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【遊びの6つのタイプ】療育経験を通して考える

投稿日:2023年6月10日 更新日:

著者が勤める療育現場には様々な遊びが行われています。

例えば、工作遊び、感触遊び、追いかけっこ、ままごと、お絵描き、など多様な遊びが存在しています。

 

それでは、こうした様々な遊びの内容は理論上どのように分類されているのでしょうか?

 

そこで、今回は、遊びの6つのタイプと、臨床発達心理士である著者の経験談も交えながら各タイプの遊びの詳細について理解を深めていきたいと思います。

 

 

今回参照する資料は「ピーター・グレイ(著)吉田新一朗(訳)(2018)遊びが学びに欠かせないわけ 自立した学び手を育てる.築地書館.」です。

 

 

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遊びの6つのタイプ

著書の中では、遊びのタイプを次の6つに分類しています。

 

1.肉体的な遊び

2.言葉遊び

3.探索的な遊び

4.建設的な遊び

5.空想的な遊び

6.社会的な遊び

 

以上の6つの遊びは互いに関連性があるため、必ずしも独立した遊びとは言えないところもありますが、それも踏まえて著書では大きく6つに分類しています。

 


それでは次に、それぞれについて見ていきます。

 

1.肉体的な遊び

以下、著書を引用しながら見ていきます。

走ったり、跳びはねたり、追いかけたり、荒っぽいゲームなどの「肉体的な遊び」をします。

 

療育現場でも〝肉体的な遊び″は日々必須と言ってもいいほど人気の高い遊びです。

中でも、追いかけっこや柔道・相撲などフィジカルがメインとなる遊びはシンプルではありますが、、特に強さを求める男子から絶大な人気を誇っています。

また、〝肉体的な遊び″はごっこ遊びとも相性が良く、著者の療育現場では〝戦いごっこ″がとても人気の高い遊びとなっています。

〝肉体的な遊び″により、自分の身体が向上していく感覚、体を思いっきり使った後に得られる達成感を楽しみに来ている子どもたちも多くいます。

 

2.言葉遊び

例えば、〝しりとり″や〝なぞなぞ″などは誰もがやったことのある遊びは地味な印象を受けますが意外と人気の高い〝言葉遊び″の代表です。

子どもたちの中には、車内で特に何もすることがない(放課後等デイサービスの送迎の時など)と〝しりとりしよう!″などと誘ってくる子もいます。

〝言葉遊び″の中には、他者の言葉の使い方を真似る遊びもあります。

ただ、真似るだけではなく、自分なりにアレンジするなど創造性が見られる所もあります。

 

3.探索的な遊び

以下、著書を引用しながら見ていきます。

私たちはホモサピエンス、つまり世界とはいったい何かを理解する賢い人です。そのためにも、私たちは理解を構築するために探索と遊びを結びつけた「探索的な遊び」をします。

 

〝探索的な遊び″は、著者の療育現場では、自然の観察、例えば、虫取りなどが代表的な遊びです。

子どもたちの中には、虫取が大好きなケースが多く見られ、公園や河原で捕まえた虫を自宅に持ち帰り観察したり、図鑑などで虫の種類や飼い方をじっくり調べる子もいます。

このように、自然を観察することを通して、世界についての理解を深めていくのだと思います。

 

4.建設的な遊び

以下、著書を引用しながら見ていきます。

建設的な遊びを通して、子どもは自分の頭の中にある何かを作り出そうと努力します。

 

建設的な遊びは、ものだけではなく、言葉や音でも行われます。

 

〝建設的な遊び″の例には、段ボールや粘土、砂といった多様な材料から城や家を作るなどがあるかと思います。

また、レゴブロックなどブロックを使って基地や乗り物を作る子どもたちも多くいます。

その他、〝建設的な遊び″は、自分でオリジナルの曲を演奏する、物語を作成するなどの音や言葉による遊びでも見られます。

著者が関わる子どもたちも、様々な材料をうまく組み合わせるなど創意工夫して即興で武器を作ったり、その日の〝戦いごっこ″のストーリー(物語)を考え出す子もいます。

 

5.空想的な遊び

以下、著書を引用しながら見ていきます。

私たちは、「空想的な遊び」ないし「ごっこ遊び」をします。

 

このタイプの遊びでは、架空の世界に対して特定の前提を設定し、そしてそれらの前提を論理的に演じます。

 

〝空想的な遊び″とはよく言われる〝ごっこ遊び″のことです。

例えば、お店屋さんごっこ、病院ごっこ、警察ごっこ、レスキューごっこ、など多様な〝ごっこ遊び″が著者の療育現場でも行われています。

〝ごっこ遊び″では、必要な架空の世界の前提条件があり、そして、その前提条件をもとに役割が各々あるため、イメージを理解する力、共有する力がとても必要になってきます。

〝ごっこ遊び″が好きな子の中には、空想世界を拡張しながら話を次々と展開するほどのめりこむケースもあります。

 

6.社会的な遊び

以下、著書を引用しながら見ていきます。

私たちはとても社会的な動物です。生存し続けるためには他者と協力する必要があります。なので、私たちは様々な「社会的な遊び」をします。

 

〝社会的な遊び″とは、とても抽象的であり、これまで見てきた遊びの中にもある種の〝社会的″とも言われる部分は多く存在していると思います。

〝社会的な遊び″は他者と目標を共有し、それぞれに役割があり、一緒に協力していくといったイメージがあります。

そのため例えば、〝戦いごっこ″では敵を倒す(目標)ためには、それぞれの役割があり(武器を作る役・使って戦う役など)、一緒に協力していく(異なる役割の中で助け合う)必要があるため高度な社会性が必要となります。

著者の療育現場でも〝社会的な遊び″は見られます。まだまだ未発達だと感じる所も多くありますが、それでもルール設定や大人がうまくサポートすることで遊びがうまく展開する様子が見られています。

 

 


以上、【遊びの6つのタイプ】療育経験を通して考えるについて見てきました。

様々な遊びを通して、子どもたちに合った遊びは何か?そして、その遊びはどのような能力が必要であり、どのような能力の育ちに貢献するのか?といったことが療育を行う上でとても大切な視点だと思います。

そのために、今回取り上げたように遊びを分類することは重要だと思います。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も療育現場で様々な遊びを子どもたちに提案し子どもたちがハマっている遊びをさらに展開していけるように、遊びの持つ意味や遊びの内容についての理解を深めていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

関連記事:「【自由遊びとは何か?育まれる力とは何か?】療育経験を通して考える

 

ピーター・グレイ(著)吉田新一朗(訳)(2018)遊びが学びに欠かせないわけ 自立した学び手を育てる.築地書館.


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