療育(発達支援)の成果は継続することで見えてくる

成果

著者は療育(発達支援)現場で長年、発達に躓きある子どもたちを支援しています。

通所してくる子どもたちは非常に個性的だと感じます。療育を通して子どもたちの成長を実感できることはこの職種ならではの喜びだと感じます。

 

それでは、療育(発達支援)を通して、子どもたちが成長・発達していく過程、つまり、療育の成果にはどのような視点を持つ必要があるのでしょうか?

 

そこで、今回は、療育(発達支援)の成果には継続が必要だという視点からその内容を具体的にお伝えしていきます。

 

※この記事は、臨床発達心理士として10年以上療育現場に携わり、修士号(教育学・心理学)を有する筆者が執筆しています。

 

 

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療育(発達支援)の成果は継続することで見えてくる

成果を実感する上で継続が必要だと考える理由は以下の3点です。

子どもたちの成長には時間がかかる

発達の躓きを理解するには時間がかかる

スタッフの成長にも時間がかかる

 


以上の3点について著者の経験から具体的に説明していきます。

 

子どもたちの成長には時間がかかる

子どもたちは日々、様々な経験を通して成長していきます。

例えば、自分の気持ちを言葉にして伝える、仲間関係が発展していく、自転車に乗れるなど運動機能の向上、工作遊びが上手にできる、自分の気持ちをコントロールできる、自分で計画を立てて行動するなど、著者は多くの子どもたちの成長を目にしてきました。

こうした変化は、これまでできなかったことができるようになる一方で、また新たな課題やできないことも出てきます。

例えば、他児に興味がでてくると他児との関わりが増える一方で、気持ちの伝え方がうまくできない、相手の気持ちがわからず一方的に関わってしまうなど課題も出てきます。

成長とはできることが増えていくといったポジティブな側面が強くありますが、発達とはできるようになる面に加えできない面も相互に関連しているという広義の意味があります。

つまり、人の成長はただ単純にできることが増えていくのではなく、成長に伴い、できない面や新たな課題も出てくるということになります。

療育の成果を継続的に捉える必要性は、ポジティブな面とネガティブな面の両方が人の成長には大切だという視点を持つことだと言えます。

そのため、うまくいかない・できないという状態もまた子どもたちの次の成長にとってとても大切です。できる・できないを含めた子どもの現状の状態の成長を理解していくにはとても時間がかかります。

 

発達の躓きを理解するには時間がかかる

療育(発達支援)現場には、ASDやADHD、知的障害などの発達障害の子どもたちが多くいます。また、二次障害が生じている子どもいます。

こうした様々な障害は重複・併存しているケースが多いため、総合的に子どもたちを理解していくには時間がかかります。

その際に、大切な視点として、日々の生活の中での困り感や躓きを丁寧に読み解いていくといった観察と考察が必要です。

著者は、これまで学部や大学院などで、臨床発達心理学・発達障害学など多くの専門的知識を学んできました。知識を獲得していく中で感じたことは、現場での実践を通して考えるということです。

例えば、ASDは、対人・コミュニケーションの困難さやこだわり行動などを特徴としていますが、同じASDの特徴のある子どもたちも非常に違いがあります。そして、その違いは生活環境や成長過程によっても変化していきます。

例えば、ASDの特徴として、時間へのこだわりが強かった子が、他のこだわりへと移行するなど、こだわりそのものは変わらずとも、その内容や質が変わることはあります(こだわり保存の法則)。また、ADHDの多動衝動が少なくなっても、不注意の特徴が残りやすいことがADHDの特徴としてよくあります。

このように、時間をかけて子どもたちの発達特性を見ていくことで、特性の本質や躓きの傾向などが見えてくることが多くあります。

また、子どもたちがどのような環境でこうした躓きが出やすいのかといった日々の生活環境における理解もとても大切です。

発達の躓きを理解するには、個人要因×環境要因×時間軸といった視点の理解が必要です。これを「発達的視点」と呼びます。著者の実感として、発達的視点を理解するには、一人の子どもを継続して見ていく必要があるため、時間がかかると感じています。

 

スタッフの成長にも時間がかかる

成長するのは子どもたちだけではありません。関わる大人・周囲の大人たちもまた同じく成長していきます。

関わるスタッフも、子どもたちのできる・できないに対して日々に向き合いながら、自身の関わりの方を試行錯誤していきます。

著者は、自分の子どもへの関わり方が良いのか自問自答したり、知識を学んだり、他のスタッフにアドバイスを求めるなど様々な視点を取り入れるように心がけています。

様々なライフステージ(未就学・学童・成人など)の子どもと関わること、同じ子どもと長期間関わり続けること、家庭や学校などの情報を収集しながら環境の違いを見ていくこと、専門的知識を学ぶことなど、こうした取り組み全てがスタッフの成長に繋がり、支援の成果に関連していくと考えます。

 


以上、療育(発達支援)の成果には継続が必要だという視点からその内容を具体的にお伝えしてきました。

療育(発達支援)の成果は、人によって感じ方・受け止め方が違う場合もあります。大切なことは、成果を他者と共有する習慣を持つこと、子どもについてもっと知りたいといった探求心を持ち続けることだと思います。

私たちは、人から自分の成長や頑張りを認められてその中で成長していきます(大人と子ども、大人同士の両方において)。つまり、認めてくれる人の存在がとても大切です。

私自身、まだまだ未熟ですが、今後も療育(発達支援)の成果について実践を通して考え続けていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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