小中学生の不登校児童の数は年々上昇しています。
不登校の子どもが学校に行きたくない理由には様々な要因があると言われています。
不登校の子どもが学校を休みはじめる前兆には、本来の理由を話さず、別の理由から学校を休みたいと伝えるくることがあります。
それでは、不登校の子どもにはどのような前兆となる行動が見られるのでしょうか?
そこで、今回は、不登校の前兆について、代表的なSOSを中心に理解を深めていきたいと思います。
今回参照する資料は「石井志昂(2021)「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること.ポプラ新書.」です。
不登校の前兆:代表的なSOSについて
以下、著書を引用しながら見ていきます。
子どもに見られる代表的なSOSは、「体調不良」「食欲不振」「情緒不安定」「宿題が手に付かない」「不眠」の5つです。
著書には、上記の5つが代表的なSOSだとして記載されています。
そして、中でも、「体調不良」「食欲不振」「情緒不安定」に関しては、代表的なSOSだとされ比較的分かりやすいものだと書かれています。
ここで、重要なことは、5つが不登校の前兆として代表的なSOSだと知っているかどうかで、その後の理解と対応が変わってくるということです。
つまり、周囲から見ると、体の問題なのか?心の問題なのか?という判断がつきにくいということです(不登校は心理的な背景要因が引き金となり身体症状としてでる場合があるため)。
もちろん、なぜ本当の理由を言えないのかにも、様々な背景があると思います。
例えば、単純に理由を話したくない、話せない内容のものである、親に心配や迷惑がかかる、理由を言葉にすることが難しい、など様々かと思います。
理由は多様ですが、仮に、子どもの発信への理解が不十分であれば、親の多くは体調が良くなったら学校に行くように促すことが多いと思います。
一方で、子どもの発信の理由がただの体調不良ではなく学校にいきたくない理由がある(心理的な背景要因がある)のであれば別の対応を取っていく必要があります。
それでは、他の要因の「宿題が手につかない」についてはどうでしょうか?
以下、著書を引用しながら見ていきます。
なかでもとくに気づきにくいのは「宿題が手に付かない」です。
とても大きな不安があると、宿題を提出しなければいけないとわかっていても、ひと文字も書けなくなることがあります。名前を書くことすらできなくなってしまうのです。
著書には、「宿題が手に付かない」は、特に気づかれにくい不登校の前兆となるSOSだと記載されています。
そして、ひどい状態であれば、宿題にまったく手を付けることができないと言われています。
その他、著書には、宿題をやろうと思うと、他のことが気になり物の整理整頓といった部屋の掃除をするなど強迫的な症状も見られることもあると書かれています。
最後の代表的なSOSの「不眠」についてはどうでしょうか?
以下、著書を引用しながら見ていきます。
「不眠」もわかりにくい場合があります。
何らかしらの悩みや不安があって寝られず、スマホやゲームを手に取ってしまう子もいます。
著書には、「不眠」の一つの原因となるスマホやゲームなどの使用による夜更かしは、その背景に、何か不安があって使用しているのか、そうでないのかを見分けることも大切だと記載されています。
つまり、何か不安があることでの「不眠」なのかどうかを理解することが必要であり、その難しさもあって、不登校に繋がるSOSかどうかを見極めることが難しいとされています。
以上、【不登校の前兆について】代表的なSOSを通して考えるについて見てきました。
今回見てきた不登校の前兆となる5つのSOSは代表的なものです。
不登校の背景要因には個々に応じて違いがあり、また、様々な要因が関連性を持つなど複雑なものもあります。
そのため、不登校の理由は子どもの表面上の状態を見ていても気づかないこともあります。
今回の代表的なSOSは子どものわかりにくい不登校の発信を理解する手掛かりになるのだと思います。
私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も不登校の前兆や背景要因、そして、対応方法などについて学びを深めていきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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