著者は療育現場で、発達障害児への支援をしています。
その中で、環境の変化・変更に弱い子どもが多くいます。
自閉症児は脳の特性上、変化・変更に弱いと言われており、著者も療育を通して実感することがよくあります。
それでは、自閉症児が苦手とする変化・変更への配慮としてどのようなことに注意していけば良いのでしょうか?
そこで、今回は、自閉症児への構造化で大切なことについて、臨床発達心理士である著者の療育経験も交えながら理解を深めていきたいと思います。
今回参照する資料は「小嶋悠紀(2022)小嶋悠紀の「特別支援教育・究極の指導システム」①.教育技術研究所.」です。
自閉症児への構造化で大切なこと
著書には、自閉症児への教育で大切なことについて①安定させる、②変化・変更を起こさない、の2点を取り上げています。
それでは、それぞれについて具体的に見ていきます。
①安定させる
自閉症児にとってやることが分からない状況は非常に不安感に繋がります。
不安感を解消し安定させるためには、その日のスケジュールは?→時間の構造化、どこでやるのか?→空間の構造化、やる順番は?→手順の構造化、といった〝構造化″の手法を活用することが大切です。
自閉症児は特に特定のやり方やパターンにはまると力を発揮する傾向があるため、その子にとってわかりやすい環境調整(〝構造化″)を視覚材料なども取り入れながら作っていく必要があります。
著者も療育現場において、時間・空間・手順の〝構造化″を活用するようにしています。
上記の内容が曖昧であり、そして、まだ活動に慣れていない状態(他児との交流が少ない、大人との信頼関係が弱い、やりたい活動が定まっていないなど)であると不安感が高まる様子が多く見られます。
そのため、活動前に関わる子どもと予定を組むよう心がけています。
②変化・変更を起こさない
急な予定の変更などでパニックを起こす自閉症児は多くいます。
いつもと、同じが大切です。
例えば、○○さんといった人が同じ、○○という流れで活動を進めるといったスケジュールが同じ、○○の場所で活動するといった場所が同じなどです。
そのため、ここでのポイントは変化・変更を起こさないです。
一方で、どうしてもやむ終えず予定の変更が必要になってしまうこともあります。
そのような場合には、次の対応方法が有効です(以下、著書引用)。
①できるだけ事前に知らせる(できれば、一日前。最悪、その日の朝には知らせる)。
②変更点を紙に書くなどして「見せる」。
③変更に耐えられるかどうか、予告し了承してもらう。
④耐えられたときに、しっかりと褒める。
著者の療育現場でも、できるだけ変化・変更を起こさない対応を心がけています。
大人側から見て〝このくらいの変更は大丈夫だろう″と軽い気持ちで対応を続けると子どもの状態が徐々に悪くなってしまうことがあります。
もちろん、大人との信頼も崩れてしまいます。
そのため、自閉症児の特性を理解した関わりとは、〝変化・変更を起こさない″といった配慮を行う対応でもあります。
もちろん、成長に伴い、柔軟性が増したり、こだわりの内容が変化していくこともよく見られます。
変化していく部分がありながらも、その都度、本人の情緒が安定するような関わり方(環境調整)の継続を怠らないことが前提として大切だと感じています。
また、引用にあったように、変更はできるだけ早めに伝えることは著者も心がけています。
前日の時点で分かっている変更点は前日に行うことで、当日の子どもの動きがスムーズになることはよくあります。
以上、【自閉症児への構造化で大切なこと】療育経験を通して考えるについて見てきました。
自閉症児は環境の変化や急な変更を苦手としています。
周囲で関わる人たちがこうした特性を理解し配慮していくことで、子どもたちが日々を安心して楽しく過ごせるようになるのだと感じます。
私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も構造化への学びを深めていきながら、より良い発達理解と発達支援ができるように日々の取り組みを見直していきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
関連記事:「自閉症への支援-構造化と合意から考える-」
参考となる書籍の紹介は以下です。
関連記事:「発達障害の支援に関するおすすめ本5選【初級~中級編】」
小嶋悠紀(2022)小嶋悠紀の「特別支援教育・究極の指導システム」①.教育技術研究所.