不登校児童の数は年々増加傾向にあることが分かっています。
不登校に至る要因には、様々なものがありますが、中でも、無気力や不安感などが大半を占めていると言われています。
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一方で、発達障害や心の病気もまた不登校に繋がる要因になると言われています。
それでは、発達障害や心の病気と不登校にはどのような関連性があるのでしょうか?
そこで、今回は、不登校の原因について、臨床発達心理士である著者の経験談も交えながら、発達障害と心の病気を通して不登校についての理解を深めていきたいと思います。
今回参照する資料は「下島かほる(2019)健康ライブラリーイラスト版 登校しぶり・不登校の子に親ができること.講談社.」です。
不登校と発達障害について
発達障害には、自閉スペクトラム症やADHD、学習障害や知的障害(軽度)、発達性協調運動障害などが含まれています。
それぞれが持つ〝発達特性″が不登校と関連する要因は以下の点が考えられます。
- 自閉スペクトラム症→社会性・コミュニケーションの困難さから、場の雰囲気がうまくくみ取れない、他者の気持ちの理解が難しい、暗黙のルールが難しいなどから対人関係で躓きやすい。
- ADHD→衝動性などに見られる自己コントロール力の弱さから、ルールや順番を守ることが難しく対人関係でトラブルになりやすい。
- 学習障害→読み、書き、計算の困難さから、学校の基礎学力の習得が困難になり、学校の勉強で躓きやすくなる。
- 知的障害(軽度)→知的な遅れが学習や対人関係、自己コントロール力の弱さなど様々な場面に影響を及ぼす可能性があるため、学校の勉強や対人関係で躓きやすくなる。
- 発達性協調運動障害→粗大運動・微細運動の困難さから、学校での道具の使用(鉛筆・消しゴム・コンパス・ハサミなど)の苦手さから勉強に支障が出たり、体育などスポーツでの困難さが生じる可能性があるため、学校の勉強や体育などで躓きやすくなる。
以上、見てきた内容はあくまでも一例です(著者の実感として強いものです)。
〝発達特性″には、特性への適切な理解と配慮をしていくことで生きやすくなるため、〝発達特性″への理解は非常に大切だと感じています。
不登校と心の病気について
心の病気には例えば、〝うつ病″〝双極性障害″〝強迫性障害″〝統合失調症″〝摂食障害″などがあります。
こうした心の病気には以下の留意点があります(以下、著書引用)。
不登校が長引く理由のひとつに、精神疾患の見落としがかかわっていることがあります。
医師がなんらかの病気と診断するような状態であれば、ただ家で休んでいるだけでは回復しにくく、さらに悪化していく危険性もあります。薬物療法を含め、適切な治療を始めることが必要です。
著書の内容から、心の病気には様々なものがありますが、その可能性が疑われる場合には、児童精神科を受診して適切な治療を受ける必要があると記載されています。
もちろん、ある程度の期間、自宅で休息することで回復するケースもありますが、長期化している場合には自宅療養でも回復しにくいケースもあるため、心の病気の専門家による治療も考慮していく必要があります。
その他、朝起きられない症状〝起立性調節障害″や保護者と離れることに強い不安感のある〝分離不安障害″なども不登校の要因として考えられています。
前者は、症状が強い場合には小児科への受診、後者は少しずつ保護者と離れていけるような丁寧なサポートが必要であると著書には記載されています。
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以上、【不登校の原因について】発達障害と心の病気を通して考えるについて見てきました。
発達障害や心の病気には適切な配慮や治療をしていかないと、不登校が長引く可能性があります。
つまり、家庭での休息だけでは症状が回復しない可能性があるということです。
そのため、該当の可能性があると考えられる場合には、対応を先送りせずに、専門家に相談する必要があると思います。
私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も不登校に繋がる様々な要因についての理解を深めていきながら、対応策についての学びも行っていきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。