私が以前働いていた療育施設では、天井にブランコなどを固定する金属製の留め具があり、かなりの重量でも耐えることができ、様々な遊具などを吊り下げて遊びました。
例えば、ブランコであると、平たいものから円柱のもの、そして一人乗りのブランコなど様々なものがありました。
ブランコ遊びと並んで人気が高かったものに「ターザンごっこ遊び」があります。ブランコと同様に、天井に固定できます。この「ターザンごっこ遊び」ですが、ネーミングは私が勝手につけたものでしたが、繰り返すことでクラス内に浸透していきました。
今回は「ターザンごっこ遊び」を例に取り、療育現場での体験を振り返りたいと思います。その中で、遊び方の工夫や子どもたちの様子などもお伝えしていこうと思います。
「ターザンごっこ遊び」とは、やり方は色々あるかと思いますが、最もシンプルなものに天井の金具にロープを取り付け、子どもたちがそのロープにつかまり、大人が揺らして遊ぶものになります。
子どもたちのロープを握る力などによってサポートする部分が変わってきますが、ロープ下に座れる板を取り付けることでだいぶ安定します。
板に関しては(板でなくても座れるものであれば大丈夫です)、私が自作で工具店などで買ってきて、それを子どもたちのサイズに合わせて切り、周囲にゴムを取り付けて(安全上のため)、完成させたものになります。
実際にやるときには、床にマットを敷くだけでできるので非常にシンプルですぐにできます。
子どもたちによって全身をしっかりと支えて揺らす場合から、一度揺らすとあとは一人でやる子まで様々でした。肢体不自由のお子さんなどは保育者が抱いた状態で一緒に座り揺れを楽しみました。
子どもたちによって、揺れ具合の違いで満足度が変わります。それは表情などからよく見られます。そして、一度終えても「もう一回」というように直ぐに近づいてきたり、言葉で伝えてきます。
「ターザンごっこ遊び」の特徴として、揺れの感覚を体感できること、ロープにつかまる手の力、全身のバランス感覚などが鍛えられると思います。
私は子どもたちに興味をもってもらえるように、モデリングしました。ロープを握って自力で登る様子を見せたり、ロープにつかまって揺れている姿を見せると、子どもたちは興味津々で近づいてきました。
こうした「ターザンごっこ遊び」ですが、うちのクラスではよく取り入れて遊びました。遊びを繰り返すことでうまくバランスをとってつかまっていられるようになった子や、一人でできるようになった子もいました。
少し難易度を上げた遊びでは、巧技台で階段を作り、巧技台の頂上からロープでターザンのように、事前に用意した着地用のマットまで飛ぶという遊びも行いました。
以上がこれまで取り組んできた「ターザンごっこ遊び」の説明になります。
ターザンごっこは人力な部分が多くありますが、大人が子どもたちを支えることで、子どもたちの力やバランス感覚などを体感として認識できるかと思います。
また、ロープなどに興味をもつことで、綱引きやロープを握って登る遊びなど他の遊びに興味もった子どもたちもいました。
こうしたシンプルでかつ人力が必要な遊びもやっていて楽しいと感じることや、子どもたちの成長が垣間見えることがあります。
今後も療育現場ならではの遊びの工夫と、遊びから子どもたちの発達をサポートしていきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。