〝ワーキングメモリ(working memory)″とは、情報を記憶し、処理する能力のことを言います。脳のメモ帳とも言われています。
私たちは、人が話した内容を一時的に記憶し操作したり、映像などの視覚的な情報を一時的に保持し操作することが可能であり、この時にワーキングメモリを活用しています。
それでは、ワーキングメモリをより深く理解する上でどのような知識が必要になるのでしょうか?
そこで、今回は、ワーキングメモリを理解する上で非常に参考になるおすすめ本6選【中級編】について紹介していきます。
実際にこれから紹介する本を通して著者自身、ワーキングメモリの理解が深まった、支援の役に立った等、有益な知識を得ることができました。
ぜひ、参考にしていただければ幸いです。
1~6の番号はランキングではありません。紹介内容を見て入りやすい本から手に取って頂けるといいかと思います。
1.ワーキングメモリと教育
ワーキングメモリの研究では国内で大変著名な〝湯澤正通さん″と〝湯澤美紀さん″が手掛けた本です。
内容としては、ワーキングメモリの理論の概要、ワーキングメモリと関連性の高い実行機能との関係について、脳との関係、アセスメントについて、教育・支援に関する研究知見などが記載されています。
この本を通して、ワーキングメモリの研究についての外観を掴むことができます。
そのため、ワーキングメモリの研究に興味のある方、実際に支援に活用していきたいが理論的な内容を学びたい方にお勧めです。
2.ワーキングメモリと発達障害[原著第2版]: 教師のための実践ガイド
ワーキングメモリに関する研究で世界的に著名な〝トレイシー・アロウェイ″と〝ロス・アロウェイ″の訳本になります。
内容としては、様々な発達障害(読字障害、算数障害、発達性協調運動症、注意欠如多動症、自閉スペクトラム症、不安症など)とワーキングメモリの特徴とその特徴を踏まえた支援方法が記載されています。
IQよりも学業成績に影響すると言われているワーキングメモリの重要性を理解し、さらに、障害ごとの特徴と支援について示唆を与えてくれる本です
そのため、特別支援教育に関わっている教員をはじめ、教育に携わっている方、そして、発達障害領域に携わっている方にお勧めです。
3.ワーキングメモリと学習指導: 教師のための実践ガイド
ワーキングメモリに関する研究で世界的に著名な〝スーザ―・ギャザコール″と〝トレイシー・アロウェイ″の訳本になります。
内容としては、ワーキングメモリについての概要、子どものワーキングメモリ、ワーキングメモリと学習、ワーキングメモリが小さい子どもたち、ワーキングメモリが小さい子どものための授業での支援、介入を実践する、から構成されています。
内容を見ても分かるように、子どもを対象としたワーキングメモリへの学習と支援に関する本です。
2で紹介した本と同様に、子どもの教育に携わっている方にお勧めです。
4.知的発達の理論と支援: ワーキングメモリと教育支援
〝湯澤正通さん″をはじめ国内の研究者や教員・実践者によって書かれた本です。
内容としては、支援の理論(ワーキングメモリの理論と支援など)、領域別の支援方法(国語・算数・英語などの教科別の支援方法)、ライフステージに応じた具体的な実践、から構成されています。
100ページ程度の短い分量でありながらも、様々な研究知見や豊かな実践例が凝縮されています。
ワーキングメモリの研究について概要や実践例などを学びたい方にお勧めです。
5.ワーキングメモリを生かす効果的な学習支援―学習困難な子どもの指導方法がわかる!
湯澤正通さん″と〝湯澤美紀さん″が手掛けた本です。
タイトルにもある通り、学習困難な子ども(読み・書き・計算・集中力など)の躓きを把握し、子どもに合った効果的な学習方法を提示してくれる本となっています。
様々なケースを対象に、イラストや図を豊富に活用して説明しているため、とても分かりやすい内容となっています。
学習支援について興味のある方、実際の現場で子どもの学習対応で悩まれている方にお勧めです。
6.ワーキングメモリと日常: 人生を切り拓く新しい知性
これまで何度も紹介してきた〝トレイシー・アロウェイ″と〝ロス・アロウェイ″の訳本になります。
これまで紹介してきたワーキングメモリと教育・学習とは異なり、〝日常″がテーマとなっています。
そのため、ワーキングメモリに関する非常に広範囲な知識を得ることができます。
〝日常″といった生活内にワーキングメモリがどのように関わっているのかを理解したい方にお勧めです。