〝非認知能力″には、創造性や好奇心、興味・関心、意欲、自主性、主体性、自制心、自信などがあると言われています。
〝非認知能力″で大切なものの一つに、〝自己効力感″があります。
〝自己効力感″とは、ある状況の中で必要とされる行動や課題に対して、自分にはできると思えるか、といった力のことを言います。
つまり、〝自己効力感″の高さとは、自分には〝できる″といった思いが強い状態だと言えます。
それでは、自己効力感は一体何歳頃からどのように発達していくのでしょうか?
そこで、今回は、非認知能力で大切な自己効力感の発達について、幼児期・児童期・青年期の特徴について考えを深めていきたいと思います。
今回参照する資料は「森口佑介(2023)10代の脳とうまくつきあう 非認知能力の大事な役割.ちくまプリマ―新書.」です。
自己効力感の発達について
それでは、以下に〝幼児期″〝児童期″〝青年期″にわけて〝自己効力感″の特徴について見ていきます。
幼児期の特徴
以下、著書を引用しながら見ていきます。
確実にみられるのは幼児期くらいからです。
幼児期には、全般的に自信があり、たとえば保護者や教師からみた自信度とは一致しない
幼児期とは、1 歳前後から 5~6 歳頃の時期を指します。
幼児期になると、何でも〝自分でやりたい″といった自我が出てきます。
そして、自分は何が好きで得意なのかといったことへの気づきも出てきます。
そして、〝自己効力感″がこの幼児期から顕著に見られるようになると言われています。
一方で、この時期は、〝何でもできる″といった根拠なき自信が高まる時期でもあります。
そのため、本人の自信と周囲との認識にズレが生じる時期だとも言えます。
児童期の特徴
以下、著書を引用しながら見ていきます。
児童期になってくると、子ども自身の自信度と、保護者や教師から見た自信度が一致するようになってきます。子どもが自分を客観的にとらえられるようになってくるわけです。
児童期とは、6、7歳から、11、12歳といった小学生の時期を指します。
著書にあるように、児童期になると自分を客観的に捉えられるようになってきます。
つまり、これまで根拠なく何でも〝できそう・できる″だと思えていたことが、○○はできる、○○はできない、○○は得意、○○は苦手、といった周囲との比較により自己を捉える力が身に付いてくる時期だと言えます。
そのため、周囲の大人の認識と本人との間のズレが少なくなってきます。
青年期の特徴
以下、著書を引用しながら見ていきます。
青年期には、友人の存在もまた自己効力感に重要な影響を与えるようになります。
青年期とは、11歳から20歳といった時期を指します。
主に、中学生、高校生、そして、大学生辺りの時期だと言えます。
この時期は、著書にあるように、周囲の友人の影響を強く受ける時期だと言われています。
例えば、スポーツ好きな友人付き合いが多く、スポーツに熱中することで、スポーツに関する自己効力感が高まることが想定されます。
また、勉強好きな友人に囲まれることで、勉強への意欲が高まることで、勉強への自己効力感が高まることが想定されます。
このように、〝自己効力感″の対象や高低は、関わる友人グループによって大きく影響を受けると言えます。
以上、【非認知能力で大切な自己効力感の発達について】幼児期・児童期・青年期の特徴について考えるについて見てきました。
自己効力感の育ちは子どもの成長・発達においてとても大切です。
そして、今回見てきたように、自己効力感の育ちは、ライフステージの違いのよって異なる特徴があると考えられています。
私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も療育現場で関わる子どもたちの自己効力感を高めていけるように、ライフステージの違いも踏まえて関わり方を工夫していきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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森口佑介(2023)10代の脳とうまくつきあう 非認知能力の大事な役割.ちくまプリマ―新書.