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発達支援(遊び編):「相撲ごっこ」

投稿日:2020年7月5日 更新日:

私が以前いた療育施設では様々な遊びを行っていました。

様々ある遊びの中でも私が得意であった(勝手に思い込んでいる)遊びが体を使った遊びです。体を使った遊びも、トランポリンやアスレチック遊び、ブランコや乗り物など様々なものがあります。

今回は、私が療育施設で働いてた頃に行った「相撲ごっこ」を例に上げ、療育現場での体を使った遊びの具体的な取り組みと、そこから学んだことについてお伝えしていこうと思います。

「相撲ごっこ」はおそらく多くの人がやったことがあるかと思います。準備するものも少なく、ある程度広いスペースと、安全のためのマットなどがあれば、実施が可能です。

私が以前いた園には赤・青・緑などマットが複数ありました。障害のあるお子さんたちの多くは、「この線から出たら負け」という認識が難しいため、赤のマットからでたら負けなどマットの色を土俵に見立てることが多かったです。

土俵から押し出したら価値という非常にシンプルな遊びですが、意外と長期にわたり人気のある遊びでした。

「相撲ごっこ」とはネーミングの通り、体を使った遊びでありながら、ごっこ遊び(見立てなど)の要素もあります。

ですので、相撲はわからなくても、大人と組み合うことを楽しむ子どもや、ごっこ遊びが好きな子ども両方に適応できるなど意外と汎用性のある遊びであることがやっていく中で感じられました。

以下に、園の行事で行った「相撲大会」を例に上げ、その過程についてお話します。

まずは何といってもイメージ作りです。

私はまず相撲役を演じるために、私物としてもっていた道着と大きめの白のロングTシャツを使い全身を白に統一しました。シャツの中には毛布を入れて体型を調整します。次に、オビですが、これは黒のガムテープで作成しました。頭は記憶には薄いですが、たしか100円ショップで購入したカツラか何かを改良したように思います。

これで一応、お相撲さんの完成です。

次に、ごっこ遊びの要素を入れるため、「お相撲体操」(正式な曲名を忘れてしまいました)を取り入れてクラスなどでたくさん踊りました。相撲の動作が曲の中にいろいろと入っているところが面白い点だと思います。

最後に先ほどお伝えしたマットなどの土俵の作成です。これは非常にシンプルにマットにカラーガムテープを貼って作りました。

非常にシンプルですが、これで準備完成です。

当日の「相撲大会」では、まず、お相撲さんたちが登場し、「お相撲体操」を踊ります。盛り上がってきたところで、実際に大人が取り組みをやって見せます。最後に、事前に書いておいたトーナメント表に従い、子どもたちで取り組みをしていきます。

という流れで実施しました。

当日は子どもたちも頑張り大変盛り上がったかと思います!子ども以上に見ている大人の方が力が入っていたようにも思えますが、優勝者にはメダルの贈呈なども行いました。

私は「相撲ごっこ」を通して、子どもたちから以下のようなことを考えさせられました。

障害のあるお子さんたちは思いのほか、体をうまく使うことが難しい、そして、相手に応じて力加減を調整するなど対人が入った時の体の使い方にも様々な難しさがあるということを実感しました。

特に「相撲ごっこ」では相手の動きを感じながら動くということが要求されるため、一人での運動とはまた違った能力が問われます。

こうしたことは私が様々な子どもたちと実際に取り組みをしてみて体感として感じたことです。相手に応じて自分の力をコントロールすることは、私も幼い頃に無意識的に学習していたのではないかと考えさせられました。

そして、こうした体を使った遊びにも様々な発達段階があります。ですので、相撲をする際にも少しずつ難易度を上げていくなどの工夫が求められるます。

私は、「相撲ごっこ」の時には、まずは大人とのスキンシップ遊びの感じではじめ、次第に少しずつ相手の押す・倒すという要素を入れていきました。個人差はありますが、うまく相手を倒せるようになった子どももいました!

また、単純に押したり・倒したりが嫌いな子どもの中には、お相撲さんが好きな子どももおり、私がお相撲さんの格好をしたことで初めて自分から取り組みをしようとしたお子さんもいました。

このように遊びの動機付けも子どもによって様々だと感じました。

自分の身体を思うように動かすためには、多くの学習が必要になります。そして、その学習には幼い頃の体験の蓄積がとても大切です。

今後も、様々ある遊びの中で、体を使った遊びの重要性やその展開の仕方の工夫などを模索していこうと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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