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【学校に行き渋る子どもへの対策】〝天秤の法則″を通して考える

投稿日:2024年10月23日 更新日:

不登校児童の数が増加し続ける中で、学校外での居場所の価値も重要になってきています。

著者は長年、療育現場で発達障害など発達に躓きのある子どもたちへの療育をしてきています。

子どもたちの状態像を見ても、最近、特に不登校児童・不登校傾向の児童が増えてきたという印象があります。

その中で、学校外での居場所作りはとても大切な取り組みだと感じています。

 

それでは、学校に行き渋る子どもには、どのような対策が必要だと考えられているのでしょうか?

 

そこで、今回は、学校に行き渋る子どものへの対策について、臨床発達心理士である著者の経験談も交えながら、天秤の法則を通して理解を深めていきたいと思います。

 

 

今回参照する資料は「渡辺道治(2024)特別支援教育に学ぶ 発達が気になる子の教え方 The BEST.東洋館出版社.」です。

 

 

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天秤の法則とは何か?

〝天秤の法則″とは、簡単に言えば、〝学校or家庭″を天秤にかけた際に、居心地に良い方を選択する法則だと言えます。

子どもが学校に行き渋る背景には、様々な要因があります。

例えば、友人関係の問題、担任の先生との相性の問題、授業内容が理解できないといった問題、理由がはっきりしないもの、など様々あり一つの要因が影響する場合もあれば、重複する場合もあります。

また、最近では〝発達障害″といった特性+環境への不適応状態が影響して不登校に繋がっているケースも多くあると言われています。

 

関連記事:「【不登校の原因について】学校に行き渋る要因について考える

関連記事:「【不登校の原因について】発達障害と心の病気を通して考える

 

様々な背景要因がある中で、〝天秤の法則″から不登校や行き渋りを解釈した場合に、家庭の方がとても居心地が良いため、学校に行きたくない状態が続いている可能性もあります。

 

 


それでは、〝天秤の法則″を通して、学校への行き渋りを見た場合に、どのような対策があるのでしょうか?

次に、この点について見て行きます。

 

学校に行き渋る子どもへの対策:天秤の法則を例に

〝天秤の法則″を通しての対策として、まず一つ目に〝環境調整″があります。

以下、著書を引用しながら見ていきます。

特定の活動や場に行き渋るとか行きにくいという場合には、まず王道としてやった方がいいのは「環境調整」です。

 

家にいる間に、できるだけプラスの重りが増えないようにしてもらいます。

 

著書でいう〝環境調整″とは、本来学校に行く時間帯に、ゲームが好き放題できる、お菓子を好き放題食べられるなど、家庭がレジャーランド化している場合には、ある程度、保護者に依頼して制限をかけていく方法となります。

つまり、子ども自身の思いが多く叶っている状態を回避(減らしていく)していくことです。

 


二つ目の対策として、〝活動先のプラス要素を増やしていく″があります。

以下、著書を引用しながら見ていきます。

行き先でのプラスの重りを増やしていくことを考える必要があります。その方法はいくつもあります。その活動自体が面白くなるということや、自分の成長が実感できるということもそうです。

 

著書には、行き先でのプラスの重りを増やしていくことも必要だとの記載があります。

そして、プラスの重りの増やし方として、活動の充実、自己成長に繋がる体験など様々なものがあるとしています。

 

関連記事:「【不登校・登校しぶりへの対応】子どもが〝学校に行きたくない″と言った時の対応方法

 

 

著者の経験談

著者は学校現場ではなく、療育現場(放課後等デイサービス)で働いていることもあり、学校への行き渋りの子どもと関わる機会が多くあります。

こうした子どもたちに対して、著者は家庭や学校外の居場所作りの視点から、支援の必要性がとても高いと感じています。

そして、今回見てきた〝天秤の法則″を踏まえると、放課後等デイサービスに行くことで得られる体験価値や自己成長を子ども自身に感じてもらえるような工夫がとても大切だと思っています。

つまり、一日のすべてを家庭で過ごすのではなく、放課後等デイサービスに短い時間でも〝行きたい!″と思ってもらえることが必要な取り組みだと思います。

今後は、益々、家庭や学校以外の第三のコミュニティ・居場所がとても重要になってくると考えていますので、家庭や学校とうまく連携を図りながら、子どもたちが安心でき、自己をより発揮できる環境を作っていきたいと考えています。

 

 


以上、【学校に行き渋る子どもへの対策】〝天秤の法則″を通して考えるについて見てきました。

学校に行き渋る子どもには様々な不安や葛藤があるのだと思います。

まずは、その心に着目して、一人ひとりに応じた対策を心掛けていくことが大切だと思っています。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も自身が勤める環境が子どもたちにとって安心できる場所であり続けていけるように、家庭や学校ともうまく連携を図りながら支援を進めていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

関連記事:「発達障害児にとって大切な〝サードプレイス″の価値について考える

 

 

渡辺道治(2024)特別支援教育に学ぶ 発達が気になる子の教え方 The BEST.東洋館出版社.

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