知識で深堀りしていくことは非常に楽しい行いだと思いますし、人の深い理解にも繋がると思います。
今後も日々の現場での経験と理論や知識からの学びを掛け合わせながら、より良い発達理解と発達支援を目指していきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。