発達理解・発達支援・ブログ

人間の多様な理解と支援を目指して!

子育て 褒め方

【子育てにおいて重要な3種類の〝褒め方″とは?】効果的な〝褒め方“について考える

投稿日:2023年10月20日 更新日:

著者は発達障害など発達に躓きのある子どもたちに療育をしています。

その中で、子どもたちへの関わり方として〝褒め方″が非常に大切な要素となります。

療育も含め、子育てにおいても子どもたちを〝褒める″関わりは良いものとされています。

一方で、どのように〝褒める″のかで子どもたちに与える影響に違いが出てきます。

 

それでは、〝褒め方″には基本的にはどのような種類があると考えられているのでしょうか?

そして、効果的な〝褒め方“とは一体どのような方法なのでしょうか?

 

そこで、今回は、子育てにおいて重要な3種類の〝褒め方″について見ていきながら、効果的な〝褒め方“について理解を深めていきたいと思います。

 

 

今回参照する資料は「島村華子(2020)モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方.ディスカヴァー・トゥエンティワン.」です。

 

 

スポンサーリンク

3種類の〝褒め方″とは何か?

以下、著書を引用しながら見ていきます。

おざなりほめ(perfunctory)

人中心ほめ(person focus)

プロセスほめ(process focus)

 

著者の内容から、〝褒め方“には①おざなりほめ、②人中心ほめ、③プロセスほめ、の3つがあると記載されています。

①おざなりほめとは、〝すごい”〝がんばったね“など具体性に欠いた表面的な褒め方のことを言います。

②人中心ほめとは、〝かっこいい“〝やさしい”〝頭がいい“など、外見や性格、能力といった特徴について褒めることを言います。

こうした〝褒め方“をされて喜ぶケースも少なくないと思います。

一方で、おざなりほめや人中心ほめにはデメリットもあります。

 

それでは、上記の①と②の〝褒め方“には問題点について見ていきます(以下、著書引用)。

1 「ほめられ依存症」になる

2 興味を失う

3 チャレンジ精神が低下する

4 モチベーションが低下する

 

以上の4つの問題点は、子どもの表面上の行動や特徴について褒めることを続けることで起こります。

つまり、何が良いのか具体性に欠けているため、〝褒める(報酬)“を得ることが目的となったり、褒められることに飽きたり、自分の行動の改善策や次に何をすれば良いのかがわらないことから意欲の低下に繋がっていきます。

 

それでは効果的な〝褒め方“とは一体どのような方法なのでしょうか?

 

正解は〝③のプロセスほめ“です。

 

 


それでは、次に、効果的な〝褒め方“→〝プロセスほめ”について見ていきます。

 

効果的な〝褒め方“とは?

〝プロセスほめ“も含め、ここではほめ方の3つのポイントについて見ていきます(以下、著書引用)。

1 成果よりも、プロセス(努力・姿勢・やり方)をほめる

2 もっと具体的にほめる

3 もっと質問する

 

著書の内容から、〝褒め方“で大切なことは、子どもが物事にとり組んできた過程を褒める、そして具体的に褒めることが効果的であると考えられています。

また、取り組んできた中で子どもが感じたこと考えたことについて質問することも重要だと考えらています。

例えば、テスト勉強に向けて計画を立てて取り組んできたA君がいたとします。

A君の結果は高得点であった。

その時、間違った対応は、〝すごい“〝がんばったね”など結果のみを見た対応です。

もちろん、こうした言葉がけは必要ですが、効果的な対応としては、しっかりと計画を立てて取り組んだ過程を褒めることだと言えます。

また、何をどのように頑張ったのかをA君に質問してみることでA君なりの取り組みについて詳しく知ることができます。

そして、褒める要素がさらに見えてきます。

このような関わり方は、過程を褒める、具体的に褒める、質問するなどが含まれているため、非常に効果的な関わり方(褒め方)だと言えます。

子どもは自分のことをよく見てくれている人のことを信頼します。

そのためには、褒め方の3つのポイントをおさえた関わり方が大切であり、日頃から子どもの様子をよく見ておくことが必要不可欠だと言えます。

 

 


以上、【子育てにおいて重要な3種類の〝褒め方″とは?】効果的な〝褒め方“について考えるについて見てきました。

発達障害の有無を問わず、今回見てきた〝褒め方“は大切だと感じます。

人は自分のことをしっかりと見てくれている人、承認してくれる人、自分の話を丁寧に聞いてくれる人のことを信頼するのだと思います。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も療育現場で関わる子どもたちに対して心にしっかりと届くような〝褒め方“を意識した関わり方をしていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

関連記事:「療育で大切な視点-子どもへの「叱り方」について-

関連記事:「【発達障害児への〝褒め方″で大切なこと】療育経験を通して考える

 

 


参考となる書籍の紹介は以下です。

関連記事:「発達障害の子育てに関するおすすめ本6選【初級~中級編】

 

 

島村華子(2020)モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方.ディスカヴァー・トゥエンティワン.

スポンサーリンク

-子育て, 褒め方

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

【子育てで大切な〝アクティブリスニング″とは?】上手に実践するための4つのポイントについて考える

子育てや療育の中で、子どもとより良い関係をつくっていくことは、子どものその後の成長・発達において大切なことです。 より良い関係をつくっていくためには、〝アクティブリスニング(傾聴)″の視点が大切だと考 …

【不登校の子育てで大切なこと】子どもの今の幸せに向き合うことを通して考える

子どもが不登校になると、親としては焦る思いや不安感が高まります。 〝はやく学校に行ってもらいたい″〝このままでは将来は大丈夫であろうか″〝何かはやく手を打たないと″など、様々な思いがこみ上げてきます。 …

発達障害の子育てに関するおすすめ本【初級~中級編】

発達障害のお子さんを持つ保護者の人たちにとって子育ての苦労は想像以上に大変なことがあります。 もちろん、人それぞれ大変さの内容や質は異なります。 苦労を少しでも和らげるためには、発達障害の子の特性や関 …

【不登校の子育てで大切なこと】5つのポイントを通して考える

子どもが不登校になると親はどのように子どもに向き合ったらいいかわからなくなります。 例え、子どもが不登校になったとしても、これまで育ててきた我が子への愛情は変わることがないと思います(そう願います)。 …

【発達障害児の子育てで大切にしたいこと】無条件子育ての原則とは?

発達障害の有無を問わず〝子育て″の中で大切にしたい考え方があります。 中でも〝無条件の接し方″は非常に重要な関わり方です。   関連記事:「【発達障害児の子育てで大切にしたいこと】2種類の接 …