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【非認知能力と認知能力の関係について】どちらの育ちが先なのか?

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ここ最近、〝非認知能力″が注目されるようになってきています。

非認知能力″とは、創造性・興味・関心・意欲・主体性・自制心・自信など、一般的な知能以外の能力を指します。

一方で、認知能力″とは、言語能力や思考力、記憶力など、一般的な知能を指します。

どちらの発達も子どもの育ちにおいて必要不可欠です。

 

それでは、非認知能力と認知能力はお互いどのような関係の中で育っていくと考えられているのでしょうか?

 

そこで、今回は、非認知能力と認知能力の関係について、臨床発達心理士である著者の経験談も交えながら、どちらの育ちが先なのか?について理解を深めていきたいと思います。

 

 

今回参照する資料は「関西発達臨床研究所(編)高橋浩・山田史・天岸愛子・若江ひなた(著)(2024)非認知能力を育てる発達支援の進め方 「きんぎょモデル」を用いた実践の組み立て.学苑社.」です。

 

 

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非認知能力と認知能力の関係:どちらの育ちが先か?

以下、著書を引用しながら見ていきます。

「非認知能力」と「認知能力」の関係で、まず非認知能力が育って、それが認知能力を高めていくという考え方があります。それが逆であるという考え方もあります。

 

実際に子どもたちと実践を続けていると、それは、互いに補い合い、高め合う関係があるということがよく分かります。

 

著書の内容から、〝非認知能力″の育ちが先にあり、その後、〝認知能力″が育っていくといった考え方がある一方で、逆に〝認知能力″が先に育ち、その後、〝非認知能力″が育っていくといった両方の知見があります。

こうした中で、著書の筆者の経験によれば、〝非認知能力″と〝認知能力″とは相互に補い合い、高め合う関係にあると考えられています。

著者もこの考え方に納得できるところがあります(後述します)。

 

子どもの発達には基盤となる感覚・運動の発達があり、感覚・運動が発達していく中で、徐々に認知機能が育っていきます。

また、感覚・運動の発達に続き、感情の発達も対人理解・対人関係を発展させていく上でとても大切です。

こうしたベースの発達の上に、今回見てきた〝認知能力″と〝非認知能力″とが相互に関連し合いながら発達を遂げていくという内容が著書には記載されています。

つまり、発達にはある程度の順序性・方向性がありながらも、様々な要素が相互に関連し合いながら成長していくといった視点が大切だと言えます。

 

 

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著者の経験談

著者は療育現場で発達障害など発達に躓きのある子どもたちとの関わりが多くあります。

その中でも、〝認知能力″と〝非認知能力″とが関連し合いながら育っていると感じる事例は思いのほか多くある印象を受けます。

 

それでは、〝認知能力″と〝非認知能力″が関連して育っていると感じる事例を簡単に紹介致します。

小学校低学年のA君の事例を見ていきます。

A君はゲームが大好きでよく著者とスマブラのゲームの話をしています。

著者が勤める放課後等デイサービスには、スマブラの攻略本があります。

当時のA君は、スマブラの攻略本にはほとんど関心を示さない状態でした。

そんなA君でしたが、ある日、スマブラの攻略本の中にあるキャラクターのパワーゲージに興味を示しました。

パワーゲージとは、攻撃力、スピード、パワーなど様々なキャラクターの各パワーが図になっているものです。

A君はパワーゲージを見て、著者に「これ強い?」などと質問してくることが増えていきました。

このA君の〝これは何?″といった気づきは〝認知″に該当しています。

つまり、〝認知能力″のことです。

この気づきが興味関心の入り口となり、そこから、パワーゲージの意味を著者に質問してくる様子が増えていきました。

つまり、〝この意味は何だろう?″といった気づきを深掘りする意欲が〝非認知能力″だと言えます。

A君は、著者をはじめ、様々な大人にパワーゲージの意味を解説・説明してもらう中で、少しずつ興味関心が深まっていき、さらに深い〝認知(物事を知る働き)″の段階(より深い知識が獲得された状態)へと突入してきました。

例えば、○○のキャラクターは、攻撃力が〇で強い!といった様子です。

A君の事例を通しても、〝認知能力″と〝非認知能力″は、相互に関連付きながら成長・発達していく様子が伺えます。

 

 


以上、【非認知能力と認知能力の関係について】どちらの育ちが先なのか?について見てきました。

これまで見てきたように、非認知能力と認知能力のどちらの機能も大切であり、両者は互いに関連し合いながら成長・発達していくようです。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も療育現場で関わる子どもたちの好奇心を最大限発揮できるような環境作りや関わり方を試行錯誤していきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

関連記事:「【〝認知能力″と〝非認知能力″との関係】〝非認知能力″を鍛えることの重要性について

 

 

関西発達臨床研究所(編)高橋浩・山田史・天岸愛子・若江ひなた(著)(2024)非認知能力を育てる発達支援の進め方 「きんぎょモデル」を用いた実践の組み立て.学苑社.

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