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【不登校は一番苦しい時期から抜け出したサイン】不登校の回復過程について考える

投稿日:2024年1月23日 更新日:

不登校が始まると保護者にとっては危機の始まりだと捉える方も多いと思います。

一方で、今回参照する石井さんの著書には、〝不登校は一番苦しい時期を脱したサイン″だと記載されています。

 

それでは、子どもが学校に行かなくなった時期から回復までにはどのような道のりがあると考えられているのでしょうか?

 

そこで、今回は、不登校は一番苦しい時期から抜け出したサインをはじめ、そこからの回復過程について、臨床発達心理士である著者の意見も交えながら理解を深めていきたいと思います。

 

 

今回参照する資料は「石井志昂(2021)「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること.ポプラ新書.」です。

 

 

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不登校の回復過程について

それでは、以下に著書を参照しながら回復過程について見ていきます。

著書には大きく5つの過程が載っていたため番号を振って順に見ていきます。

 

1.回復開始の時期

以下、著書を引用しながら見ていきます。

学校を休み始めた瞬間から、心の回復は始まります。

 

子どもにとっては、学校へ行かないことによって、一番の危機を脱したことになります。

 

著者はこの文面を見た際に、少し驚きがありました。

それは、不登校は危機の直面の始まりだと思っていたからです。

しかし、著書には、不登校が始まった時期からすでに心身の回復が始まっていると記載されています。

著者は以前、精神科医の本田秀夫さんの本の中で、〝学校への行き渋りは子どもが出す最終手段のSOS″といった文面を見た記憶があります。

こられの考えをすり合わせると、不登校がはじまる非常に前の段階から、子どもは自分なりに思い悩み対処方法などを考えて試行錯誤していることが読み取れます。

そのため、まずは子どもの不安さや大変さに寄り添う姿勢がとても大切なのだと思います。

 

 

2.体と心の膿を出す時期

以下、著書を引用しながら見ていきます。

学校を休んだ直後は、眠れなかったり、いら立ちが止まらなかったりと苦しい状態になります。しかし、それは「膿を出す」という時期です。

 

子どもが学校を休みはじめるとイライラしたり、また、冬眠に入ったかのように眠り続けることもあります。

こうした状態は、著書によれば、心身の〝膿を出す時期″だと記載されています。

つまり、これまで傷ついてきたダメージ(膿)を出すという現象です。

確かに人は、疲れや心のダメージを背負い込みすぎると、そのダメージを出す必要があることは容易に想像できるかと思います。

まずは、心身の休息が必要だということです。

 

 

3.感情を噴出する時期

以下、著書を引用しながら見ていきます。

ものすごく甘える、突如として怒り出す、突然泣き出す。こんなふうに感情のコントロールができない状況になります。

 

著書には、次の段階として、甘える・怒る・泣くなど感情の起伏が激しくなるといった感情のコントロールができない時期、つまり、〝感情を噴出する時期″に入ると記載されています。

子どもにとって、これまで辛かった学校での経験が蘇ってくるなど、自分の気持ちに整理がつかない時期だとも言えます。

保護者にとって非常に大変な時期だと思いますが、子どもの気持ちに寄り添いながら感情が落ち着くように対応することが大切だと思います。

 

 

4.自己を振り返り言語化する時期

以下、著書を引用しながら見ていきます。

自分に起きたことを言語化する時期がきます。

 

著書には、この時期になってようやくこれまでの辛かった経験を〝言語化″する時期が来るとしています。

子どもにとって辛かった過去を思い出し、その体験を言葉で他者に伝えることは大変です。

まずは、3で見た感情に整理がついてから言語化するという経過を辿るということです。

著者は以前、学校で大変な経験を長年されてきた人と関わることがありました。

その人は学校での辛かった出来事、自分に合っていなかった環境だったこと、周囲の大人が何もしてくれなかったことなど、非常に膨大な情報を言葉にして延々と伝えてくる場面に出会ったことがあります。

その経験を見ても、心身のダメージは何らかの形でその人の内部に蓄積し続けているのだと感じます。

著書にもありますが、まずは〝傾聴″する姿勢がとても大切です。

 

 

5.大人から離れる時期

以下、著書を引用しながら見ていきます。

言語化の時期が終わると突然、親離れ、支援者離れします。

 

著書には、言語化の時期を通して自身の気持ちに整理がついたことで、次に、〝大人から離れる時期″がくるとされています。

気持ちの整理がついたとはどのような状態であるのか、以下、引き続き著書を引用しながら見ていきます。

気持ちの整理がつくとうのは、学校や不登校、いじめといった言葉を聞いても、心にさざ波が立たなくなるということです。

 

人は自分が気になってることや嫌な体験に関する情報を聞いたとき拒否反応を起こします。

不登校だった当時の気持ちに整理がついた状態とは、過去の自分を客観視できる状態なのだと思います。

 

 


以上、【不登校は一番苦しい時期から抜け出したサイン】不登校の回復過程について考えるについて見てきました。

不登校の回復過程は、人によっていったりきたりする状態像の違いや、回復までに要する時間にも違いあると考えられています。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も不登校への理解に加えて、支援方法についても学びを深めていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

関連記事:「【不登校への対応方法】不登校にある〝3つの時期″を通して考える

 

石井志昂(2021)「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること.ポプラ新書.

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