自閉症支援では‟構造化”がよく活用されています。
構造化について詳しくはこちらで紹介しています:関連記事:「【自閉症の構造化とは何か?】必要性・種類・具体例を療育経験からわかりやすく解説」。
構造化による支援では、様々な重要な視点がありますが、非常にシンプルに言えば、安心できる環境作りだと言えます。
本記事は、自閉症支援における構造化の基本について、臨床発達心理士である著者の経験と考察も交えながら、安定させることと“変化を最小限にする”2つの視点から解説していきます。
※この記事は、臨床発達心理士として10年以上療育現場に携わり、修士号(教育学・心理学)を有する筆者が執筆しています。
今回参照する資料は「小嶋悠紀(2022)小嶋悠紀の「特別支援教育・究極の指導システム」①.教育技術研究所.」です。
【自閉症支援における構造化の基本】安定させることと“変化を最小限にする”2つの視点
著書には、自閉症児への教育で大切な以下2つの視点が記載されています。
安定させる
変化・変更を起こさない
それでは、それぞれについて具体的に見ていきます。
安定させる
自閉症児にとってやることが分からない状況は非常に不安感に繋がります。
不安感を解消し安定させるためには、その日のスケジュールは?→時間の構造化、どこでやるのか?→空間の構造化、やる順番は?→手順の構造化、といった〝構造化″の手法を活用することが大切です。
自閉症児は特に、特定のやり方やパターンにはまると力を発揮する傾向があるため、その子にとってわかりやすい環境調整(〝構造化″)を視覚材料なども取り入れながら作っていく必要があります。
著者も療育現場において、時間・空間・手順の〝構造化″を活用するようにしています。
上記の内容が曖昧であり、そして、まだ活動に慣れていない状態(他児との交流が少ない、大人との信頼関係が弱い、やりたい活動が定まっていないなど)であると不安感が高まる様子が多く見られます。
そのため、活動前に関わる子どもと予定を組むよう心がけています。
変化・変更を起こさない
急な予定の変更などでパニックを起こす自閉症児は多くいます。
いつもと、同じが大切です。
例えば、○○さんといった人が同じ、○○という流れで活動を進めるといったスケジュールが同じ、○○の場所で活動するといった場所が同じなどです。
そのため、ここでのポイントは変化・変更を起こさないです。つまり、〝変化を最小限にする”工夫が大切だと言えます。
一方で、どうしてもやむ終えず予定の変更が必要になってしまうこともあります。
そのような場合には、次の対応方法が有効です(以下、著書引用)。
①できるだけ事前に知らせる(できれば、一日前。最悪、その日の朝には知らせる)。
②変更点を紙に書くなどして「見せる」。
③変更に耐えられるかどうか、予告し了承してもらう。
④耐えられたときに、しっかりと褒める。
以上の①~④の視点は、〝変化を最小限にする”工夫だとも言えます。
著者の療育現場でも、できるだけ変化・変更を起こさない対応を心がけています。
大人側から見て〝このくらいの変更は大丈夫だろう″と軽い気持ちで対応を続けると子どもの状態が徐々に悪くなってしまうことがあります。
もちろん、大人との信頼も崩れてしまいます。
そのため、自閉症児の特性を理解した関わりとは、〝変化・変更を起こさない″や‟変化を最小限にする”といった配慮を行う対応でもあります。
もちろん、成長に伴い、柔軟性が増したり、こだわりの内容が変化していくこともよく見られます。
変化していく部分がありながらも、その都度、本人の情緒が安定するような関わり方(環境調整)の継続を怠らないことが前提として大切だと感じています。
また、引用にあったように、変更はできるだけ早めに伝えることは著者も心がけています。
前日の時点で分かっている変更点は前日に行うことで、当日の子どもの動きがスムーズになることはよくあります。
以上、【自閉症児への構造化で大切な2つの視点】安定させる・変化(変更)を起こさないについて見てきました。
自閉症児は環境の変化や急な変更を苦手としています。
周囲で関わる人たちがこうした特性を理解し配慮していくことで、子どもたちが日々を安心して楽しく過ごせるようになるのだと感じます。
私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も構造化への学びを深めていきながら、より良い発達理解と発達支援ができるように日々の取り組みを見直していきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
他にも構造化の支援において‟合意”を学ぶことが重要だと考えられています。この点についてはこちらで紹介しています:関連記事:「【構造化だけでは不十分?】自閉症支援における“合意”の重要性を考える」。
小嶋悠紀(2022)小嶋悠紀の「特別支援教育・究極の指導システム」①.教育技術研究所.


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