発達障害児・者の中には、特異的な才能を持った人たちがいます。
例えば、見たものを映像のように記憶することができる人(サヴァン症候群の特徴でもあります)、一つの作業に非常に高い集中力を発揮する人、新しいことに次々と挑戦する行動力のある人、など様々な才能が見られます。
こういった人たちの中には、過去の歴史を変える偉業を成し遂げた人たちもいると言われています。
こうした才能を発揮するには、周囲の理解や環境がとても大切になります。特に、同調圧力の強い国では(特に日本など)、突出した才能を伸ばすというよりも、均一化を重視する傾向があります。つまり、周囲に迷惑をかけない、周囲に合わせて行動できることが大切になります。
こうした環境では、せっかくの才能も開花されない可能性が高くなります。
均一化という教育や環境からの脱却こそが重要です。特異的な才能は周囲の環境が伸ばすという側面が非常に大切なのだと思います。
こうした特異的な才能がある人がいる一方で、多くの人はそうでない場合がほとんどかと思います(もちろん自分もそうです)。
発達障害児・者の支援の中で、よく聞く言葉に、「得意な所に目を向けましょう」「強みを活かした支援をしていきましょう」ということをよく聞きます。
私も大学の授業や書籍などでそのような文言をよく聞いたり、見たりしてきました。
しかし、実際の現場で当事者の方と接すると、得意な所を伸ばすという考えに難しさを感じるのが事実です(もちろん間違いではありません)。
彼らの多くは、得意な所以上に自分の「弱さ」と向き合う時間や機会がとても多くあります。そうした弱さが生活の中では困り感を生じさせ、自信の低下を招くことになります。
ですので、大切なのは、そうした「弱さ」に対しての理解と支援です。
正確には、「強み」と「弱み」それぞれへの理解と対応です。
私が療育現場で見てきた多くの人たちは、「弱さ」「苦手さ」を周囲が理解しないと物事が進まないことがほとんどだったと思います。
私が見ている当事者の大人の方は、昔から、自分の「弱さ」「苦手さ」への周囲の理解が足りなかったせいか、大人になるまで「自分はなぜ周囲のようにうまくできないのか?」「困っているのは苦手な所をどうやって理解し、それに対してどう対応するのかということ」と話していました。
この方は、少しずつ自分の「弱さ」への理解を認識していった結果、今では、自分なりの学習方法や周囲の環境への適応方法などを強化していくことができ、徐々にですが、自信もついてきました。さらに、こうした「弱み」と向き合うことで、自分の「強み」への気づきにも繋がっています。
発達障害のある人が得意的な才能があるのはある意味で正しいのですが、それは、周囲の理解や環境からの良い影響があって伸びることだと思います。また、そうした才能がある人が一部であるということへの理解も必要であり、「強み」だけではなく、生活の困り感などの「弱み」への理解も大切です。
重要なのは、当事者感です。つまり、当事者の困難さや苦しみに対して共感し、どのような理解と支援があれば前進していくことができるのかを共に考えることだと思います。
今回は、発達障害の人の「弱み」に比重をおいた内容になりました。それだけ、私が周囲で見ている当事者の方が、自分が「苦手」としていることに対して敏感であり、思考錯誤を繰り返しているからになります。
今後も当事者感をしっかりと持っていけるように、日々の現場の中で、当事者の方が、何が苦手で何が得意であるのかをしっかりと把握していきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。