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発達支援(遊び編):「マット遊び」

投稿日:2020年7月6日 更新日:

私がかつて勤めていた療育施設では、「遊び」によって子どもたちの発達や主体性を促すような支援を心がけていました。

子どもたちは興味のある遊びを大人側が設定すると、よく見る、よく触る、よく体を動かすなどの行動が見られます。

今回は様々ある遊びの中で、体を使った遊びを取り上げ、その中でも療育施設で私がたくさん行っていた「マット遊び」を例に取り、遊びのバリエーションについてお伝えしていこうと思います。

「マット遊び」といっても様々なマットのサイズがあります。私がいた療育施設では一つだけ巨大なマットがありました。職員たちはそのマットを”緑マット”と呼んでいました(色が緑という理由)。体育などでよく見るマットより、サイズは大きく、厚みがあるのが特徴です。

マットというと安全管理などに使用することが多いかと思います。体操をする時に下に敷いたり、トランポリンをする時に安全のために下に敷いたりするが一般的かと思います。

それでは以下に、「マット遊び」のバリエーションについて見ていきたいと思います。

①斜面遊び!

斜面遊びとは、マットを斜めにして(下に台やテーブルなどを置く)、登り降りする遊びです。準備があまり必要なく、シンプルですが意外と子どもたちが飽きない遊びでした。足腰や体全身の鍛錬にもなります。

ただ、壁などに固定しない場合など、両サイドを大人が手で支えるため、人手がとられるというのがデメリットとしてあります。

マットで斜面を作ると子どもたちはすぐに登ろうとします。登る・降りるというシンプルさが子どもたちにとってはわかりやすいのだと思います。そして、子どもたちの能力に応じて、斜面を急にしたり緩くしたりと傾斜の角度をつけていきます。

子どもたちの中には、両手足を使ってゆっくり登る子や、助走をつけて勢いよく一気に登る子まで登り方は様々です。降りるときも滑り台を滑る感じで降りれるためとても楽しいです。

子どもたちがギリギリのところまで登った後は、大人が手伝って頂上までサポートします。頂上に座るのが好きなお子さんたちも多く、他児と一緒に楽しく座るなどしてくつろぐ様子も見られました。

②マット倒し!

マット倒しとは、マットを垂直に立てて、それに向かって子どもたちが走って押して倒すという遊びです。これも非常にシンプルですが、繰り返して遊べるものでした。

これも斜面遊びと同じで、マットの両サイドを大人が一人ないしは二人で支えるため、人手がとられるのがデメリットです。

子どもたちから見ると、マットは非常に巨大なため、向かっていくためには勇気がいります。助走をつけて走って倒すとなるとさらに勇気がいります。

私が担当したクラスでは人気の遊びで、運動会の徒競走の練習によく使いました。ゴールが壁というわかりやすい目標があり、勢いよく走っていかないと倒れないという設定にしました。

また、他児と一緒に走って倒すという設定にするとさらに盛り上がりました。みんなで力を合わせて倒したという達成感が得られます!他児への意識も強くなります。時には、手を繋いで走る設定にしても喜んでやるお子さんたちも多くいました。

③ジャンプごっこ!

ジャンプごっこはその名の通りで、少し高めの台からジャンプする遊びです。通常の体操マットだと薄く硬いのに対して、“緑マット”は大きく厚みもあるため、着地の楽しさが得られます。

ジャンプ遊びも意外と奥が深く、高さの設定次第で子どもたちに慎重さが出てきます。また、ジャンプができなかったお子さんが着地場所のマットが巨大だったことで、少しずつ跳べるようになったケースもありました。

跳ぶという動作一つとっても環境設定によって変わってくるものだと実感しました。

また、大人が子どもを持ち上げ、マットに向けて着地させると喜ぶ子どもたちも多くいます。シーツブランコ遊びなどでも、最後にマットに着地するという設定でやるとマットの感触が体の多くの部分から感じることができるため、その楽しさから繰り返し遊ぶお子さんたちもいました。

以上がマット(巨大な)を使ってよくやった遊びになります。

このように「マット遊び」は、子たちの登る・降りる・飛ぶ・走る・倒すなど様々な体の使い方や機能向上に役立つものです。

そして、上記のような遊びの繰り返しによって、子どもたちは自分の体の使い方を認識していくのだと思います。

私が見ていたお子さんたちの中にも「マット遊び」を通して、ジャンプができるようになった!得意になった!上手に登り降りができるようになった!など、運動面での成長が見られました。

今後も体を使った遊びのバリエーションなどを振り返り、そして実践していくことで、より良い発達支援に繋げていきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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