【発達障害の問題行動とは?】特徴・原因・アセスメント・対応方法を療育経験をもとに総合解説

まとめ記事

発達障害のある子どもの中には、他害、暴言、かんしゃく、パニック、逃避行動など、いわゆる「問題行動」と呼ばれる行動がみられることがあります。

しかし、これらの行動は単なる困った行動ではなく、子どもからの大切なサインであることも少なくありません。

著者は長年療育現場に携わっていますが、子どもが見せる様々な「問題行動」への理解と対応方法について学びと実践力を高めていくことは非常に大切なことだと実感しています。

 

本記事では、発達障害児にみられる問題行動の特徴や原因をはじめ、支援に欠かせないアセスメントの考え方や具体的な対応方法について、療育現場での経験を交えながらわかりやすく総合的に解説します。

 

※本記事は、臨床発達心理士として10年以上療育現場に携わり、修士号(教育学・心理学)を有し、発達障害に関連する大量の書籍を読んできた筆者が執筆しています。

 

発達障害の問題行動の理解と支援の全体マップ

本記事では、発達障害の理解と支援に関して、以下の6つの章に分けて解説していきます。

1.発達障害の問題行動の特徴

2.問題行動のアセスメント

3.問題行動の対応で大切な視点

4.問題行動のケース別対応方法

5.まとめ

6.参考書籍紹介

 

 

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発達障害の問題行動の特徴

本記事では、発達障害児によく見られる「問題行動」として、他害(暴言・暴言)、「癇癪・パニック」「イライラ」「危険行動」「喧嘩」「乱暴な子」「物を投げる・物を壊す」「おもちゃを取る」などついて取り上げていきます。

以上の「問題行動」は、著者の療育経験を踏まえてもよく見られるものです。

一方で、注意点として、「問題行動」は発達障害だから生じるわけではなく、子どもの特性(ASD・ADHD・IDなど)と環境がミスマッチを起こすことで生じます。

そのため、「問題行動」が生じる背景を踏まえた対応方法の視点が重要です。「問題行動」が長期化すると「二次障害」のリスクに繋がったり、「二次障害」がすでに発症しているために「問題行動」が見られることもあります。


ここで、用語の整理として「問題行動」に類似する「不適応行動」についても説明します。

「問題行動」とは、支援が必要な本人や周囲の生活に支障を及ぼす行動全般を指します。一方、「不適応行動」とは、環境や状況にうまく適応できないことによって生じる行動を指します。つまり、「不適応行動」は「問題行動」の一部として捉えられることが多い概念です。

本記事では、両者の概念を明確に区別せずに使用していきます。

 

 

問題行動のアセスメント

この章では、問題行動のアセスメントの視点として、「問題行動の理解の仕方」「問題行動の測定の仕方」「問題行動の分析の仕方①:環境のアセスメント」「問題行動の分析の仕方②:機能分析」について見ていきます。

 

問題行動の理解の仕方

問題行動の理解の仕方」において重要となるのが、問題行動を否定的に捉えるのではなく、その子の困り感を理解するヒント・手がかりとして理解していくことが大切です。

「問題行動」と聞くと、否定的なイメージを持ちやすいですが、問題行動は子どもが困っているからこそ起こす行動です。つまり、支援のヒントを得る重要な情報源として捉える必要があります。

仮に、問題行動を完全に否定的に見る中で、問題行動への対応が遅れる・あるいは対応をしないと、大人への信頼関係の低下に繋がり、自分の困り感を抑制したり、問題行動の過剰な表出に繋がっていく場合があります。

こうした発想の転換と対応は、日々の忙しい支援業務の中で難しい場合もありますが、著者の実感としては、できるだけ早期に対応した方が後々楽になる場合がほとんどだと感じます。

以上の「問題行動の理解の仕方」の内容は、以下の記事を参照しています。

関連記事:「【発達障害児の〝問題行動″の理解の仕方について】療育経験を通して考える

 

問題行動の測定の仕方

問題行動の測定の仕方」として、問題行動を今後予防していくために、データ①~③(①何回起こったか数を数える②増減を把握する③継続時間を測定する)を取っていく必要性があります。

データを取ることで、客観的な事実を踏まえた対応に繋げていくことができます。

著者もできるだけ、問題行動の発生の頻度、時期、長さなどを把握することを心がけています。こうしたデータを正確に取ることは難しいかもしれませんが、ある程度でも良いので把握しておくことで、対応の質を高めていくことができると感じます。

以上の「問題行動の測定の仕方」の内容は、以下の記事を参照しています。

関連記事:「【発達障害児の〝問題行動″の測定の仕方について】療育経験を通して考える

 

問題行動の分析の仕方①:環境のアセスメント

問題行動の分析の仕方」として、測定→分析の順で進めていき、分析においては、曜日による増減があるのか?あるいは、増減の傾向がバラバラなのか?の2点に注意を払う必要があります。

つまり、分析していくにあたり、問題行動が一定の傾向で見られるのか?見られないのか?といった視点を持つことが必要です。問題行動の傾向がある・ないといった分析を進める中で、ある種の問題行動の原因の特定に繋げていくことができます。

例えば、著者の療育経験を踏まえて見ると、クラブ活動がある日は調子が悪く問題行動が出やすい(←曜日による増減がある:傾向がある)、急な騒音によって問題行動が生じる(←増減の傾向がバラバラ:傾向がない)といった、環境のアセスメントの理解に繋げていくことができます。

環境のアセスメントは、個人要因(感覚の問題・対人コミュニケーション・こだわり・多動性・衝動性・不注意など)から環境要因(活動内容・集団メンバー、学校環境、家庭環境など)まで様々あります。総合的に評価することが大切です。

以上の「問題行動の分析の仕方①:環境のアセスメント」の内容は、以下の記事を参照しています。

関連記事:「【発達障害児の〝問題行動″の分析の仕方について】療育経験を通して考える

 

問題行動の分析の仕方②:機能分析

問題行動(不適応行動)の分析としてよく活用されているものとして、応用行動分析学における機能分析があります。

この知見によれば、すべての行動には機能(原因)があって、それらは大きく4つに分けることができると考えられています。

その4つの機能が以下①~④になります。

①「逃避行動」:嫌な活動、嫌な刺激からの回避行動

②「要求行動」:何か(もの、活動、特権など)を手に入れようと試みる行動

③「注意喚起行動」:何か具体的に物が手に入るのではなく、周囲からの関心や注目、承認などを得ようする行動

④「自己刺激行動」:自らの身体に刺激を与える行動

著者の療育経験を踏まえて見ても、子どもの問題行動の背景には、①~④の機能が働いていると推測されるケースは非常に多く見られ、先に見た環境のアセスメントも踏まえながら、問題行動の分析をしていくことで、支援の質を高めていけると感じています。

一方で、問題行動の対応で、支援がうまく進まない場合には、二次障害が発症している、愛着障害などが見られるケースがあり、問題行動への直接的な介入だけでは効果は得にくいと感じるケースもあります。こうしたケースにおいては、二次障害や愛着障害に関する他の支援方法も併せて理解・対応していくことが大切だと感じます。

以上の「問題行動の分析の仕方②:機能分析」の内容は、以下の記事を参照しています。

関連記事:「【不適応行動の原因について】4つの機能を通して考える

 

 

問題行動の対応で大切な視点

この章では、問題行動の対応で大切な視点として、「ファクターマネジメント」「信頼関係」をキーワードに見ていきます。

 

ファクターマネジメント

ファクターマネジメント」とは、問題行動の原因となる「危険因子」と問題行動を抑制できる「保護因子」を明らかにして、「危険因子」は弱め「保護因子」は強化する、その上で、問題行動の増減を具体的な数値として把握し、測定することを指します。

つまり、先で紹介した問題行動のアセスメントの視点だと言えますが、著者は「危険因子」と「保護因子」は比較的療育現場で見つけやすいと考えていることもあり、対応が取りやすい、つまり、様々な療育現場などで活用しやすい視点だと感じています。

問題行動の対応で何から手をつければよいか難しい場合には、まずは「危険因子」と「保護因子」を見つけ、「危険因子」は可能限り取り除き、「保護因子」は強化していく対応を取ることが大切だと考えます。

こうした対応を取る上で、子どもの問題行動が生じにくように環境を調整していく対策は、活動に入る前の事前の打ち合わせ・シミュレーションが非常に大事になってくると思います。

以上の「ファクターマネジメント」の内容は、以下の記事を参照しています。

関連記事:「【発達障害児の問題行動を減らす方法】ファクターマネジメントから考える

 

信頼関係

「ファクターマネジメント」は短期の対応で実施可能です。一方で、子どもとの「信頼関係」の構築は長期の関わりがなければ難しいものですが、問題行動の改善に対して効果は非常に高いと言えます。

問題行動への介入にあたり、子どもが介入をする大人に対してどのような認知(好き・嫌い)をしてるかどうかで、その後の支援の効果が変わってきます。

ここで注意したいのは、力で押さえつけた関わり(例えば、過剰な叱責など)には多くのデメリットが存在することを理解しておくことです。

例えば、子どもに過剰な叱責をすることで、一見すると子どもが言うことを聞き、関わりがうまくいっているように見えてしまうことがありますが、この状態は単純に子どもが委縮してるだけであり、信頼関係といった根底の部分では破綻が生じている場合が多くあります。

高学年になると、反発や反抗をすることで大人を言い負かすことでの成功体験→誤学習が、周囲にも伝染していくといった最悪の事態を引き起こしてしまう可能性も懸念されています。

信頼関係の構築にあたり大切なことは、7割は本人がやりたいことを許容して、残りの3割は後の自立心や社会性を育てるためにも、大人からの提案をしていくことが必要だと考えられています(信頼関係を軸にした発達障害児支援7:3ルール)。

子どもの提案に乗って遊ぶことは、信頼関係の構築をはじめ、話す/聞く力、我慢して折り合いをつける力、ルールやマナーを守る力など、様々な力の育ちに寄与すると言われています。

著者は長期的な関わりを通して、子どもとの信頼関係を構築していくことを大切にしています。その中で、子どもの興味関心を把握し関わること、子どもの発信に対して高い応答性を持って対応すること、常に子どもの様子を気にかけること、特性を踏まえた対応をすることを非常に重視しています。

それに加えて、二次障害や愛着障害などが見られる場合には、これに関する知識や対応方法なども抑えていく必要があると感じます。

長い時間をかけて獲得した信頼関係は、子どもの問題行動の軽減に確実にポジティブな影響を及ぼすと実感しています。

以上の「信頼関係」の内容は、以下の記事を参照しています。

関連記事:「【不適応行動の対応で大切な子どもとの信頼関係】発達障害支援の経験を通して考える

関連記事:「【発達障害児と信頼関係がうまく築けない理由とは?】力で押さえつけた関わりの反動から考える

関連記事:「【力で押さえつけた発達障害児への反動への対応】信頼関係を回復するために必要なこと

関連記事:「信頼関係を軸にした発達障害児支援7:3ルール

 

 

問題行動のケース別対応方法

この章では、「問題行動」に関するケース別対応方法について、「他害(暴力・暴言)」「癇癪・パニック」「イライラ」「危険行動」「喧嘩」「乱暴な子」「物を投げる・物を壊す」「おもちゃを取る」について見ていきます。

 

他害(暴力・暴言)

「他害(暴力・暴言)」は療育現場で支援者が非常に対応に苦慮する行動だと言えます。他害行為は、子どもが自分の気持ちをうまく表現できないことから生じているいる行為だと考えられています。

他害(暴力・暴言)が生じる背景要因としては、「言葉にする力の弱さ」「こだわりの強さ」「衝動性の強さ」「場面・状況を読む力の弱さ」「力加減の苦手さ」など様々な要因があります。

他害(暴力・暴言)の対応として、暴力はダメだというルールを徹底する、怒りの感情をコントロールする練習をする、ちくちく言葉・あったか言葉を教える、感覚への刺激を与え感覚欲求を満たす、呼吸を整える、力加減を練習する、静かな環境を事前に整えておく、人的環境を整えるなど様々な方法があります。

著者の療育現場でも、他害は少なからず見られるものであり、対応方法は子どもの状態に応じて非常に多くあります。中でも、環境調整(静かな環境・安心できる人を傍におく)といった事前の対策はとても重要だと感じます。

また、これまで自分の思いをうまく言葉にできずに他害行為に及んでいた子どもが、信頼のおける大人との関係を基盤に、徐々に自分の思いを言葉にできるようになっていった結果、他害行為が非常に減少したケースも見られています。

以上の「他害(暴力・暴言)」の内容は、以下の記事を参照しています。

関連記事:「【発達障害児の〝他害″行動の意味とは何か?】療育経験を通して考える

関連記事:「【発達障害児に見られる暴言・暴力への対応】SST・ペアトレ・感覚統合からのアプローチ

関連記事:「【発達障害児の〝他害″行動への対応方法について】〝環境調整″の視点から考える

 

癇癪・パニック

発達障害児支援をしていると、子どもが「パニック・癇癪」を起こしている状況に出会うことは度々起こります。

ここで少し用語の違いを説明すると、「パニック」とは、〝起こす″ものではなく〝陥る″ものであり、〝メルトダウン″と呼ばれることもあります。「イライラ」「かんしゃく」「当たり散らす」とは異なる状態だと考えられています。詳しくはこちらで紹介しています:関連記事:「【自閉症児のパニックの理解と対応について】療育経験を通して考える

「パニック」は自閉症の人に多く見られ、その背景要因としては、「社会性の障害とパニック」「コミュニケーションの障害とパニック」「こだわり行動とパニック」「感覚過敏とパニック」「強圧的な関わりとフラッシュバック」「かん違いとパニック」など様々な自閉症の特性と関連している場合があります。詳しくはこちらで紹介しています:関連記事:「【自閉症の人たちがパニックに陥りやすい理由とは?】療育経験を通して考える」。

パニックへの対応で大切なことは、パニックに陥る前の予防的対応だと言えます。つまり、パニックに‟陥らない”状態を事前に対策することが重要です。

具体的には、パニックに繋がる背景にある問題を軽減する視点を持つ(パニック後に対応してもほとんど効果はない)、落ち着きやすい環境を作る、パニック行動の前後の状況をとらえて対応を考える(応用行動分析)などの方法があります。

癇癪への対応として、パニック同様に癇癪になる状況を把握すること(応用行動分析)に加えて、他者に自分の気持ちを伝える手段を手に入れるサポートがあります。

著者の療育現場では、自閉症児が多くいますが、自閉傾向が強く、かつ、知的障害が見られる子どもにおいては、特にパニックや癇癪の頻度が高いと感じます。

パニック・癇癪を強引に収めようとすると逆効果になるため、事前の環境調整を基盤としながら、行動を分析する視点も継続していくことで徐々にパニック・癇癪の頻度が減っていくと感じています。

以上の「癇癪・パニック」の内容は、以下の記事を参照しています。

関連記事:「【発達障害児に見られるパニック・癇癪への対応】3つのポイントを通して考える

関連記事:「【発達障害児の癇癪・パニックへの対応】応用行動分析学の視点を通して考える

 

イライラ

子どもが「イライラ」する状態が長引くと、先に見た他害・パニック・癇癪など問題行動がさらにエスカレートすることがよくあります。

イライラの状態がなぜ生じるのかをアセスメントすることが先決です。例えば、「感覚の問題(感覚過敏など)」「コミュニケーションの問題」「普段と違う環境」などが、イライラが生じる要因となっていることが多くあります。

家庭や学校におけるイライラしやすい理由の例はこちらで紹介しています:関連記事:「【発達障害児のイライラ・癇癪の原因について】療育経験を通して考える」。

イライラへの対応として、体調管理ノートを作り体調を管理する、自分の気持ちに気づき、言葉で表現する練習をするといった自己理解を促すこと、できたことに対して肯定的なフィードバックを与えること、落ち着くまでしばらく様子を見る、安心して過ごせる環境の調整など様々な方法があります。

著者はイライラへの対応として、イライラの要因を踏まえた上での事前の環境調整を非常に重視しています。その他、イライラした気持ちを言葉で表現する手助け(共感的な関わりを踏まえた)、イライラしはじめたらひとまず落ち着ける環境に誘導して見守るといった方法をよくとっています。

以上の「イライラ」の内容は、以下の記事を参照しています。

関連記事:「【発達障害児に見られるイライラへの対応】SST・ペアトレ・感覚統合からのアプローチ

 

危険行動

「危険行動」とは例えば、道路への飛び出し、危険な遊び、他者を強く叩くなど様々な行動があります。

危険行動が発達障害児に見られる要因としては、「衝動性の高さ」「不注意の高さ」「状況理解の難しさ」「感覚の問題」「力加減の調整の難しさ」など様々な要因があります。

危険行動への対応として、事前にルールを確認する、遊びを通して危険に対するスキルを養う、危険行動が及ぼす影響・結果を伝える、周辺視野に目を向ける遊びを取り入れる、感覚欲求の充足後、力加減のある遊びを行うなど様々な方法があります。

著者は危険行動への対応として、発達障害児の特性を踏まえた関わりが大切だと実感しています。

例えば、頭では分かっているが衝動的に危険な行動に走る、一度はルールを理解してもすぐに忘れて危険な行動に走る、状況が分からずに結果として悪気なく危険な行動に走る、感覚がうまく調整できずに危険な行動に走る、不器用さがあり手加減できずに危険な行動に走るなど、危険行動の背景には発達特性が影響していることも想定した対応を取ることを心がけています。

以上の「危険行動」の内容は、以下の記事を参照しています。

関連記事:「【発達障害児に見られる危険行動への対応】SST・ペアトレ・感覚統合からのアプローチ

 

喧嘩

「喧嘩」は療育現場においてもよく見られる光景です。喧嘩ときけばネガティブなイメージがありますが、喧嘩によって発達が促進されるメリットもあると考えられています。

重要な点は、両者の関係性や個々の発達状態(心の成長も含めて)を踏まえて、喧嘩が成立するかどうかもまた必要な視点だと言えます。

喧嘩が生じやすい要因として、「年齢に応じた会話の難しさ」「ルールへの過度な固執」「感情のコントロールの難しさ」など様々な要因があります。

喧嘩への対応として、自己コントロール力(実行機能・自己制御)や自尊心を高める関わり、感覚の偏りへの環境調整、状況理解へのサポート(遊びを通したルールの学習)、他者理解へのサポート(心理論へのサポート)、Noを柔らかい表現で伝達する練習や援助要求スキルの向上など様々な方法があります。

著者の療育現場においても、喧嘩はよく起こります。まずは、喧嘩をする双方の状態の理解をアセスメントすることを心掛け、喧嘩しても解決が困難な状態にあれば、お互いの距離を事前に離すようにしています。

また、好きな遊びを通して両者の良さを知り喧嘩が軽減していったケース、自己コントロール力を初めとした様々な発達が進んだことで他者とうまく関わることができ喧嘩が軽減していったケースはこれまで多く見られています。

以上の「喧嘩」の内容は、以下の記事を参照しています。

関連記事:「【発達障害児支援で必要な喧嘩への理解と対応】療育経験を通して考える

関連記事:「【友達とのトラブルが多い発達障害児への対応】応用行動分析学の視点を通して考える

関連記事:「【ソーシャルスキルで大切な喧嘩への対応】喧嘩の多い発達障害児への対応方法

 

乱暴な子

「乱暴な子」に見られる行動として例えば、物の扱いが乱暴、他児や大人への関わり方が乱暴、など物・人を対象に様々な乱暴さが見られます。

発達障害児に見られる乱暴さの背景要因として、「運動のコントロールに課題」があると考えられています。そして、運動のコントロールは情緒のコントロールとも強く関連していると言われています。つまり、運動がうまくコントロールできれば、情緒も安定していくと言えます。

乱暴な子への対応として、運動のコントロール力を身につけることが大切になります。そのためには、まず自分なりの発散方法を獲得することが必要になってきます。

例えば、大声を出す、全力で動いて遊ぶ(ボール遊び、アスレティック系の遊び、追いかけっこ、リズム遊びなど子どもが好きな遊び)があります。

著者の療育現場にも、力のコントロールに不器用さが見られる子どもは多くいます。不器用さへのアプローチとして、感覚統合療法や発達性協調運動障害の知見が大変役立つと感じています。そして、運動による発散がうまくできると、それまでイライラしていた情緒も安定していったケースは多く見られています。

以上の「乱暴な子」の内容は、以下の記事を参照しています。

関連記事:「【発達障害児支援で必要な乱暴な子への理解と対応】療育経験を通して考える

 

物を投げる・物を壊す

「物を投げる・物を壊す」ことは療育現場においてよく見られる光景です。こうした行動に対して、注意すること以外に重要な様々な対応方法があります。

物投げ・物の破損の背景要因としては、「衝動性の強さ」「感情のコントロールの難しさ」「力のコントロールの難しさ」を筆頭に様々な要因が想定できます。

物を投げる・物を壊すへの対応として、安全な環境への工夫(危険な物を遠ざけるなど)、丁寧な物の扱いを教える、物を投げていない・壊さずに扱っていることを褒める、投げ・破損の行動の前後から状況を分析する(応用行動分析)など様々な方法があります。

著者の療育現場でも、物を投げる・物を壊す子どもはこれまで少なからず見られています。背景要因は子どもによって異なるため、背景を踏まえた関わりが大切ですが、直ぐにできる対応方法としては、危険な物・破損に繋がる物を子どもの近くに置かない、大人が必要な時に出すといった環境調整を重視しています。

また、応用行動分析の視点を踏まえて、物投げ・物を壊す行動がどのような状況で生じやすいのかを分析し、起こりにくい状況を整える工夫もよく活用しています。

以上の「物を投げる・物を壊す」の内容は、以下の記事を参照しています。

関連記事:「【発達障害児に見られる物を投げる・物を壊すことへの対応】4つのポイントを通して考える

 

おもちゃを取る

他の子どもが使っている「おもちゃを取る」子どもは特に未就学児や小学校低学年頃によく見られる行動です。

他の子どものおもちゃを取ってしまう背景要因として、「衝動性の強さ」「自己コントロール力の弱さ」「状況理解の難しさ」などが影響している場合が多いと考えます。

例えば、他の子どもが使っているおもちゃを衝動的に取ってしまう、どうしても我慢できずに取ってしまう、他の子どもが使っている状況がうまく理解できずに取ってしまうなどがあります。

おもちゃを取ることへの対応として、物のやり取りを活動の中で教えていく、視覚的に自他のエリアを明確化する、取ってしまう行動の前後の状況をとらえて対応を考える(応用行動分析)など様々な方法があります。

著者の療育現場では、他の子どものおもちゃを勝手に取ってしまう行動は少なからず見られます。大切な対応の視点として、貸し借りがうまくできた場合には大いに褒める、貸し借りは少ない材料から始めていく(例:本、ぬいぐるなど)、遊びのエリアをパーテーションやテープなどで区分けする方法をよくとっています。

発達段階に応じて、物の貸し借りのスキルに違いでると感じることから、子どもの自己コントロール力や状況理解の力、ワーキングメモリの力などを把握していくことも大切だと感じます。

以上の「おもちゃを取る」の内容は、以下の記事を参照しています。

関連記事:「【発達障害児に見られる他児のおもちゃを取る場合への対応】3つのポイントを通して考える

 

 

まとめ

発達障害児には、他害、暴言、かんしゃく、パニック、逃避行動など、いわゆる「問題行動(不適応行動)」と呼ばれる行動が見られることがあります。

問題行動は長期化すると二次障害に繋がるリスクもあるため、行動の背景を踏まえた早期の対応が大切になります。

問題行動は、子どもの困り感を理解するヒント・手がかりとして理解していくことが大切であり、問題行動の発生の頻度、時期、長さなどを把握することを踏まえて分析へと繋げていくことが重要です。分析を進める中で、「環境調整へのアセスメント」の視点、「4つの行動の機能分析」を進める方法があります。

問題行動の対応で大切な視点として、「ファクターマネジメント」「信頼関係」などがあり、前者は、問題行動の原因となる「危険因子」と問題行動を抑制できる「保護因子」を明らかにして、「危険因子」は弱め「保護因子」は強化する対応を取ること、後者は、長い時間をかけて獲得した信頼関係は、子どもの問題行動の軽減に確実にポジティブな影響を及ぼすという認識をもつことが大切だと言えます。

問題行動には「他害(暴力・暴言)」「癇癪・パニック」「イライラ」「危険行動」「喧嘩」「乱暴な子」「物を投げる・物を壊す」「おもちゃを取る」など様々なケースがあり、対応にあたり背景要因を検討しながら、子どもに合った対応を考えていくことが重要です。

 

 

参考書籍紹介

今回の記事内容をさらに深める上でお勧めする書籍紹介記事を以下に載せます。

発達障害の問題行動を含め発達障害領域を網羅的に学びたいと考えている人には次の書籍紹介記事がお勧めです:関連記事:「臨床発達心理士が厳選:発達障害を理解するための体系的読書ガイド【完全版】」。

発達障害の問題行動を含め発達障害の支援に関するお勧め書籍紹介はこちらで紹介しています:関連記事:「【臨床発達心理士が厳選】発達障害の支援に関するおすすめ本:初級~中級者向け」。

発達障害の二次障害に関するお勧め書籍紹介はこちらで紹介しています:関連記事:「【臨床発達心理士が厳選】発達障害の二次障害に関するおすすめ本:初級~中級者向け」。

行動障害に関するお勧め書籍紹介はこちらで紹介しています:関連記事:「【臨床発達心理士が厳選】行動障害に関するおすすめ本:初級~中級者向け」。

愛着障害に関するお勧め書籍紹介はこちらで紹介しています:関連記事:「【臨床発達心理士が厳選】愛着障害に関するおすすめ本:初級~中級者向け」。

 

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