療育現場には様々な子どもたちがおり、その中で展開される遊びもまた様々です。
発達につまずきのある子どもたちへ遊びを行うときには、個々の発達が非常に多様であるため、遊び方、教材教具などの工夫がとても重要です。
以前、私は療育施設に勤務しており、子どもたちに合わせた遊びを日々の現場の中で試行錯誤していました。遊びの中には、定番と言われる昔から伝わり続けているものもあります。
そこで、今回は私がいた療育施設では必ずといってもいいほど行っていた「風船遊び」を例にとり、どのような遊びを行っていたのかをお伝えしていこうと思います。
「風船遊び」は、子どもたちと関わる場所ではよく目にする遊びかと思います。保育関係の本などでも遊び方など色々と記載があるかと思います。
「風船遊び」の中でも最も手軽にできるものに、①「風船プール」があります。
「風船プール」とは、ビニールプールなどに膨らませた風船をたくさん入れ、全身で風船の感触や、色々な色の風船を見て楽しむものになります。
色合い的にも綺麗ですし、「風船プール」に入りながら、風船を飛ばして遊ぶ子どもたちもおり、みんなで楽しめる遊びでした。
②「風船花火」
「風船花火」とは、膨らませる前の風船の中に、カラーテープを細かく切ったものを入れ(この作業は意外と大変です!)、膨らませます。そして、風船の先に紐((タフロープなど)を付けます。室内の天井付近に針のついたリングを設置します。そこに風船がついた紐を引っかけて引っ張ると針に風船が刺さりわれます!花火のように風船の中の紙が飛び散ることから「風船花火」と言われています(私のいた療育施設では)。
子どもたちの中には、引っ張る風船をしっかりと見ながら両手で紐を引っ張ることができる子や、保育者と一緒に引っ張る子など、引っ張り方やわれたときの反応なども一人ひとり違います。
また、注意点として、風船がわれる音を怖がるお子さんもいるので、私は事前に音への反応などを日頃よく観察するようにしていました。
③「風船の感触遊び」
この遊びもシンプルで、風船と砂、じょうごなどがあればできます。風船の中にじょうごなどで砂を入れて触ると不思議な感触がします。
子どもたちの中には、触り始めると非常に興味深くじっくりと触り続けている子もいました。大人でもその感触を楽しむことができるものだと思います。
④「風船バレー」
これは名前の通り、風船を使ったバレーになります。
私がいた療育施設では、バレーとなると少し難易度が高かったので、子どもたちと大人が円になるように立ち、その中で、みんなの力を合わせて風船が落ちないように、連係プレーで遊びました。
継続してやることで、風船を落ちないように飛ばすというルールがわかるようになった子もおり、クラスで盛り上がる遊びの一つでした。
⑤「天井から風船を落とす」
これは名前の通りで、あらかじめ新聞紙などを複数はり巨大な新聞紙を作り、新聞紙の数か所に紐をつけておきます。それを天井に固定します。そして、天井と新聞紙の間に風船をたくさん入れます。ロープを引っ張ることでたくさんの風船が落ちてきます。
準備が少し大変ですが、何かのイベントの時などで「風船遊び」をやった際に、その導入としてやったことが何度がありました。
天井から風船がたくさん落ちてくる様子は、室内の子どもたちが大喜びで見たり、じっと見たりなど、これもまた一瞬ですが、子どもたちの様々な表情が見られました。
以上が「風船遊び」のいくつかの例になります。
これ以外にも、遊びの材料などに風船を活用することもよくありました。また、風船と空気があれば、子どもたちの目の前で膨らませて飛ばすというシンプルなものでも喜ぶ子どもたちはたくさんいました。
また、夏場であれば「水風船遊び」はよくやりました。園庭や中庭などに大量の水風船をもっていき、みんなでわって楽しみました。特に、大人が空や壁に向けて勢いよく投げてわれると子どもたちは大喜びでした!
遊び以外でもクラスの装飾などで風船はよく使いました。クラスや廊下などに新しい装飾として風船を使ったものがあると、子どもたちは興味深そうな表情で見ていました。
遊びに使う素材は重要です。風船は低コストでたくさんの量が買えるので、非常に様々な場面で重宝します。
今後も遊びに使う素材の活かし方などについても色々と試行錯誤をしていきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。