発達理解・発達支援・ブログ

人間の多様な理解と支援を目指して!

放課後等デイサービス 療育

療育の大切さについて-放課後等デイサービスでの経験を振り返る-

投稿日:2022年6月3日 更新日:

著者は長年、発達に躓きのある子どもたちたちと放課後等デイサービスなどの事業所を通して関わってきています。

長年の療育を踏まえて、放課後等デイサービスの役割や意味などを実感できる場面が多くあります。

そこで、今回は著者の放課後等デイサービスでの経験を通して、療育の大切さについてお伝えします。

療育の大切さといっても様々なものがありますので、今回は著者の事業所でよく見られる集団遊びを通しての自己成長からお伝えします。

 

 

スポンサーリンク

集団遊びを通しての自己成長

著者が勤める事業所では、集団遊びを行っているお子さんたちが多くおります。

例えば、工作遊び、戦いごっこなどのごっこ遊び、サッカーやドッチボールなどのボール遊びなどを子どもたちはよく行います。

工作遊びは、一人で黙々と作業をする子もいますが、それよりも他児の作る様子を見ながら、それに刺激を受けて「自分も作りたい!」という子が多くいます。

こうした子どもたち同士が刺激を受けながら、工作遊びも進化・発展してきています。

例えば、車作りは○○君が得意、武器作りは○○が新しいものを作ったなど、他児同士が影響を受け合い、お互いの良さやすごい所を認め合う様子が増えてきています。

そして、こうした工作で作ったものを、例えば、戦いごっこなどに使用し、また、戦いごっこを通してさらに新しい武器作りを行うといった、進化・発展の循環が他児との関わりの中で出てきます。

ボール遊びも、最初は少人数だったドッチボールが徐々に人数が増え、子供チームVS大人チームといった形式に発展するなどより集団遊びが活性化してきています。

 

こうした、集団遊びですが、他児と関わることで様々な自己成長が促進されると感じています。

例えば、他者に認められること、集団遊びに入れることでの自己肯定感の向上です。

人は他者から認められた・受け入れられたという経験を通して自己肯定感を高めることができるのだと療育を通して実感することができました。

その他にも、ルールを理解する力人とうまくやっていく力イメージを形にする力手先の巧緻性の向上粗大運動の向上など、集団遊びの発展から獲得できる能力は非常に多くあるように思います。

こうした集団遊びは様々な能力の向上や自己肯定感の向上といった心理面にも影響を及ぼすことが考えられます。

 


それでは、次にこうした集団遊びを作る上での工夫についてお伝えします。

 

 

スポンサーリンク

集団遊びにおける支援の工夫

発達に躓きのある子どもたちにとっては、何となく共有できる空間とおもちゃなどを用意すればうまく関わることができるかと言えばそうでないケースが多いと感じます。

集団遊びにおいても大切なのは個別のニーズの理解とそれに対する配慮です。

例えば、A君にとっては○○のルールは難しいが、B君にとっては簡単という場合があります。

その場合は、両者の理解能力を把握していきながら、どちらも理解・納得できるような遊びの配慮が必要になります。

また、戦いごっこなど、戦う場所や敵・味方などをシンプル化できると、子どもたち集団がまとまって楽しく遊ぶ様子が増えます。

つまり、集団遊びといえども、一人ひとりを理解することがとても大切になるということです。

 

そして、こうした集団遊びを行う上で、ある程度、認知発達と興味関心が共通している場合の方がうまくいくケースが多いと感じます。

関連記事:「発達障害への支援-コミュニティ支援・ネスティングの視点から考える-

 

こうした集団遊びを通して事業所でエネルギーを蓄えることは、その後の生活にもポジティブに影響し、次にまた事業所に行きたいといった動機付けにもなります。

 

関連記事:「療育は必要か?-療育経験からその必要性について考える-

 


このように、療育を通しての集団遊びには様々な面で子どもたちの発達を豊かにするものがあるのだと思います。

今後も、子どもたちが通いたくなるような事業所を目指していきながら、集団遊びの意味や大切さを実践を通してさらに深く追求していきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

スポンサーリンク

-放課後等デイサービス, 療育

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

【〝ソーシャルスキルトレーニング″で獲得したスキルを活用するために大切なこと】発達障害児支援の現場から考える

発達障害児・者へのコミュニケーションや社会性を向上させるための練習方法として〝ソーシャルスキルトレーニング(SST)″があります。 著者は以前、発達障害児への〝ソーシャルスキルトレーニング(SST)″ …

療育(発達支援)で大切な〝遊び経験の物語化″について考える

療育(発達支援)では、〝遊び″が中心的な活動になります。 子どもたちは〝遊び″を通して、自己を発揮したり、他者と関わる楽しさを学んでいきます。 子どもたちが行う〝遊び″は、一度きりで終わるものもありま …

発達障害とSNSやゲーム依存について-療育経験を通して考える-

発達障害のある方は、過集中傾向が強いことや、対人関係よりも他のことを求める傾向、そして、二次障害などからSNSやゲームに依存する人も多いと言われています。 SNSやゲームは、使い方さえ間違わなければ現 …

自閉症療育で大切な視点-トップダウンの支援について-

自閉症への療育には様々な考え方があります。 著者自身、子どもたちや保護者との関わりから療育内容を考えることが多くあります。 子どもたちとの関わりで大切なことは、短期間というより、長期の関わりから見えて …

【療育の力を育むために大切な視点について】過去を掘り起こすこと、未来を作ること

著者は発達障害など発達に躓きのある子どもたちへの療育(発達支援)を行ってきています。 療育を行っていく中で、様々な能力が鍛えられていくという実感があります。 例えば、子どもたちの状態像を理解する力、子 …