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【不適応行動の逃避行動への対応】発達障害児支援の経験を通して考える

投稿日:2024年10月11日 更新日:

不適応行動″とは、例えば、他害、暴言、かんしゃく、パニック、逃避行動など望ましくない行動を指します。

問題行動″とも言われる〝不適応行動は、長期化すると〝二次障害″に繋がる可能性もあり(すでに二次障害が見られるケースもあります)、早期の理解と対応が必要です。

著者は療育現場(発達支援の現場)で、発達障害など発達に躓きのある子どもたちを長年見てきていますが、その中には、少なからず〝不適応行動″を見せている子どもたちもいます。

 

〝不適応行動″への対応をしていく際に、まず大切なことは、行動の意味(〝機能″)を理解した(見当をつけた)上で関わるという視点です。

そして、様々な不適応行動は4つの機能に分類できると言われています。

 

関連記事:「【不適応行動の原因について】4つの機能を通して考える

 

 

それでは、不適応行動への対応として、どのような方法があると考えられているのでしょうか?

 

そこで、今回は、不適応行動の逃避行動への対応について、臨床発達心理士である著者の経験談も交えながら理解を深めていきたいと思います。

 

 

今回参照する資料は「渡辺道治(2024)特別支援教育に学ぶ 発達が気になる子の教え方 The BEST.東洋館出版社.」です。

 

 

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不適応行動の逃避行動への対応について

以下、著書を引用しながら見ていきます。

  • 環境調整を行う

・逃避する際の条件を探る

・過敏性などに配慮し環境を整える

・場にいること、活動に参加すること自体の価値を増やす

 

不適応行動″の一つである逃避行動″とは、ある活動や刺激などを避ける行動です。

そのため、最初の対応として必要なことは、著書にあるように、〝①逃避する条件を探す″ことです。

子どもがどのような状況や場面の時に逃避行動が生じやすいのかを探す(アセスメントする)ことが重要です。

その際に、〝感覚の問題″が無いかをどうかを探してみることも大切です。

〝感覚の問題″、例えば〝感覚過敏″があった場合には、〝②過敏性への配慮″が必要です。

最後に、特定の活動や状況に価値を感じることができずに、逃避行動を取っている場合もあります。

特定の活動や状況に苦手さがある場合には、それに対して配慮する視点を持つことが重要です。

つまり、〝③逃避している活動への動機づけを高める″取り組みが必要です。

難しいのは、逃避することで安心できる基地(家庭など)が非常に充実している場合には、他の活動(逃避している活動)そのものに価値を見出すことが難しくなることです。

このような場合には、家庭と相談したり、動機づけを高める支援・関わり方の工夫が必要になってきます。

 

 

著者の経験談

著者のこれまでの療育経験から〝逃避行動″を見せている子どもと多くの関わりがありました。

中でも、自閉症をはじめとした発達障害児には、〝感覚の問題(感覚過敏)″が多く見られていました。

例えば、大勢の集団の声や雰囲気が苦手、特定の子どもの声(小さい子どもの泣き声など)が苦手、工事音が苦手といった感覚過敏の問題です。

〝感覚の問題″を把握するためにも、まずはどのような場面や状況で感覚の問題が起こりやすいのかを探ることがとても大切です。

また、感覚過敏・低反応といった感覚に関する知識の習得も必要不可欠です。

なぜなら、感覚の問題は、感覚の問題が無い(少ない)人からすれば理解することが難しいからです。

そして、感覚の問題に対して、苦手とする刺激を遠ざける、事前に苦手な刺激への見通しを伝えておく、好きな刺激を多く入れるなどの環境調整を行うことで徐々に〝逃避行動″が減少していったという実感があります。

〝逃避行動″のうち、著者が対応が難しいと感じるものに、活動そのものの価値を高めることで〝逃避行動″を減少させるといった方法です。

具体的な例でいえば、不登校傾向のある子どもが様々な経験の中で自信を獲得していない、何かに挑戦するといった意欲がうまく育っていない状況において、著者のいる事業所(活動場所)以上に、安心できる自宅(おやつやゲームなど子どもの好きなことが保障されている、安全・安心してその子のペースで過ごせる)を求める傾向があります。

こうした場合、子どもにとって行きたくなる場所・活動内容の工夫などに力点を置くことが必要になってきます。

活動自体が楽しい・意味を感じる、他者と繋がる喜びを感じる、活動を通して達成感や充実感を感じるサイクルに入っていくと、徐々にではありますが、〝逃避行動″が減っていくといった印象があります。

もちろん、ご家庭とも対応方法を共有するなど連携も必要だと思います。

 

 


以上、【不適応行動の逃避行動への対応】発達障害児支援の経験を通して考えるについて見てきました。

逃避行動への対応には、逃避の条件を探りながら環境調整を行うことで、改善効果が期待できます。

そのため、逃避行動をネガティブな視点で見るのではなく、行動には必ず理由があるという意識で逃避行動の理解と対応方法を考えていくことが大切だと思います。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も不適応行動への理解を深めていけるように、様々な現場のケースを通して行動の意味(機能)を分析する目を養っていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

渡辺道治(2024)特別支援教育に学ぶ 発達が気になる子の教え方 The BEST.東洋館出版社.

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-不適応行動, 対応

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