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【発達障害児の子育てで大切にしたいこと】無条件子育ての原則とは?

投稿日:2023年10月19日 更新日:

 

発達障害の有無を問わず〝子育て″の中で大切にしたい考え方があります。

中でも〝無条件の接し方″は非常に重要な関わり方です。

 

関連記事:「【発達障害児の子育てで大切にしたいこと】条件付きの接し方・無条件の接し方を例に

 

それでは、無条件の接し方とは一体どのような子育てのことを言うのでしょうか?

 

そこで、今回は、発達障害児の子育てで大切にしたいことについて、無条件子育ての原則から理解を深めていきたいと思います。

 

※この記事は、臨床発達心理士として10年以上療育現場に携わり、修士号(教育学・心理学)を有する筆者が執筆しています。

 

 

今回参照する資料は「島村華子(2020)モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方.ディスカヴァー・トゥエンティワン.」です。

 

 

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無条件子育ての原則とは?

著書の中では、無条件子育ての5つの原則について紹介しています(以下、著書引用)。

  1. ほめ方と叱り方に気をつける
  2. 「子どもに対するイメージ(見方)」を見直す
  3. 子どもにとって良きリーダーでいる
  4. 子どもへの要求を考え直してみる
  5. 子育ての長期的なゴールをもつ

 

 


それでは、次に以上の5つの原則について具体的に見ていきます。

 

1.ほめ方と叱り方に気をつける

以下、著書を引用しながら見ていきます。

能力や見た目に集中した声かけを避け、努力や経過に言及したり、子どもの行動について具体的に声をかけたりすることが重要

 

著書の内容では、〝ほめ方とり方″で大切な点として、取り組みの過程を褒めること、そして、子どもが取った行動について質問することが良いとされています。

一方で誤った対応としては、アメとムチ(賞と罰)で子どもをコントロールすること、そして、過程を見ずに表面上の結果などにフォーカスした声かけなどです。

 

 

2.「子どもに対するイメージ(見方)」を見直す

以下、著書を引用しながら見ていきます。

親がもつ子どものイメージは、その子が大人になったときの行動を左右します。

 

著書の内容から、親がもつ子どもへのイメージはその後の子どもの成長・発達に影響していくと考えられています。

例えば、うちの子には自分がやりたい仕事についてもらいたいと考えているか、○○の仕事についてもらいたい、といったイメージによって接し方が変わってきます。

前者の方が、子どもが生き生きと活動する様子に目を向けることができるため、子どもの内発性の育ちに目が向くはずです。

一方で、後者は親からの指摘・指示が入ってくる可能性があります。もちろん、後者の全てが悪いわけではありませんが、親のイメージによって関わり方が変わるため、その態度が子どもの行動に影響を及ぼすということは頭に留めておく必要があります。

 

 

3.子どもにとって良きリーダーでいる

親自身が子どもの良きモデルになることは大切なことです。

良きモデルとして、子どもを引っ張るリーダーとしての姿勢とは背中で見せる関わりだとも言えます。

つまり、自分はできてはいないことを子どもに押し付けるような関わりだと説得力がないということです。

 

それでは、良きリーダーとはどのような姿のことをいうのでしょうか?

著書を引用して見ていきます。

子育てにおけるよきリーダーとは、子どもに向き合い、気持ちに寄り添いながらも、必要な制限を設け、子どもに道しるべを示す人を指します。

 

つまり、何が起こっても受け止めてくれる人、そして、必要な関わりと今後の方向性を示してくれる人だと言えます。

 

 

4.子どもへの要求を考え直してみる

子どもにとって無理な課題、ハードルの高い要求は子どもとの関係性や子どもの自尊心を低下させることに繋がります。

そのため、子どもの能力や発達段階の理解、そして、子どもの思いを理解した関わりが大切です。

親が子どもに要求する際には、上記の様々な要素に目を向ける必要があります。

 

 

5.子育ての長期的なゴールをもつ

以下、著書を引用しながら見ていきます。

普段の自分の行動が、子育ての長期的なゴールにいかに貢献しているのか、あるいは子どもの成長の邪魔になっているのか、意識して考えてみましょう。

 

子育てをする場合には長期的な見通し・ゴールを持つこともまた重要です。

そのためには、著書にあるように、普段の関わり方が、子どもの後の成長・発達にプラスに貢献しているのか、あるいは、マイナスとして作用しているのかを見つめる必要があります。

例えば、成長には挑戦が必要です。挑戦する場を設けずに、過保護・過干渉になっていては、成長が困難になってしまいます。

そのため、成長の意味を考え、長期的に挑戦と失敗を糧にして学んでいくことを理解した関わりを行うことで、現状の関わり方に違いが出てきます。

 

 


以上、【発達障害児の子育てで大切にしたいこと】無条件子育ての原則とは?について見てきました。

これまで見てきた〝無条件子育ての原則″は、発達障害の有無を問わずどの子どもにも共通して大切なものだと思います。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も〝無条件子育て″の視点を療育現場に活用していけるように、自分の関わり方を見つめていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 


参考となる書籍の紹介は以下です。

関連記事:「発達障害の子育てに関するおすすめ本【初級~中級編】

 

 

島村華子(2020)モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方.ディスカヴァー・トゥエンティワン.

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