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【非認知能力の育て方について】遊びの持つ重要性を通して考える

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ここ最近、〝非認知能力″が注目されるようになってきています。

非認知能力″とは、創造性・興味・関心・意欲・主体性・自制心・自信など、一般的な知能以外の能力を指します。

 

それでは、子どもの発達において必要不可欠な非認知能力は、どのようにして育てることができるのでしょうか?

 

そこで、今回は、非認知能力の育て方について、臨床発達心理士である著者の経験談も交えながら、遊びの持つ重要性を通して理解を深めていきたいと思います。

 

 

今回参照する資料は「関西発達臨床研究所(編)高橋浩・山田史・天岸愛子・若江ひなた(著)(2024)非認知能力を育てる発達支援の進め方 「きんぎょモデル」を用いた実践の組み立て.学苑社.」です。

 

 

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非認知能力の育て方:遊びの持つ重要性を例に

以下、著書を引用しながら見ていきます。

「非認知能力」がどのように育つのかについての研究も進み、その多くが遊びの重要性を指摘しています。まさに「子どもは遊びで育つ」という言葉の通りです。

 

遊びの中でも特に重要とされているのが、子どもたちが「自発的主体的に行う遊び」です。簡単に言えば、「やりたいことを思いっきりやる中で非認知能力は育っていく」ということです。

 

著書の内容から、〝非認知能力″を育てる上で〝遊び″がとても重要だということが分かってきています。

なぜ、〝遊び″が〝非認知能力″を育てるのかというと、遊びが持つ〝主体性″がカギとなっています。

遊びとは、目的的な行動もある一方、遊びといった行為そのものが重要な意味を持っている場合もあります。

例えば、ある完成品を目的(目指して)として工作遊びをする場合もあれば、鬼ごっこやかくれんぼに見られるような、単純に追いかける・隠れるなどの行為そのものを楽しむ場合もあります。

目的を持って取り組む遊びも大切ですが、行為そのものを楽しむことができるのも遊びが持つ重要な性質だと言えます(→つまり、〝主体性″がカギとなっている!)。

そして、様々な遊びを通して、子どもの中に眠っている内発性(興味関心好奇心)が高まり、次の活動へと動機付けられ、その結果として、主体性が徐々に高まっていくのだと言えます。

さらに、主体的に行動していく中で、子どもの中には、何かを達成できたという自信の獲得や、何か新しい遊びを考えようとする創造性の力や失敗したりうまくいかない場合でも自己をコントロールして再度挑戦しようといった自制心の力などが育まれていきます。

このように、自ら能動的・主体的に取り組む遊びを通して、子どもたちは様々な非認知能力を高めていくことができます。

 

 

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著者の経験談

著者はこれまで多くの子どもたちと療育現場を通して関わる機会がありました。

その中で、遊びを通して非認知能力が高まっていったと強く感じたケースを紹介します。

小学校低学年のA君です。

A君は、様々なことに興味関心が強い子どもです。

例えば、ブロック遊びにしてもプラレールにしても、一度、ハマり出すと何度も繰り返して遊ぶ様子があります。

最初はブロック遊びの際に、自分が理想とするタワー(高くブロックを積む)ができなくて、泣き出す様子も多くありました。

しかし、何度も自分の力でタワーを完成させようと、試行錯誤していく中で、最終的には、自分の力で理想のタワーを完成させることができるようになりました。

こうした遊びの過程の中で、A君は、○○のようなタワーを完成させたい!といった創造性を発揮して、失敗しても自己をコントロールして諦めずに挑戦する機会が増えていき(自制心の高まり)、結果、できるようになることで自信がつくなど、様々な非認知能力の力が身に付いていたのだと事後的にではありますが感じることができました。

その他にも、最初は砂遊びで黙々と穴を掘ったり、砂の道を作り続けていた状態が、トンネルを作ろう!水路を作ろう!などと目的を構想して砂遊びをするようになっていきました。

こうしたA君の行動の変化は、A君が持っている内発性(興味関心・好奇心)が主体的な遊びといった活動によって徐々に高まっていくことで身に付いていった能力(様々な非認知能力)だと言えます。

 

 


以上、【非認知能力の育て方について】遊びの持つ重要性を通して考えるについて見てきました。

子どもたちは様々な遊びを通して主体的に活動する中で、様々な非認知能力の力を発達させていきます。

私たち大人は、子どものやりたい思いをくみ取り、夢中になって取り組んでいる行動を遮らないこと、あるいは、一緒になって楽しむ姿勢が大切なのだと思います。

非認知能力は直ぐには育たず時間をかけてゆっくり成長していくものであり、その能力はその後の人生をより豊かにする基盤となる力だと言えます。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も療育現場で大変重視されている遊びを通して、子どもたちの非認知能力の育ちに貢献していきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

関連記事:「【遊び心は〝学び″や〝創造性″を高めるのか?】遊び心を妨げることによる障害の視点から考える

関連記事:「【遊び心は〝問題解決力″を高めるのか?】遊び心を促進することによる利点から考える

 

 

関西発達臨床研究所(編)高橋浩・山田史・天岸愛子・若江ひなた(著)(2024)非認知能力を育てる発達支援の進め方 「きんぎょモデル」を用いた実践の組み立て.学苑社.

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