自閉症、ADHD、学習障害、発達性協調運動障害などのことを発達障害と言います。
自閉症は対人関係やコミュニケーションに困難さを有するもので、ADHDは不注意・多動性・衝動性などを主な特徴としています。
学習障害は「読み」「書き」「計算」など学習の困難さを特徴としており、発達性協調運動障害は、運動の困難さを特徴としています。
私自身、これらの発達障害について実際に当事者の方と接してみてその特徴や困難さを知ることができたと思っています。
今回は、発達障害を知るとはどういうことなのか私のこれまでの経験を踏まえてお伝えしていこうと思います。その中で今回は、学習障害について取り上げてお伝えしていきます。
学習障害とは、「読み」「書き」「計算」などの学習の困難さを特徴としています。
学習障害の中で、「読み」「書き」といった学習に困難がある場合をディスレクシア、あるいは発達性ディスレクシアといいます。いわゆる読み書き障害のことです。
私が最初に発達障害について勉強をはじめたときに、初めて学習障害の定義や概要などを知りました。ですが、今からするとほとんど何もわかっていなかったと言っていいほど理解不足でした。
当時、何かのテレビで読み書き障害の当事者の方が出ているのを見て、その状態像から誰の目から見ても明らかというぐらいのつまずきを勝手に想定していました。
つまり、私の中でほとんど読み・書きができない状態というレベルのものを勝手に想像していました。
その後の学びとある気づきによりこの認識は崩れます。
まずは、他の発達障害と同様に、学習障害も非常に個人差があります。また、「読み」の困難があるケースや「計算」に困難があるケースなど状態像も人により様々です。
ちなみに、「読み」に困難であると「書き」は必然的に難しくなり、その逆のケースは私がこれまで見てきた文献の中にはありません。
私自身、学習障害の方との関わりは少なかったので、事例などを読みながら理解を進めてきました。
また、私が携わってきた職場も学習という領域に直結するところが少なく現場からイメージを膨らませることが難しかったです。
ですが、様々な事例を読みながら、学習障害にも様々なタイプがいることを少しずつ理解しながら、この領域への理解を深めてきました。
そうした中で、私自身、学習障害の該当箇所が多くあることに気づきました!
最初の気づきは、小学校に上がる前の読み書き障害の特徴という箇所で、例えば、「文字に関心がない」という項目でした。
そもそも私は絵には強い関心がありましたが、文字に関心が向いた記憶はまったくなく、小学校に入ってから強制的に身に着けた記憶しかありません。
ですので、周りも文字には興味がそもそもないものだと勝手に思っていました。
さらに、読みの練習をしてから、文の内容を考えるという二重の大変さがありました。まずは、スラスラ読めるようにならないと、意味を考えるレベルには至りません。
書きに関しては、作文など何を書いていたのか全く記憶にありません。漢字学習など苦痛の極みでした。何度書いても覚えているという実感は薄く、覚えても直ぐに忘れていました。
英語学習が始まるとさらに事態はひどい状態になります。ですので、中学校以降は学習そのものの意欲が衰退したのをはっきりと覚えています。
ですが、口頭でのやり取りは比較的できたので、周囲からもなんとなくわかっている人と思われていたと思います。
こうした内容は学習障害、具体的には読み書き障害の特徴と非常に類似しています。
私自身、発達障害領域に10年以上も関わってきたにも関わらず最近まで気づくことはありませんでした。そのことが最大の驚きです!
その要因は、おそらく障害像の多様さへの理解が不足していたことが大きいかと思います。
書籍などで定義として書かれている内容と、現場の当事者の方と関わるのとでは根本的な違いがあると感じます。
もちろん書物からの理解も非常に重要です。理想をいうと書物と現場の両方からの理解が多様な発達への理解に近づける方法だと思っています。
私自身は学習障害の疑いを自分の中で勝手に持っているというだけで、診断を受けたわけではありません。
今でも、読みはだいぶ改善しましたが、書きに関してはタイピングソフトを使わないと非常に稚拙な文章になります(とにかくギャップが激しい!)。
こうした自分の事例も新たな発見として、今はポジティブに考えています。
まだまだ発達の領域はわからないことが多くあります。学習障害などの概念を理解するためには、多くの現場からの身体知と書籍や事例からの知見を統合していくことが重要だと思います。
今後も自分の特性も含め、発達障害への理解を深めていく中で、人について知ることに楽しさと興味をもって取り組んでいきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。