子どもが不登校になると、親にとっては相談が必要になります。
例えば、家族、友人、学校の先生、スクールカウンセラー、保健室の先生、医療機関の先生などが主としてあると思います。
当然ですが、相談相手は誰でも良いというわけではありません。
例えば、同じスクールカウンセラーの職業の人でも不登校児とその親と相性が合う・合わない人がいます。
職業上は同じ専門職でも、人柄などは違います。
それでは、相談相手にはどのようなタイプの人が良いと考えられているのでしょうか?
そこで、今回は、不登校の子どもを持つ親は誰に相談すれば良いのか?について、臨床発達心理士である著者の意見も交えながら、相談相手を探すときのポイントについて理解を深めていきたいと思います。
今回参照する資料は「石井志昂(2021)「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること.ポプラ新書.」です。
相談相手を探すときのポイントについて
以下、著書を引用しながら見ていきます。
何を基準に選ぶのがいいかといいますと、相談に行ったとき、親や子どもの苦しさを「それとなく察してくれた」と感じたかどうかです。
強い言葉を言う人を信じたほうがいいのか、優しい言葉を言う人を信じたほうがいいのかを迷うときも「親や子どもの苦しさをそれとなくわかってくれる人に相談する」を基準にすれば、うまくいきます。
著書の内容から、相談相手にふさわしい人の特徴として、不登校の親や子どもの心情を共感し理解してくれる人が良いとの記載があります。
一般的には、不登校児やその保護者への関わりとして、専門的な知識(経験も含め)を持っている人が適任だと思う方もいるかもしれません。
しかし、著書の内容を踏まえて考えると、専門的知識も大切ですが、それ以上に、感覚として不登校への辛さや痛みへの共感が高いと直感的に感じることができる人が相談相手として相応しいということです。
そのため、相談相手は医療機関やスクールカウンセラーなどと限定せずに、身近な友人などでも良いと言えます。
もちろん、教育関連の相談、心の病気への相談など専門的に知識が必要な場合には、各専門領域の中で肌感覚(直感的にわかってくれそうだと感じる)が合う人を選んでいく必要があります。
そして、相談相手全般として、一人でも自分のことをわかってくれる人がいるということがとても大切だと思います。
著者のコメント
著者も療育現場で様々な保護者の方から相談を受けることがあります。
相談内容は多岐にわたりますが、様々な保護者の方との関わりを通して大切だと感じることは専門的な知識の提供以前に、保護者の悩みや不安にしっかりと寄り添う姿勢を持っているかということがとても大切であると実感しています。
保護者からの相談の多くは、助言を欲している以上に、自分の不安や苦しさをまずは理解して欲しいと伝えるくるケースが多いと感じるからです。
もちろん、専門的な知識からの助言も非常に重要です。
専門職であれば必須の知識もあります。
しかし、保護者との信頼関係ができる前に専門的な知識を提供し続けることはあまり好ましくないように思います。
保護者の方は、あくまでも、自分の不安感をしっかりと受け止め向き合ってくれる人を好み、その上で(同時に)専門的な知識を提供してくれる人を好むと思います。
こうした傾向は何も保護者の方に限定されません。
子どもにも同じような傾向があると思います。
もちろん、子どもの状態像の違いもあるので一概には言えませんが、多くの子どもは大人からのアドレスを欲している以上に、愛情や共感などを欲している側面があると感じるからです。
そのため、子どもも保護者の方同様に、信頼のおける人に相談を求める傾向があります。
それは、〝この人なら自分のことをわかってくれる″〝自分の気持ちに寄り添ってくれる″といった信頼感がベースとなっているからだと思います。
著者は不登校支援の経験こそほとんどありませんが、様々な困り感を抱える子どもや保護者の方との関わりを通して、今回見てきたような相談相手として相応しい人には療育現場においても共通する所が大いにあると思います。
以上、【不登校の子どもを持つ親は誰に相談すれば良いのか?】相談相手を探すときのポイントについて見てきました。
著者もこれまで自分の辛かった時期を思い起こすと、その中で信頼できた人には、必ず〝共感的態度″で接してもらっていたという特徴があったと思います。
私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も専門的な知識を学びながら、他者への共感性も同時に磨いていけるように感性も鍛えていきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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