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感覚統合で大切な「ラテラリティ」とは【「ラテラリティ」の意味・発達時期・発達要因について考える】

投稿日:2022年11月23日 更新日:

人には右利き・左利きなど左右差があります。

このように右と左で異なる運動の役割が明確化し、そして、左右の脳が発達することを「ラテラリティ」が発達したと言います。

感覚統合の領域ではよく使用される用語です。

 

それでは、ラテラリティとは何か?ラテラリティはいつ頃発達するのか?その発達にはどのような要因があるのでしょうか?

 

そこで、今回は、感覚統合で大切な「ラテラリティ」について、用語の意味、発達時期、発達要因についてお伝えしていきます。

 

 

今回参照する資料は「木村順(2006)子育てと健康シリーズ㉕:育てにくい子にはわけがある:感覚統合が教えてくれたもの.大月書店.」です。

 

 

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感覚統合で大切な「ラテラリティ」とは?

以下、著書を引用しながら見ていきます。

専門的には「分離-協応動作」といいますが、左右の脳が各々の役割を担えるようになった状態を、「ラテラリティ」が発達したといいます。

 

著書の内容から、「ラテラリティ」とは、右利き・左利きといった分離-協応動作が機能するようになること、脳の視点からは右脳と左脳といった役割が明確化した状態だと言えます。

よく右脳は言語が優位であり、左脳は非言語が優位など、右脳・左脳で役割が違うということは昔から言われています。

このように、「ラテラリティ」が発達するためには、利き手(利き足)がしっかりと定まっていることが大切です。

逆に言うと、使用されていない手の働きもまた大切だということです。

例えば、右手でペンを持ち文字を書く際に、左手は紙を抑えるために使います。

このように、利き手以外の手も何らかの形で利き手を活かすために使用されていることが「ラテラリティ」の発達には重要だと考えられています。

 

 

「ラテラリティ」の発達時期はいつ頃か?

それでは、利き手が定まる時期(→「ラテラリティ」が発達する時期)とはいつ頃なのでしょうか?

 

以下、著書を引用します。

一歳をすぎるころから、何となく「右利き」なり「左利き」の傾向が見えはじめ、三~四歳ごろにははっきりとしてきます。そして、七~八歳で、ほぼ大人のレベルに近いラテラリティが発達するといわれています。

 

著書の内容から、1歳頃から左右の利き手の傾向が見られ、3~4歳頃に顕著になり、7~8歳で大人と同程度の「ラテラリティ」が発達するとの記載があります。

幼児は、運動発達に伴い、手を伸ばしてものを掴もうとしたり(リーチング)、掴んだものを口に持っていくなど、感覚と運動を通して外界を認識していきます。

つまり、この頃から、利き手の傾向が見られるということになります。

そして、小学校低学年から中学年にかけて、ほぼ発達するいったことから、「ラテラリティ」の発達は非常に早い段階で完成するということになります。

 

 

「ラテラリティ」の発達要因は何か?

それでは、「ラテラリティ」が発達するためには、どのような発達要因があるのでしょうか?

 

以下、著書を引用しながら見ていきます。

つまり、「平衡感覚」の回路をしっかりと育てていくことを通して「正中線」が発達していき、「正中線」を基準にして「ラテラリティ」が発達していくとお考えいただいてまちがいありません。

 

つまり、著書の内容から、「平衡感覚」の発達→「正中線」の発達→「ラテラリティ」の発達という順番があることから、「平衡感覚」と「正中線」の発達が「ラテラリティ」の発達要因として非常に重要だということがわかります。

「平衡感覚」とは、バランス感覚のことです。

つまり、バランス感覚を鍛えていくことで、体の軸の中心を意識する力→「正中線」が発達するということになります。

このように、「ラテラリティ」の発達過程を紐解いていくと、姿勢・運動・バランス感覚など、全身運動の協調性が「ラテラリティ」の発達には大切だということがわかります。

そのため、「ラテラリティ」が仮に未熟だとすると、全身運動やバランス感覚などを鍛えていくことが一つ大切な支援の方法になると考えられています。

もちろん、個人差もありますので、運動発達のどの過程・どの部分に困難さがあるのかを個別に理解していくこともまた大切です。

 

関連記事:「感覚統合で大切な前庭感覚(平衡感覚)について【療育経験を通して考える】

 

 


以上、感覚統合で大切な「ラテラリティ」とは【「ラテラリティ」の意味・発達時期・発達要因について考える】について見てきました。

「ラテラリティ」といった用語を深掘りしていくと、全身運動から微細運動といった発達過程が見えてくるように思います。

このように「ラテラリティ」の発達から、人間は運動機能は、ある部分と他の部分とが繋がりを持ちながら発達していくということを考えさせられます。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も人間の発達について様々な繋がり(関連性)を見る力を養っていきながら、療育現場にその知見を活かしていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

木村順(2006)子育てと健康シリーズ㉕:育てにくい子にはわけがある:感覚統合が教えてくれたもの.大月書店.

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