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【子育てにおける上手な〝叱り方″とは?】発達障害児支援の現場を通して考える

投稿日:2023年10月23日 更新日:

子育てにおいて上手な〝褒め方″があると同時に、上手な〝叱り方″もあります。

著者も発達障害児支援の現場を通して、子どもとの関わり方がうまいスタッフには褒める・叱るスキルが高いことが特徴してあるように思います。

 

それでは、子育てにおいて上手な〝叱り方″とはどのようなものなのでしょうか?

 

そこで、今回は、子育てにおける上手な〝叱り方″について、臨床発達心理士である著者の経験談も交えながら理解を深めていきたいと思います。

 

 

今回参照する資料は「島村華子(2020)モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方.ディスカヴァー・トゥエンティワン.」です。

 

 

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上手の叱り方とは?

それでは、以下に著書を引用しながら〝叱り方の4箇条″について見ていきます。

  1. 「ダメ!」「違う!」をできるだけ使わない
  2. 結果ではなく努力やプロセスに目を向ける
  3. 好ましくない行動の理由を説明する
  4. 親の気持ちを正直に伝える

 

著書の内容から、上手な〝叱り方″には4つのポイントがあると記載されています。

1については、例えば、肯定語を多く使用するというものです。人は否定語から入ると相手に対してネガティブな印象や警戒心、時には敵対心を持ってしまうからです。

2については、例えば、失敗してもその過程について一緒に考える、あるいは、他の方法を提案することが必要です。そして、まずは取り組んだ過程についてネガティブな評価をしないことが重要です。

3については、例えば、子どもが誤った行動や問題行動を起こした場合に、その行動について一方的に叱ったり罰を与える方法は有効ではありません。効果的な方法としては、その行動が自他に与える影響を具体的に伝えていくことです。

4については、例えば、〝アイ・メッセージ(I message)″といって伝える側の気持ちを正直に伝える方法もあります。その際に、子どもを否定・批判はせずに〝私″の気持ちを素直に伝えることが重要です。

 

以上の、4つのポイント(4箇条)について見てきました。

 

 


それでは、次に著者の経験談についてもお伝えしていきます。

 

著者の経験談

著者も上記に見てきた〝叱り方の4箇条″の〝り方″を活用することがあります。

中でも、1、2、3を多く活用するため、今回は1~3についてお伝えしていきます。

 

まずは、1での見てきた、否定語を使用しないことが大切です。

否定語を多く使用すると、子どもからすると〝どうせまた怒られる″といった大人に対してネガティブな感情が高まっていきます。

また、否定語に慣れすぎてしまい効果がなくなったり、逆に幼い児童の場合には刺激欲しさに悪い行動が増えてしまうこともあります。

これらの事は著者の実体験に基づくものもあり、療育当初は〝叱り方″一つとっても難しいものだと感じていました(もちろん、今でも難しいと感じています)。

そして、しっかりと子どもを注意しないといけないといったプレッシャーも感じていたのだと思います。

しかし、否定語を減らし肯定語の頻度を多くすることで、子どもとの関係がよくなっていったことは間違いありません。

子どもにとってはまずは何でもかんでも否定してこないといった安心感があるか無いかで、大人との間に生じる緊張感が変わってくるのだと思います。

安心感がなく、緊張感が高い状態では、大人の声がけが入らないことがよくあります。

それは、戦闘モードに子どもが無意識的に入っているからだと思います。

 

次に、著者は2の方法もよく活用しています。

2で見てきた〝結果よりも過程に着目すること″は、子どもたちを褒めるときにもよく活用するため、全体としてとても重要な関わり方だと思います。

ある程度信頼関係がとれている大人の話には子どもは耳を傾けます。

そのため、何が良くなかったのか、なぜそのような行動を取ったのか、などについて一緒に考えていくこと、振り返ることができるようになっていきます。

2の方法を使用するためには、日頃から子どもの様子をよく観察しておく必要があります。

大人側が子どもの行動の背景をある程度抑えておくことで本人との振り返りが行いやすくなります。

 

最後に3についてですが、自閉症の特性のある子どもには他者の言動の意図や思いがうまくくみ取れないことが多くあります。

そのため、相手に与える影響にについて具体的に伝えていくことで自身の行動への気づきを促すことができると感じています。

一般的・世間的にはという説明よりも、その行動が他者(そして自分にも)にどのような影響を及ぼすのかを教えていくことで問題行動が軽減していった例も多くあります。

 

 


以上、【子育てにおける上手な〝叱り方″とは?】発達障害児支援の現場を通して考えるについて見てきました。

こうして見てくると、〝叱り方″にも多くのポイントがあるのだと考えさせられます。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後もより良い療育(発達支援)を行っていくことができように、上手な〝叱り方″とは何か?といったことへの理解を深め実践していきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

関連記事:「【間違った〝叱り方″による問題点とは?】発達障害児支援の現場を通して考える

関連記事:「【子育てにおいて重要な3種類の〝褒め方″とは?】効果的な〝褒め方“について考える

 

 


参考となる書籍の紹介は以下です。

関連記事:「発達障害の子育てに関するおすすめ本6選【初級~中級編】

 

 

島村華子(2020)モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方.ディスカヴァー・トゥエンティワン.

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