不登校・登校しぶりの小中学生の数は年々増加傾向にあります。
著者は、これまでの経験から不登校・登校しぶりの児童と関わったことが少なからずあります。
不登校・登校しぶりの背景要因は個々によって違いがあります。
実際に著者が関わったことのある児童にも学校に行きたくない理由には様々なものがあったかと思います。
それでは、不登校・登校しぶりの子どもと関わる際には、どのような点に気を付けていけば良いのでしょうか?
そこで、今回は、不登校・登校しぶりへの対応方法について、3つのポイントから理解を深めていきたいと思います。
今回参照する資料は「下島かほる(2019)健康ライブラリーイラスト版 登校しぶり・不登校の子に親ができること.講談社.」です。
不登校・登校しぶりへの3つの対応方法
著書には、不登校・登校しぶりへの接し方として3つのポイントが記載されています(以下、著書引用)。
一つ目は、子どものエネルギーがたまるようにかかわることです。
二つ目に、子どもの選択や行動を尊重しましょう。
三つ目は、子どもは本来、皆成長する力を備えていると信じることです。
それでは、次にそれぞれについて具体的に見ていきます。
1.エネルギーをためること
不登校・登校しぶりの子どもは、心理的・身体的なエネルギーが非常に枯渇した状態のことが多くあります。
このような状態において、例えば、周囲からの〝学校には行かなければならない″といった暗黙のプレッシャーは、子どものエネルギーをさらに失うことに繋がってしまいます。
著書には、家庭は子どもが安心して過ごすことができる環境となるように、関わり方を工夫していくことが重要だと記載されています。
子どもが家庭で安心して過ごせる環境を整えていくことで、子どもの心理的・身体的なエネルギーを充電させていくことがとても大切です。
そのためには、大人が世間体を気にしたり、将来を気にし過ぎたり、他者と比較するなどの対応をせずに、まずはあるがままの子どもを受容する態度が必要です。
2.選択と行動の尊重
子どもはある程度の年齢になると周囲からの指摘に反発するなど自分で意思を持って行動を選択するようになります。
例えば、〝自分は○○の価値観を大切にしていく″〝自分の将来は自分で決めていく″などです。
仮に、子どもの選択肢が親の期待や価値観とズレていたとしても、まずは子どもの選択と行動を尊重することが重要であると著書には記載されています。
人は自分が取った行動に責任を持つ傾向が多くあるため、関わる周囲の人たちが過度に行動を制限したり指示すると、後々子ども自身に後悔が生まれます。
後悔の思いが生じないためにも、子ども自身が自分の行動を決めて責任を取るといった思いを尊重していくことが、親との信頼関係を強固にしていき、さらに、安心感といった心のエネルギーの充足に繋がっていきます。
3.成長する力を信じること
子どもたち一人ひとりには、成長する力が本来備わっています。
学校に行くことで子どもたちの力が非常に伸びると信じている大人も多くいると思います。
そのため、不登校・登校しぶりは子どもの成長が抑制されているように感じてしまうこともあります。
著書には、学校に行っていない状態においても、子どもは成長していると記載されています。
不登校・登校しぶりによって、一見すると静止しているかに見える子どもの成長も、ある苦難や逆境の過程を乗り越え、そこからさらに成長する可能性があります。
このように、本来子どもに備わっている力を大人たちは長い目で考えていくことが大切です。
以上、【不登校・登校しぶりへの対応方法】3つのポイントから考えるについて見てきました。
子どもが不登校・登校しぶりになると親は何とかして学校に行かせようと焦る気持ちになるのも当然かと思います。
一方で、今回見てきた対応のポイントを見ることで、少し心に余裕がでる人もいるのではないかと思います。
大切なことは、子どものエネルギーを満たしていくこと、子どもの意志を尊重すること、子どもの力を信じることにあります。
私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も職業柄関わることのある不登校・登校しぶりについて理解を深めていきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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