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【モンテッソーリから見た学びのスパイラルが育むもの】〝心の傷が癒される不思議″について考える

投稿日:2023年1月27日 更新日:

モンテッソーリ教育の中には〝学びのスパイラル“といった〝学びの道筋″があると考えられています。

 

関連記事:「【モンテッソーリから見た〝学びの道筋″】療育経験を通して考える

 

子供は何かを学習するときに興味・関心をきっかけとした世界(対象)を探求し、自分の中に探求したもの・体験したものを取り込んでいきます。

こうした〝学びのスパイラル(学びの道筋)″は、他の能力の育ちにも影響してくると考えられています。

 

それでは、学びのスパイラルが育むものにはどのようなものがあるのでしょうか?

 

そこで、今回は、モンテッソーリから見た学びのスパイラルが育むものとして、臨床発達心理士である著者の療育経験も交えながら、〝心の傷が癒される不思議″ついて考えを深めていきたいと思います。

 

 

今回参照する資料は「佐々木信一郎(2006)子供の潜在能力を101%引き出すモンテッソーリ教育.講談社+α新書.」です。

 

 

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モンテッソーリから見た〝心の傷が癒される不思議″について

教育に関わる現場には様々な子供たちがいます。

中には、乱暴で攻撃的、落ち着きのない子もいます。

 

著書の中では、こうしたある種、心が不安定であったり、心に傷を持った子供たちについて以下の記載があります(以下、著書引用)。

子供たちが、この「学びのスパイラル」を回って得られるもっとも重要なことは、心の傷が癒されることです。本当に不思議なことですが、これが事実なのです。

 

著書では、〝学びのスパイラル(学びの道筋)″を回ることで得られるものは、主体性や意欲、集中力、満足感などだけではなく、〝心の傷が癒される″ことが最も重要であるとしています。

子供たちは、興味・関心をきっかけとした活動を通して、心の傷といった心理的不安定さを回復することができるということです。

 

 


上記の内容について、著者も療育現場での経験を通して、納得できることが多くあったように思います。

それでは、次に〝心の傷が癒される″と感じた著者の療育経験について見ていきます。

 

著者の経験談

著者は放課後等デイサービスで小学生を対象に療育をしています。

療育の現場には、発達に躓きのある様々な子供たちが通所してきます。

その中には、心理的不安定さを抱えてる子供たちもいます。

例えば、大人への不信感を持っている子、感情の起伏が激しい子、大人や他児に暴言や攻撃的な行動を見せる子などがいます。

著者はこうした子どもたちの背景要因を考えながら、その日活動で楽しめる工夫をするようにしています。

そのためには、子供たちが何に興味・関心があるのかを把握しておくことが必要です。

子供たちは、自分の興味・関心を通した活動(物・人・場所)が整うと、次第にのめり込む姿を見せていきます。

こうした集中現象に入り込むと、通所して直ぐ見られていた心理的不安定さが少なくなっていきます。

そして、完全に集中モードとなり、例えば、作成していた作品(工作など)ができると、喜んでできたものを見せてきます。

その様子は通所してきてすぐの荒れていた状態とは全く違う喜びや達成感といった生き生きした姿に見えます。

言い方を変えると、活動を通して、〝心のエネルギーが充電された″とも言えます。

こうした活動を通して、〝心の傷が癒される″という経験を著者はこれまで多く見てきたことから、モンテッソーリの〝心の傷が癒される不思議″は確かに存在するという実感があります。

 

 


以上、【モンテッソーリから見た学びのスパイラルが育むもの】〝心の傷が癒される不思議″について考えるについて見てきました。

心理的不安定さのある子供たちの対応・関わりはどのスタッフでも困ることが多いと思います。

一方で、その子の好きを見つけ、興味・関心に集中して取り組める環境を整えていくことで、〝心の傷が癒される″といった活動を通してのアプローチは可能だと実感しています。

そのためには、子供と一緒になって何かに没頭したという共に〝学ぶ(遊ぶ)″という関わり、あるいは、子供が集中して取り組んでいる様子を〝温かく見守る″という関わりが大切なのだと思います。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も子どもたちが日々を楽しく過ごせる活動の工夫をしていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

佐々木信一郎(2006)子供の潜在能力を101%引き出すモンテッソーリ教育.講談社+α新書.

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