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【カサンドラ症候群の原因としてよく見られるパートナーの特徴】アスペルガー・タイプと回避型愛着スタイルを例に

投稿日:2023年5月15日 更新日:

カサンドラ症候群″とは、簡単に言えば、主にパートナーとの関係において、片方の(あるいは両方の)、共感性の乏しさが原因となって生じる心身の不調のことを指します。

上記のパートナーの特徴の中には、アスペルガー・タイプの人たちや回避型愛着スタイルの人たちが該当する割合が高いと言われています。

 

それでは、アスペルガー・タイプや回避型愛着スタイルにはどのような特徴があるのでしょうか?

 

そこで、今回は、カサンドラ症候群の原因としてよく見られるパートナーの特徴について、アスペルガー・タイプと回避型愛着スタイルを例に考えを深めていきたいと思います。

 

 

今回参照する資料は「岡田尊司(2018)カサンドラ症候群 身近な人がアスペルガーだったら.角川新書.」です。

 

 

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アスペルガー・タイプについて

アスペルガー症候群とは、現在は自閉症スペクトラム障害(ASD)といった統一された診断名に変更されています。

自閉症スペクトラム障害の主な特徴として、対人コミュニケーションの困難さやこだわり行動があります。

対人コミュニケーションの困難さには、他者の心の状態をうまく読みとれないことから生じる〝共感的応答″の乏しさも特徴として見られます。

 

それでは、アスペルガー・タイプに見られる〝共感的応答″の乏しさ以外にはどのような特徴があるのでしょうか?

以下、著書を引用しながら見ていきます。

(1)自分に興味がある話を一方的にする

(2)記憶力がよく、得意領域はめっぽう詳しい

(3)過敏でこだわりが強い

(4)聞き取りが弱く、相手の話が頭に入らない

(5)同じことを繰り返すのを好む

(6)想定外の事態にパニックになりやすい

(7)ルールや正確さにこだわり、白黒思考になりやすい

 

著書の中では、上記の7つの特徴を取り上げています。

著者の身近にもアスペルガー・タイプの人たちはおりますが、上記の特徴はよく見られると感じています。

先に見た〝共感的応答″の乏しさと関連づけて言えば、本人の興味関心が強く得意領域の知識が豊富なため、他者の話をじっくり聞くよりも、自分の興味のあることを一方的に話すことが多いように感じます。

また、対人関係の中で見られる他者の心の状態は常に変化し続けるものであるため、決まったことを好みルール外の臨機応変さが求められることに苦手さがあるアスペルガー・タイプの人からすると、変化する相手の心の状態を把握し、それに対して〝共感的応答″を取ることは非常に難しいことのように思います。

〝共感的応答″の乏しさから見ると、アスペルガー・タイプの人たちの特徴はマイナスに見えますが、興味関心への没頭力やルールや正確さが高い能力は文脈が変わると大きな力になることもあります。

 

 

回避型愛着スタイルについて

以下、著書を引用しながら見ていきます。

アスペルガー・タイプと似たところもあり、カサンドラの原因になりやすいものに、回避型愛着スタイルがある。アスペルガー・タイプが、遺伝要因が強いのに対して、主に養育環境などの環境要因によって生じるもので、アスペルガー・タイプよりも症状的には軽いが、ずっと頻度の高い問題である。

 

愛着スタイルとは、幼少期に重要な養育者との間で形成された愛着関係が後の対人スタイルの鋳型を形成するとの考えもと生まれた概念です。

その中の、回避型愛着スタイルとは、他者と親密な関係を築くことを避ける特徴があります。

つまり、深い情緒的交流、共感的交流を避けるということです。

先に見た、アスペルガー・タイプが生まれもっての特性であるのに対して、回避型愛着スタイルとは、生後の養育環境(環境要因)が原因だとされています。

 

アスペルガー・タイプと回避型愛着スタイルとは、発症の原因は異なるも、〝共感的応答″の乏しさという点においては共通性があります。

カサンドラ症候群の原因となるパートナーの特徴には、パーソナリティ障害、例えば、自己愛性パーソナリティ障害、強迫性パーソナリティ障害、回避性パーソナリティ障害、シゾイドと失調症、妄想性パーソナリティ障害などもあると著書には記載されています。

 

 


以上、【カサンドラ症候群の原因としてよく見られるパートナーの特徴】アスペルガー・タイプと回避型愛着スタイルを例について見てきました。

カサンドラ症候群は著者の身近な人たちにも見られるなど、稀なケースではないと感じています。

そして、時間が経つごとに徐々に悪化していくなど、自然に改善を期待することが難しいものだとも感じています。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後もカサンドラ症候群への理解を深めていけるように、様々な事例からヒントを得るとともに実際身近で起こっているカサンドラ症候群への理解の手助けにしていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

関連記事:「【カサンドラ症候群の原因について】共感的応答の重要性について考える

 

岡田尊司(2018)カサンドラ症候群 身近な人がアスペルガーだったら.角川新書.

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