発達理解・発達支援・ブログ

人間の多様な理解と支援を目指して!

多重知能理論 才能

【多重知能理論とは?】自分の才能・強みを見つけるための視点

投稿日:2023年1月21日 更新日:

人間には様々な能力があります。

能力を測る一つの指標に〝知能指数″があります。

〝知能指数″を測る代表的なものに、知能検査(ウェクスラー式知能検査)があります。

ウェクスラー式知能検査では、全IQに加え、言語理解・知覚統合・ワーキングメモリ・処理速度といった力を測ることができます。

 

関連記事:「ウェクスラー式知能検査とは【発達障害の理解と支援で役立つ視点】

 

こうしたウェクスラー式知能検査を始めとした知能検査には測定できない力があります。

その一つの考え方に〝多重知能理論″があります。

 

それでは、多重知能理論にはどのような知能が含まれているのでしょうか?

 

そこで、今回は、多重知能理論について説明をしていきながら、臨床発達心理士である著者の意見も交えながら、自分の才能・強みを見つけるための視点について考えを深めていきたいと思います。

 

 

今回参照する資料は「有賀三夏(2018)自分の強みを見つけよう 「8つの知能」で未来を切り開く.YAMAHA.」です。

 

 

スポンサーリンク

多重知能理論とは?

〝多重知能理論″とはガードナー博士が提唱した理論です。

以下、著書を引用しながら見ていきます。

多重知能理論(Multiple Intelligences Theory=MI理論)とは、1983年に提唱された理論です。人間は皆それぞれ脳の各領域に対応した8つの知能を持っており、これらの知能はそれぞれ大いに伸ばすことができる、という考え方です。

 

著書の内容から、ガードナー博士は、〝多重知能理論″といった人間には8つの知能があると提唱し、それぞれの知能を伸ばすことは可能だとしています。

知能というと、IQが代表的であり、遺伝的要因との関連性が強いこともあり、〝多重知能理論″が提唱される以前には非常に限定された知能観が強かったことが推測できます。

しかし、〝多重知能理論″の登場により、知能も様々あるということ、そして、人それぞれ知能も個性的であり、そして伸ばすことが可能ということから、知能観に広がりが出てきたことは、ガードナー博士の功績だと思います。

 

 

多重知能理論の8つの知能とは?

それでは、8つの知能について見ていきます(以下、著書引用)。

論理・数学的知能 論理や数字と演算を理解し、使う能力。

 

言語的知能 言葉を効果的に使う能力。

 

音楽的知能 音のリズム、高さ、メロディーとハーモニーといった概念を理解し、使う能力。

 

空間的知能 空間やその中にあるものを認識したり、その認識を可視化したりする能力。

 

博物的知能 物事や自然現象を認識し、理解したり分類したりする能力。

 

身体・運動的知能 身体全体、またはその一部(手、指、腕など)を使って身体運動を調整する能力。

 

対人的知能 心のあるものを表現し、他人を理解するために口頭や文字でコミュニケーションをとる能力。

 

内省的知能 自分の考えや感情、好み、利害などを理解し、コントロールする能力。

以上、8つの知能について見てきました。

 

こうして8つの知能を見てみると、知能にも非常に幅があるということがわかります。

中には、ウェクスラー式知能検査といった知能検査にも含まれている知能もあるかと思いますが、音楽的知能や身体・運動的知能、対人的知能、内省的知能などは一般的な知能検査では測ることができない内容かと思います。

 

学力が重視されていた時代と比べて、今の時代は非常に個性が輝く時代だと思います。

つまり、個人個人が持っている能力を発揮し、その能力をさらに高めていくことができるということです。

そのためには、〝自分が好きなこと″〝自分が得意なこと″〝自分の強み″となるものを理解していくことが大切です。

そのために、今回取り上げた著書は、それぞれの知能についての詳細な説明や、才能の伸ばし方、適職なども記載されています。

興味のある方は参考になる点が大いにあると感じます。

 

 

著者が〝多重知能理論″から学んだこと

著者は療育現場に携わっているため、自閉症など対人・コミュニケーションに困難さを抱えた人たちと関わる機会が多くあります。

対人・コミュニケーションと関連する知能は、上記の〝対人的知能″であるため、この能力に関しては、ウェクスラー式知能検査といった知能検査では測定が難しいことが理論上理解できます。

このように背景となる理論を理解していくことは、心理士という著者の職業でもある考え方の基盤として必要不可欠な視点にも繋がってくると感じています。

 

関連記事:「発達障害のアセスメントで大切なこと【ウェクスラー式知能検査で測れないものとは?】

 

また、著者はどちらかというと、ウェクスラー式知能検査といった知能検査で測る能力を苦手としています(自分自身を測定したことはありませんが・・・)。

そのため、今回見てきた様々な知能が人間にはあるということを知ったことで、自分の才能や強みなどを限定的に考えることなく、様々なチャレンジを通して伸ばしていこうという学習への動機も生まれました。

 

 


以上、【多重知能理論とは?】自分の才能・強みを見つけるための視点について見てきました。

人間の知能・能力は人それぞれ多様です。

〝多重知能理論″は、そのことを教えてくれる重要な視点だと思います。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も自分の才能・強みを見つめ・伸ばしていけように、様々なことにチャレンジすること、継続して学び続けることを大切にしていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

有賀三夏(2018)自分の強みを見つけよう 「8つの知能」で未来を切り開く.YAMAHA.

スポンサーリンク

-多重知能理論, 才能

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

関連記事はありませんでした