愛着関係で大切なこと【愛着対象は親でなくても良い】

愛着関係

愛着とは、養育者と子どもとの間で交わされる情緒的な絆のことを指します。世間一般では、愛着対象は親(父・母)であることが多いかと思います。

それでは、親でなくても愛着対象になるのでしょうか?

結論から言えば、愛着対象は親でなくても大丈夫です。

 

それでは、愛着対象となりえるにはどのような条件が必要なのでしょうか?

 

そこで、今回は、愛着関係で大切なこととして、愛着対象は親でなくても良いという内容について、愛着対象として必要な条件についてお伝えしていきます。

 

※この記事は、臨床発達心理士として10年以上療育現場に携わり、修士号(教育学・心理学)を有する筆者が執筆しています。

 

 

今回参照する資料は「米澤好史(2015)発達障害・愛着障害:現場で正しくこどもを理解し、こどもに合った支援をする:「愛情の器」モデルに基づく愛着修復プログラム.福村出版.」です。

 

 

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愛着関係で大切なこと【愛着対象は親でなくても良い】

愛着機能というと、母親をイメージすることが多いと思います。母親の温かさは子どもにとって大きな安心感となります。

一方で、こうした安心感は全て母親が担う必要があるのでしょうか?他の人が担うことは可能なのでしょうか?

この点について著書を引用しながら見ていきます。

母親機能は、必ずしも母親が担わなくてはいけないものではなく、「誰にでも」担えるものであり、しかし、「誰かが」担わなくてはいけないものなのである。

 

著書の内容から、母親機能は「誰にでも」担えるものであるが、「誰かが」担わなくてはいけないというところが重要です。

繰り返しますが、母親機能のかわりは他の人でも可能ですが、必ず誰かが担う必要があるということです。

 


それでは、母親機能とは一体どのようなものがあるのでしょうか?

以下、著書を引用して見ていきます。

母親機能とは、安全基地機能、安心基地機能、探索基地機能のことである。

 

この場合の母親機能とは、安定した愛着形成上必要となる条件のことを言います。

そして、愛着形成に必要な条件とは、安全基地機能、安心基地機能、探索基地機能の3つの条件が必要ということになります。

安全基地機能とは、生きていく上で子どもの安全が守られていると子ども自身が感じる機能のことを言います。

安心基地機能とは、その人といると安心感がある、ホッとするといった心理的な機能のことを言います。

探索基地機能とは、安全感・安心感を担う人がいることで、探索空間を広げる機能のことを言います。例えば、学校であった出来事を母親に報告するなどが例としてあります。

人は、安心できる避難所(安全と安心を担う人)があるとことで、自分の行動範囲を拡張していくことが可能となります。つまり、戻ってこれる避難所があることが大切ということになります。

基地機能に関して詳しくは以下の記事で紹介しています。

関連記事:「愛着形成には何が必要か?:3つの基地機能から考える

関連記事:「【愛着で大切な3つの基地機能】安心基地→安全基地→探索基地のメカニズム

以上から、3つの母親機能(愛着形成において必要な機能)は、母親でいなくても担うことができます。そして、母親や実親でなくても、この3つの機能を担う「誰かが」必要ということになります。

 


以上、愛着関係で大切なこと【愛着対象は親でなくても良い】について見てきました。

愛着関係を作る上ではもちろん親(父・母)が重要な役割を占めています。しかし、愛着対象は必ずしも実親である必要はありません。

愛着関係で大切なことは、子どもが自分の気持ちをしっかりと受け止めてもらっているという実感です。

こうした気持ちの受け止め・気持ちの理解がしっかりと行われているということは、すなわち、安全基地機能、安心基地機能、探索基地機能といった愛着形成上必要不可欠な機能を担っている重要な「誰かが」いるということになります。

著者も昔は、愛着は母親を中心とした実親が担うことが必要不可欠だと思っていた時期がありました。しかし、家庭状況は一人ひとり異なります。

様々な家庭状況がある中で、何が愛着関係を築く上で大切なのかを今回取り上げた文献では多く記載されています。

私自身、まだまだ未熟ですが、今後も療育(発達支援)の現場から愛着の大切さについて実践を通して感じたことを発信していきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

愛着・愛着障害に関するお勧め関連書籍は以下の記事で紹介しています。

関連記事:「【臨床発達心理士が厳選】愛着障害に関するおすすめ本:初級~中級者向け

関連記事:「【臨床発達心理士が厳選】愛着(アタッチメント)に関するおすすめ本:初級~中級者向け

 

米澤好史(2015)発達障害・愛着障害:現場で正しくこどもを理解し、こどもに合った支援をする:「愛情の器」モデルに基づく愛着修復プログラム.福村出版.

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