自閉症(自閉スペクトラム症:ASD)は、対人コミュニケーションの問題やこだわり行動などを特徴とした発達障害です。
実際の支援場面において「どのように理解し、関わればよいか?」と思い悩むことが多くあるのではないでしょうか?
著者は長年療育の現場で自閉症児・者と関わってきていますが、同じ自閉症においても一人ひとり特徴の現れ方が大きく異なることを日々実感しています。
そのため、理解と支援の引き出しを豊富に持つ必要があると感じています。
本記事では、自閉症の基本的な理解から具体的な支援方法までを体系的に解説します。
※本記事は、臨床発達心理士として10年以上療育現場に携わり、修士号(教育学・心理学)を有し、発達障害に関連する大量の書籍を読んできた筆者が執筆しています。
自閉症の理解と支援の全体マップ
本記事では、自閉症(自閉スペクトラム症:ASD)の理解と支援に関して、以下の6つの章に分けて解説していきます。
1.自閉症(自閉スペクトラム症:ASD)とは何か
2.自閉症の主な特徴
3.自閉症の認知の特徴
4.療育・支援のポイント
5.まとめ
6.参考書籍紹介
自閉症(自閉スペクトラム症:ASD)とは何か
自閉スペクトラム症(ASD)は、神経発達症の一つに該当しています。
DSM-5(アメリカ精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)によれば、自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD:Autism Spectrum Disorder)は、以下の①②が診断基準となっています。
①社会的コミュニケーションおよび相互関係における持続的障害
②限定された反復する様式の行動、興味、活動(下位項目に、知覚過敏・鈍感などが含まれる)
そして、症状は発達早期の段階で必ず出現するが、後になって明らかになるものもあるなど、どの年齢でも用いることが可能になっています。
以上の①②は2因子モデルと言われるものであり、DSM-5より前は、三つ組と言われる3因子モデルが使用されていました。
3因子モデルでは、「1.対人相互反応の障害」、「2.コミュニケーションの障害」、「3.常同的で限定された興味」を使用していましたが、2因子モデルでは①②の使用に変更になっています。
①②を簡潔に表現すると、①は「社会的コミュニケーションの障害」、②は「限定された反復的な行動様式」となり、①は社会的な問題、いわゆる対人コミュニケーションの問題、②はこだわり行動や感覚の問題などに当たります。
また、自閉スペクトラム症は知的障害やADHD、SLD、DCDなど他の発達障害とも併存して見られケースが多いとされています。
「神経発達症」と「三つ組」については以下の記事で詳しく紹介しています。
関連記事:「神経発達症/神経発達障害とは何か?DSM-5を通して理解を深める」
関連記事:「【自閉症スペクトラム障害の特徴について】三つ組とは何か?2因子モデルとは何か?」
自閉症の主な特徴
それでは、自閉症の主な特徴として、「1.対人コミュニケーションの問題」、「2.こだわり」、「3.感覚の問題」について簡単に解説していきます。
対人コミュニケーションの問題
対人コミュニケーションに問題とは、言葉や感情を通した他者との交流の難しさ、また、表情やジェスチャーなど非言語情報での他者とのやり取りの難しさなどが社会生活にネガティブな影響を及ぼしている状態になります。
例えば、会話が一方的、暗黙のルールが分からない、冗談が通じない、表情が乏しい、他者の気持ちや意図がうまくくみ取れないなどの特徴があります。
対人コミュニケーションの問題には、第3章で見る認知の特徴のうち「心の理論の弱さ」が強く影響しています。
そのため、自閉症の認知特性を踏まえながら、対人コミュニケーションの特徴を抑えていくことがとても大切になります。
「対人コミュニケーション」の理解についてはこちらの記事がお勧めです:関連記事:「【社会的コミュニケーションの障害とは何か?】自閉症の特徴について考える」。
→対人コミュニケーションへの支援に関しては以下の章で取り上げています。
こだわり
こだわり行動とは、例えば、新奇な場面や変化を拒む、決まった手順ややり方がある、切り替えが難しい(遊びを止めない)、身体の使い方に特有さが見られる、全体よりも細部に目が向くなどの特徴があります。
こだわり行動は、こだわりの対象が変わることがありながらも、生涯を通して全体のエネルギーを一定としながら残り続けると言われています。これを精神科医の本田秀夫さんは「こだわり保存の法則」と呼んでいます。
こだわりへの理解を深める上で大切な点として、こだわりの背景要因として中枢性統合の弱さが影響していること、こだわり行動は社会的なストレスの影響を受けるとより強くなる傾向があること、学童期以降には社会化されることがある(例:学校の決まりやルールは守るべきなど)といった理解はとても大切です。
「こだわり」の理解についてはこちらの記事がお勧めです:関連記事:「【自閉症のこだわりの特徴】1常同行動2 特定の行動・思考のこだわり3 特定の対象への執着」。
→こだわりへの支援に関しては以下の章で取り上げています。
感覚の問題
自閉症の人たちには、感覚の問題が見られることがよくあります。
例えば、特定の音や大きな音が苦手、ツルツル・ベタベタなどの触感が苦手、特定の臭いが苦手、特定の味が苦手(偏食にも繋がる)、痛みに鈍感などがあります。
感覚の問題(感覚調整障害)の理解に関しては、どのような感覚に苦手さ(あるいは鈍麻)があるのかをアセスメントすることが大切です。
感覚調整障害の種類には、「低登録」、「感覚探求」、「感覚過敏」、「感覚回避」の4つのがあります。1人の人に複数の感覚の問題が見られる場合もあります。また、感覚の過敏さと鈍麻が同時に見られることもあります。
感覚の問題は大人になるにつれて減少することが多くある一方で、完全になるなるわけではないと言われています。
まずは、感覚の問題への理解(アセスメント)が必須であり、その後、環境調整・支援へと繋げていくことが大切です。
「感覚の問題」の理解についてはこちらの記事がお勧めです:関連記事:「発達障害の感覚調整障害について【4つのタイプから考える】」。
→感覚の問題への支援に関しては以下の章で取り上げています。
自閉症の認知の特徴
自閉症の認知の特徴理解において、「1.心の理論」、「2.中枢性統合」、「3.実行機能」の3つについて抑えておく必要があります。
心の理論
「〝心の理論″とは、他者の意図、欲求、願望、信念、知識といった心の状態を推論する能力」のことを言います。
心の理論の発達として、他者と同じ対象を共有するといった行為(「共同注意」行動)が発達初期(生後9カ月頃)には重要となり、その後、「一次の心理論」の獲得、「二次の心の理論」の獲得と発達を遂げていきます。
定型発達児には、一次の心の理論の獲得は4~5歳頃、二次の心の理論の獲得は8~9歳頃が見られますが、自閉症児は言語発達年齢が9歳の頃に一次の心の理論を獲得すると言われています。
この言語発達年齢9歳という背景には、自閉症児は定型発達児とは異なり言語に重きをおいた他者の心の状態を理解するといった特徴があるなど、他者の心的理解は直感的な理解よりも言語に依存した理解をしていると考えられています。
自閉症児・者には、「心の理論の弱さ」例えば、相手の言動や行動の背景がうまく理解できないことで、対人コミュニケーションにおける問題を抱えやすいため、適切な支援が重要になります。
「心の理論」の理解についてはこちらの記事がお勧めです:関連記事:「【自閉症の心の理論】療育現場から見た特徴と理解のポイント」。
→ 心の理論への支援に関しては以下の章で取り上げています。
中枢性統合
「中枢性統合(central coherence)とは、物事の全体的な意味をつかもうとする認知的傾向のこと」を指します。
自閉症の人は物事の細部に注意が向く傾向があり(逆に、定型発達児・者は物事の全体に注意が向きやすい傾向がある)、この傾向を「弱い中枢性統合」仮説と呼んでいます。
例えば、アニメや映画で同じシーンを繰り返し見る、興味のある人物・キャラクターが限定している、車・電車・虫・歴史など特定の領域の知識が突出しているなど、興味関心の幅が狭く限定していることがよくあります。
弱い中枢性統合の背景として、特定の対象に注意が向くとその対象から注意がそれにくい傾向(注意の切り替えの困難さ)があると考えられています。
そのため、注意の切り替えの困難さや物事の全体像の理解の難しさなどがあるため、適切な支援が重要になります。
「中枢性統合」の理解についてはこちらの記事がお勧めです:関連記事:「【弱い中枢性統合仮説とは何か?】自閉症の特徴について考える」。
→中枢性統合への支援に関しては以下の章で取り上げています。
実行機能
「実行機能(executive function)とは、計画を立て、その計画通りに集中することの維持、別の刺激に飛びつくことを抑制するプロセスに関わっている高次の脳機能」のことを言います。
簡潔に言えば、「遂行能力」や「やり遂げる力」などとも言われています(「やり遂げる」には、グリットが有名ですが、それよりも短期の目標・計画などで使用されます)。
実行機能の定義にあるように、実行機能は大きく3つの構成要素(抑制・更新・シフト)から構成されています。
そして、自閉症の人が苦手とするものとして、「プランの実行」→「段取りを立てて実行する力」と「注意の切り替え」→「切り替える力」の2つだと考えられています。
例えば、その日のスケジュール(予定)を立てて実行することの難しさや、特定の活動に集中し始めると次の活動に注意を切り替えることが難しくなるといったことがよくあります。
そのため、プラン立てへの支援、切り替えへの支援が自閉症の実行機能の支援において重要になります。
「実行機能」の理解についてはこちらの記事がお勧めです:関連記事:「【実行機能障害仮説とは何か?】自閉症の特徴について考える」。
→実行機能への支援に関しては以下の章で取り上げています。
療育・支援のポイント
この章では、これまで見てきた自閉症の主な特徴や認知の特徴を踏まえた上でのそれぞれの支援のポイントを見ていきます。
それに加えて、自閉症支援で非常に多く活用されている「構造化」、「コミュニティ支援」、「SPELL」、「学習スタイル」についても解説していきます。
支援のポイントとして、著者が療育経験を通して非常に有効だと感じているものを中心に取り上げていきます。
対人コミュニケーションへの支援
ここでは、「興味関心の共有体験を積み上げる」と「暗黙の了解の理解への支援」について見ていきます。
「興味関心の共有体験を積み上げる」としては、自閉症児がもつ興味関心を把握していくとで、イメージの共有を促していくことが大切です。
著者はごっこ遊びなどを通して、子どもと様々なイメージを共有する過程を通して、子どものイメージ力が高まり、言語・非言語の理解が進んだと感じることが多くあります。
「暗黙の了解の理解への支援」としては、定型発達児・者が当たり前に獲得していくこと、例えば、他者との距離感、会話のルール、順番の理解などを、場面に応じて文字やイラストなどを活用して伝えていくことが有効です。
代表的な支援技術として「ソーシャルスキルトレーニング」「ソーシャルストーリー」などがあります(さらに、もう一段踏み込んだ支援技術として「ソーシャルシンキング」があります)。
「対人コミュニケーションへの支援」は、後に見る「心の理論への支援」と置き換えても良いほど、両者の支援内容は類似していると感じます。そのため、両者をセットで考えていくことが大切だと言えます。
「対人コミュニケーション」への支援についてはこちらの記事がお勧めです:関連記事:「【自閉症への支援】ソーシャルストーリーを例に考える」。
こだわりへの支援
ここでは、「優先順位の把握」と「見通しの伝達」について見ていきます。
「優先順位の把握」としては、こだわりの対象のうち、どの箇所に強いこだわりが見られるのかを把握していくことが大切です。
著者の経験上、強いこだわり行動が見られる対象には、丁寧や環境調整が必要であり、そのポイントを抑えて関わることが必須だと考えます。
「見通しの伝達」としては、事前に予定を伝えておくこと、急な予定の変更に対しては、事前に本人と確認し合意を取る必要があります。
著者の実感として、こだわり行動は予定・手順・ルール・白黒思考(勝ち負けへのこだわり)など様々な事で見られるため、事前にこだわりの対象と強度を把握し、本人が安心できる先の見通しを伝達していくことが大切だと感じます。
「こだわり」への支援についてはこちらの記事がお勧めです:関連記事:「【自閉症児のこだわり行動に悩んだ日々】理論と経験で見つけた支援の糸口」。
感覚の問題への支援
ここでは、「環境へのアプローチ」と「個人へのアプローチ」について見ていきます。
「環境へのアプローチ」としては、例えば、苦手な音刺激への負荷を軽減する環境調整として、苦手な音と距離が取れるようにする、イヤーマフの使用などがあります。
「個人へのアプローチ」としては、例えば、苦手な感覚刺激への対処法を一緒に考えていくことで、自身の感覚刺激をコントロールする方法を学習するといった視点が重要です(識別系を優位にしていく視点が大きなキーワードだと考えます)。
著者の実感として、初めは「環境へのアプローチ」を軸として、そこから少しずつ「個人へのアプローチ」に支援を展開していくことが、より良い支援に繋がっていったと感じるケースはこれまで多くあります。
「感覚の問題」への支援についてはこちらの記事がお勧めです:関連記事:「【感覚過敏とどう付き合う?】自閉症児支援の現場から見えたヒント」。
心の理論への支援
ここでは、「他者の視点の理解」と「独自の内的世界への寄り添い」について見ていきます。
「他者の視点の理解」としては、日々の生活の中で他者の行動の意図や気持ちなど、目には見えない心の状態について言葉で分かりやすく伝えていくことが有効です。
自閉症児・者は言葉を通して他者の心の状態を理解する傾向があるため、本人にとって分かりやすい言葉で伝えていくことの繰り返しが大切だと考えます。
「独自の内的世界への寄り添い」としては、自閉症の人たちの独自の世界観を大切に、その世界に寄り添い、少しずつ歩み寄りながら、共有体験を豊富にもつことが大切です。
著者の経験から、自閉症児の独特の世界を共有していく過程に、様々な感情の交流があり、こうした感情交流を通して、逆に自閉症児が他者に対して関わりたいといった社会的な動機付けが高まることが実際に多くあると感じます。
「心の理論」への支援についてはこちらの記事がお勧めです:関連記事:「【気持ちを読み合う力をどう育む?】自閉症児への心の理論の支援アプローチ」。
中枢性統合への支援
ここでは、「重要点に着目しやすい工夫」と「全体像の理解を促す工夫」について見ていきます。
「重要点に着目しやすい工夫」としては、言葉や視写・イラストなどを活用して、重要な内容にフォーカスして情報を伝えていくことが有効です。
著者は、細部に着目しやすい子どもにおいて、活動のルールや約束事など最小限の情報を伝えることを心掛けています。逆に言えば、それ以外の事は守れなくても多めに見るといった態度も必要だと考えます。
「全体像の理解を促す工夫」としては、例えば、一日の予定をスケジュール化して視覚的に示すこと、活動範囲、例えば公園で遊べる範囲を写真で提示するなどの方法が有効です。
著者の経験から、全体像の理解には文字や写真、イラストなど口頭言語以外の情報で伝えることが大切だと考えます。口頭言語で伝えていく場合には、できるだけ「①・・、②・・、」といったように情報量を少なく伝える工夫が必要です。
「中枢性統合」への支援についてはこちらの記事がお勧めです:関連記事:「【“全体像”をつかみにくい子どもへの支援】自閉症児の中枢性統合を育むアプローチ」。
実行機能への支援
ここでは、「プラン立てへの支援」と「切り替えへの支援」について見ていきます。
「プラン立てへの支援」としては、優先順位を踏まえて先の見通しを立てる(スケジュール化)方法が有効です。その際に、視覚化して提示することも大切です。
著者は、プランニングが苦手な子どもに対しては、早めに予定を立てることを心掛けています。
「切り替えへの支援」としては、終わりの時間を決めておくこと、タイマーの活用、本人と一緒にどこで終わりするかを決めておくことが大切です。
著者は以上の内容に加えて、集中していることに対して肯定的な態度で接すること、寄り添う姿勢を見せていくことが、長い目でみたときに切り替えへの支援に有効だと考えます。
「実行機能」への支援についてはこちらの記事がお勧めです:関連記事:「【見通しを持ち、やり遂げる力へ】自閉症児の実行機能支援の体験と理論」。
構造化
「TEACCH構造化」といった自閉症の支援プログラムがあります。
内容としては、自閉症の認知機能(心の理論・中枢性統合・実行機能)を踏まえた上で、自閉症児・者が分かりやすい環境を整えられるように作られたプログラムになります。
例えば、物理的構造化→○○の場所は〇〇する場所といったように環境を調整すること、また、スケジュール→一日の活動全体の流れ・個別の予定などを視覚的に提示する方法は著者の療育現場でもよく活用しています(他にも、手順の構造化(ワークシステム)が有名です)。
「構造化」とは、物事を分かりやすく秩序立てるといった意味がありますが、重要な点は、自閉症の認知の特徴を踏まえた上で構造化することが必要です。
また、精神科医の本田秀夫さんは、構造化は合意形成を学ぶことが目的であると考えています。著者は構造化による提示をすることで、子どがその提示に合意する(しない)かどうかを積み上げていくことで、他者との信頼関係の構築やコミュニケーションの機会が増えていくと感じています。
「構造化」について詳しくはこちらで紹介しています:関連記事:「【構造化だけでは不十分?】自閉症支援における“合意”の重要性を考える」。
コミュニティ支援
自閉症児・者が地域社会の中で安心して楽しく過ごせる場所を作り出していくことも重要な支援になります。
その背景として、自閉症児・者の多くが、独力で自分に合ったコミュニティを見つけ出し適応していく難しさがあるからだと考えられています。
コミュニティ作りのポイントとしては、共通の認知発達と興味関心の視点が重要になります。
実際に、著者が勤める放課後等デイサービスは、家庭や学校以外の第三の居場所(サードプレイス)であり、その中で集団を形成していく上で、共通の認知発達と興味関心をポイントに集団がうまく広がっていったケースは非常に多くあると実感しています。
「コミュニティ支援」について詳しくはこちらで紹介しています:関連記事:「発達障害への支援-コミュニティ支援・ネスティングの視点から考える-」。
SPELL
「SPELL」とはイギリスの自閉症協会が提唱している理念です。
Structure(構造)、Positive(肯定的)、Empathy(共感性)、Low arousal(刺激の低減)、Links(連携)の頭文字から成り立っています。
自閉症児・者への支援をしていると、個別ケースの複雑さ・多様さから時に支援の方向性を見失うことがあります。
著者はこうした状況において、支援の方向性を一度見つめ直す上でも、「SPELL」の考え方は非常に大切だと考えます。
「SPELL」について詳しくはこちらで紹介しています:関連記事:「【自閉症児・者への支援の5つの原則について】〝SPELL″を通して考える」。
学習スタイル
「学習スタイル」とは、「物事の理解や記憶のスタイル」だと言えます。
自閉症が苦手とする「学習スタイル」には、「暗黙的な学習」、「聴覚情報の処理」、「注意」、「実行機能」、「社会性の認知」があります。
これら5つの特徴は、これまで見てきた自閉症の特徴・認知の特徴でも取り上げたものもありますが、重要な点は、理解や支援の観点での枠組みの整理に活用できることです。
著者は自閉症への理解と支援を行う際に、様々な情報を扱うことで、時に情報の整理が難しくなることが度々あります。
そのような時に、自閉症の「学習スタイル」の理解はとても役立つ視点だと考えます。
「学習スタイル」について詳しくはこちらで紹介しています:関連記事:「【自閉スペクトラム症(ASD)の学習スタイル】5つの特徴から考える」。
まとめ
かつて広汎性発達障害の一つであった自閉症は現在、自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD)となっています。名前にある通り、スペクトラムとは「連続体」を意味しています。
ASDは他の発達障害(ID・ADHD・SLD・DCD)との併存も見られるため、「連続体」といった自閉の強弱も含めて考えると非常に状態像が多様化して見られます。
支援の観点で重要なことは、二次障害への予防をしていくこと、さらには、個々が豊かな発達を遂げていくための道筋を整えていくことであり、そのためには、今回見てきたような自閉症の特徴・認知の特徴を抑えながら、一人ひとりにあったオーダーメイドな支援内容を検討していくことが大切です。
参考書籍紹介
今回の記事内容をさらに深める上でお勧めする書籍紹介記事を以下に載せます。
自閉症を含め発達障害領域を網羅的に学びたいと考えている人には次の書籍紹介記事がお勧めです:関連記事:「臨床発達心理士が厳選:発達障害を理解するための体系的読書ガイド【完全版】」。
自閉症の理解に関するお勧め書籍紹介はこちらで紹介しています:「【臨床発達心理士が厳選】自閉症に関するおすすめ本:初級~中級者向け」。
感覚の問題の理解に関するお勧め書籍紹介はこちらで紹介しています:「【臨床発達心理士が厳選】感覚統合に関するおすすめ本:初級~中級者向け」。
心の理論の理解に関するお勧め書籍紹介はこちらで紹介しています:「【臨床発達心理士が厳選】心の理論に関するおすすめ本:初級~中級者向け」。
実行機能の理解に関するお勧め書籍紹介はこちらで紹介しています:「【臨床発達心理士が厳選】実行機能に関するおすすめ本:初級~中級者向け」。

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