
‟非認知能力”とは、認知能力(知能検査・学力試験で測定される能力)以外の心理的な特徴を意味しています。
その中には、例えば、創造性や好奇心、興味・関心、意欲、自主性、主体性、自制心、自信など様々なものが含まれています。
発達障害領域を含め、子どもの非認知能力を育てることの重要性は非常に高まってきています。
それでは、発達障害領域において、非認知能力への理解と支援の在り方を深めていく上でどのような知識が有益となるのでしょうか?
そこで、今回は、発達障害児・者との関わりを豊富に持つ臨床発達心理士である著者が非認知能力に関するおすすめ本5選【初級~中級編】について紹介していきます。
※この記事は、臨床発達心理士として10年以上療育現場に携わり、修士号(教育学・心理学)を有する筆者が執筆しています。
実際にこれから紹介する本を通して著者自身、非認知能力に関する理解が深まった、支援の役に立った等、有益な知識を得ることができました。
ぜひ、参考にしていただければ幸いです。
1~5の番号はランキングではありません。紹介内容を見て入りやすい本から手に取って頂けるといいかと思います。
1.10代の脳とうまくつきあう ――非認知能力の大事な役割

学力といった頭の良さだけではなく、学力以外の能力、つまり非認知能力もまた人生の幸福に大きく影響すると考えられています。
この本では、非認知能力のうち‟実行機能”や‟自己効力感”などに焦点を当て、10代の不安定な脳について分かりやすく解説されています。
10代という発展途上かつ不安定な時期において、非認知能力が持つ重要な役割を理解する上で多くの学びを得ることができます。
非認知能力について初めて学ぼうとしている人、子育て中の親、子どもと関わる仕事をしている人にお勧めできる本です。
2.子どもの発達格差 将来を左右する要因は何か

再び心理学者の‟森口佑介さん”著の本になります。
この本では、最近話題となっている非認知能力について批判的な目を向けながら、再度、非認知能力とは何か?について再考しています。
その上で、非認知能力に含まれている‟実行機能”や‟向社会的行動”などが後の発達に大きな影響を及ぼす、つまり、‟発達格差”を生じさせる要因になっていると考察しています。
タイトルにある子どもの自制心(実行機能と関連性が高い)や思いやり行動(向社会的行動と関連性が高い)を育む上でどのような関わり方(支援)や環境が大切なのかも合わせて書かれています。
子どもに関わる全ての人に一度は読んで頂きたい本だと言えます。
3.非認知能力の発達: 生涯にわたる変化と影響

非認知能力とは何か?どのような能力構成となっているのか?測定と評価方法、支援の在り方など、非認知能力について全般的に学ぶことができます。
まさに、非認知能力について学術的な背景を通して網羅的に学びたい人に大変お勧めできる本です。
特に、大学・大学院で非認知能力について勉強・研究されている人には必読と言える本だと言えます。
また、教育・子育てに携わっている教員・支援者にとっても非認知能力について学術的な背景を踏まえてしっかり理解していきたい人には非常に参考になる本となってます。
4.非認知能力を育てる発達支援の進め方: 「きんぎょモデル」を用いた実践の組み立て

‟きんぎょモデル”では、子どもの発達を支える基盤にはいくつかの階層があるとし、一番下部には健康維持・感覚と運動、中部構造には心の安定、そして、上部構造には、認知能力・非認知能力があると想定しています。
この本を通して、子どもの発達には様々な要素が影響していること、そして、非認知能力もまたその中の重要な位置を占めていることが理解できます。
後半には、実践報告に関して様々なケースが取り上げられています。
特別支援教育に携わっている教員の方、児童発達支援や放課後等デイサービスに携わっている支援者の方にお勧めできる本だと言えます。
5.私たちは子どもに何ができるのか――非認知能力を育み、格差に挑む

非認知能力は教えて育つものではなく、環境によって育まれるものだと著者の‟ポール・タフさん”は述べています。
環境には、例えば、親や教師の関わり方・声のかけ方なども含まれています。
子どもに関わる大人がより良い環境を整える少しの工夫を積み重ねていくことで、子どもの非認知能力は高まり、それは将来の豊かさに大きく影響していくことを学ばせてくれる本になっています。
子どもの発達に携わっている全ての人に一度は読んで頂きたい本だと言えます。
非認知能力を高める上で核となる愛着に関する書籍紹介及び非認知能力を育てる上で有効なモンテッソーリ教育に関する書籍紹介は以下の記事で紹介しています。
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