自閉症(自閉症スペクトラム障害:ASD)とは、対人コミュニケーションの困難さとこだわり行動を主な特徴とする発達障害です。
自閉症スペクトラム障害の〝スペクトラム″とは、連続体のことですので、自閉症の特徴が強い方から弱い方まで状態像は多様です。
それでは、自閉症を理解するためにはどのような知識が必要なのでしょうか?
そこで、今回は、自閉症児・者と関わりが豊富な臨床発達心理士である著者が勧める自閉症を理解するために有益なおすすめ書籍6選【初級~中級編】を紹介していきます。
実際にこれから紹介する本を通して著者自身、自閉症への理解が深まった、支援の役に立った等、有益な知識を得ることができました。
ぜひ、参考にしていただければ幸いです。
1~6の番号はランキングではありません。紹介内容を見て入りやすい本から手に取って頂けるといいかと思います。
1.自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体
自閉症を理解するためには〝まずはこの本!″と言っても過言ではないほどお勧めです。
タイトルにある通り10人に1人が抱える自閉症スペクトラムとは、割合から見ても非常に身近な存在であることがわかります。
この本では、自閉症の特徴(対人コミュニケーションやこだわり)を筆頭に、併存しやいす症状や二次障害についてもわかりやすく記載されています。
また、境界線が引きづらい自閉スペクトラムと自閉症スペクトラム障害(障害の有無)についての説明も豊富にあります。
さらに、子どもから思春期以降までのライフステージに応じた支援内容も記載されています。
自閉症を理解したい方にとってはまさに必読書といっても良い本だと思います。
2.自閉スペクトラム症の理解と支援
同じく1で紹介した著者〝本田秀夫さん″の書籍です。
内容としては、「1.自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体」の内容に類似している点が多くありながらも、さらに情報がアップデートされているものも多くあります。
自閉症を深く理解したい!ライフステージに応じた特徴や支援の在り方、そして、二次障害の理解を深めたい!という方は、1と併せて読んで頂けると理解が非常に深まると思います。
また、DVDも付いており、書籍の内容を本田さんが音声で解説してくれるため、音声による理解の方が得意な方にもお勧めです。
3.自閉スペクトラム症 「発達障害」最新の理解と治療革命
精神科医・医学博士の〝岡田尊司さん″の書籍になります。
この本では、自閉スペクトラム症についての最新の理解にとても役立ちます。
特に、終盤に最新の治療方法が豊富に記載されており、回復したケースの経過についての詳細な説明があります。
また、中盤には発達検査からわかる特徴など、ASDの中にも様々なタイプがあるということが検査結果をもとに説明されています。
〝岡田尊司さん″は愛着障害や精神疾患など様々な事例や治療に携わっているため、非常に広範囲な障害について理解する上で参考になる書籍が多くあるためお勧めです。
4.自閉症スペクトラムとは何か ひとの「関わり」の謎に挑む
人との関わり方が独特である自閉症スペクトラムについて実験などの手法によりその行動特徴の背景を説明している点が豊富に記載されています。
例えば、対人コミュニケーションの困難さの背景要因とは?こだわり行動の背景要因とは?など、行動の背景にある要因を様々な角度から説明してくれています。
まさに、〝なぜ、自閉症の方は○○の行動をするのか?″といった問いに応えてくれています。
自閉症の行動や症状だけでなく、その背景を理解したい方にはぜひ読んで頂きたいお勧めの書籍です。
5.自閉症のある子どもへの言語・コミュニケーションの指導と支援
自閉症児の言語・コミュニケーションに関する本です。
著者の〝藤野博さん″は、自閉症研究、中でも社会性・コミュニケーションに関する専門家です。
一方で、この本では、専門用語もわかりやすく解説されており、非常に読みやすいといった利点があります。
また、自閉症児のコミュニケーション支援に関する内容が豊富に載っているため、自閉症児の〝社会性″〝コミュニケーション″について理解したい!支援したい!と思っている方には特にお勧めです。
6.事例でわかる思春期・おとなの自閉スペクトラム症 当事者・家族の自己理解ガイド
子ども時代を過ぎた思春期・おとなになってから遅れて自分が自閉スペクトラム症だとわかるケースが最近増加しています。
この本では、大人になってから初めて自分が自閉スペクトラム症だと気づいた方に対して、どのようなサポートが必要なのかを解説した本になっています。
中学、高校、大学、それ以降と年齢別による事例が豊富に記載されています。
おとなの自閉症について理解を深めたい方、どのようなサポートが必要なのかを知りたい方にはお勧めです。
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