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【子育てで大切な〝アクティブリスニング″とは?】上手に実践するための4つのポイントについて考える

投稿日:2023年10月24日 更新日:

子育てや療育の中で、子どもとより良い関係をつくっていくことは、子どものその後の成長・発達において大切なことです。

より良い関係をつくっていくためには、〝アクティブリスニング(傾聴)″の視点が大切だと考えられています。

〝アクティブリスニング″とは傾聴のことですが、100%相手に意識を向け、聞き手の意見や思いをはさまずに無条件に受け入れる姿勢が必要だとされています。

 

それでは、〝アクティブリスニング″をうまく進めていく上でのポイントには、どのようなものがあるのでしょうか?

 

そこで、今回は、子育てで大切な〝アクティブリスニング″とは何かについて、上手に実践するためのポイントについて理解を深めていきたいと思います。

 

 

今回参照する資料は「島村華子(2020)モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方.ディスカヴァー・トゥエンティワン.」

 

 

アクティブリスニングの4つのポイントについて

以下、著書を引用しながら見ていきます。

  1. ボディ・ランゲージ(表情・アイコンタクト・姿勢)
  2. 無条件の受容精神(興味・態度・信頼・分離)
  3. 反映力(反復・言い換え・明確化・要約)
  4. コミュニケーションのバリケードに気をつける

 

 


それでは、次に以上の4つについて具体的に見ていきます。

 

1 ボディ・ランゲージ(表情・アイコンタクト・姿勢)

著書の中ではボディ・ランゲージの中で〝SOLER原則″といった基本動作が記載されています(以下、著書引用)。

S=Square(真っ正面)

O=Open(オーブンな姿勢)

L=Lean(もたれる)

E=Eye contact(アイコンタクト)

R=Relax(リラックス)

 

著書の〝SOLER原則″とは、相手の正面に座り、腕や足を組んだりせずオーブンな姿勢を保ち、相手にもたれるように体を傾け、相手と目を合わせ、落ち着いて関わることだとされています。

こうした非言語的コミュニケーションは、言語も含めたコミュニケーションの中でも多くの情報量を占めていると考えられています。

つまり、相手との関係構築において、非言語的要素も非常に大切だということです。

 

 

2 無条件の受容精神(興味・態度・信頼・分離)

以下、著書を引用しながら見ていきます。

心から相手の話を聞き、無条件に受け止める

 

著書の内容から、〝無条件の受容精神″とは、先に見たボディ・ランゲージ以外の要素として、心から相手の話に耳を傾け、無条件にその話を受け止める状態のことを言います。

その中で、子どもが話す内容に興味を持ち、子どもの思いをありのままに受け止め、本人の前進する力を信じ、子どもに関わる大人とは分離した一個人として子どもを理解することが大切だとされています。

 

 

3 反映力(反復・言い換え・明確化・要約)

以下、著書を引用しながら見ていきます。

反映力とは、話し手の気持ちや問題を反復・要約しながら、いかに相手の話を同じ温度で理解してあげているかを確認するプロセスを指します。

 

著書の内容から、〝反映力″とは、相手の話を反復する(繰り返す)こと、他の言葉で言い換えること、質問し明確化すること、要点をまとめ上げること、が含まれています。

反映を行うことで、子どもは自分の気持ちが整理されると同時に、この大人は自分のことをわかってくれる人だといった信頼関係が生まれていきます。

 

 

4 コミュニケーションのバリケードに気をつける

コミュニケーションのバリケードとは、普段のコミュニケーションの中で、癖で行っていることを防ぐことです。

以下、著書を引用しながら見ていきます。

ジャッジしない

解決してあげようとしない

話をそらさない

 

著書の内容から、コミュニケーションのバリケードで気をつける点として、大人の視点で評価しない(ジャッジしない)、子どもの解決力を引き出す(解決してあげようとしない)、大人の意見を押し通したり子どもの話を軽視した対応をしない(話をそらさない)、といったことが大切だと考えられています。

大人が子どもとコミュニケーションを取る際に、大人が持っている考え方・価値観が無意識的に入り込むことがあり、それが癖となって表出し、子どもとの間に障壁ができてしまうことに気をつける必要があります。

 

 


以上、【子育てで大切な〝アクティブリスニング″とは?】上手に実践するための4つのポイントについて考えるについて見てきました。

〝アクティブリスニング″は、療育現場でも活用できる部分が多くあると感じています。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も子どもたちとの関係をより深いものに発展していけるように、〝アクティブリスニング″の視点も取り入れた関わりを行っていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 


参考となる書籍の紹介は以下です。

関連記事:「発達障害の子育てに関するおすすめ本6選【初級~中級編】

 

 

島村華子(2020)モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方.ディスカヴァー・トゥエンティワン.


-アクティブリスニング, 子育て

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