
‟実行機能”とは、活動をコントロールする能力と定義されています。
別な表現で言えば、〝やり遂げる力″とも言われています。
発達障害の領域において、ここ最近注目されている能力であり、ASD・ADHD・IDの人たちには、実行機能において苦手さが見られることが示唆されています。
それでは、発達障害領域において、実行機能への理解と支援の在り方を深めていく上でどのような知識が有益となるのでしょうか?
そこで、今回は、発達障害児・者との関わりを豊富に持つ臨床発達心理士である著者が実行機能に関するおすすめ本5選【初級~中級編】について紹介していきます。
※この記事は、臨床発達心理士として10年以上療育現場に携わり、修士号(教育学・心理学)を有する筆者が執筆しています。
実際にこれから紹介する本を通して著者自身、実行機能に関する理解が深まった、支援の役に立った等、有益な知識を得ることができました。
ぜひ、参考にしていただければ幸いです。
1~5の番号はランキングではありません。紹介内容を見て入りやすい本から手に取って頂けるといいかと思います。
1.自分をコントロールする力 非認知スキルの心理学

この本の著者である心理学者の‟森口佑介さん”は、自己コントロール力(実行機能)に関する専門家です。
この本を通して、非認知能力の中で重要な能力の一つである実行機能について、実行機能の仕組み、実行機能の発達、実行機能の育て方・鍛え方など、実行機能についての概要をおさえることができます。
新書であるため、初心者からある程度実行機能について学ばれている人まで幅広くお勧めできる内容となっています。
実行機能とは何か?といった概要について、分かりやすくかつ専門的な知識の理解を得たい人にお勧めです。
2.自己制御の発達と支援 (シリーズ支援のための発達心理学)

大学の先生方により執筆された本です。
この本では、自己制御の主要な概念として実行機能についても多く取り上げられています。
そのため、タイトルには自己制御とありますが、実行機能を学ぶ上でも大変参考になる本です。
そして、発達障害への自己制御(実行機能)の支援や様々なライフステージの自己制御(実行機能)の発達についても多くのことを学ぶことができます。
アカデミックな内容が中心なため、自己制御(実行機能)に関する研究について理解を深めたい大学生・大学院生をはじめ、研究に興味のある人にお勧めできる本です。
もちろん、現場で実行機能に苦手さを抱えている人への支援に携わっている人にもぜひ読んで頂きたい本となっています。
3.家庭で育てる 発達が気になる子の実行機能

発達に躓きのある子どもには、実行機能に弱さが見られることが多くあります。
この本では、実行機能に弱さを持つ子どもに対して、家庭でできる支援方法が分かりやすく解説されています。
合計30ケースに対して、イラスト付きで初学者にとっても読みやすい構成となっています。
実行機能の弱さに対するアプローチのヒントを得たいと考えている保護者をはじめ、教員・療育者の人にもお勧めできる本です。
4.インスタントヘルプ! 10代のための実行機能トレーニング: 準備が苦手、忘れものが多い、考えがまとまらない子どもをヘルプするワーク (10代の心理をサポートするワークブック 1)

実行機能をつかさどる脳の前頭前野は20代半ばから後半にかけてまで発達すると言われています。
この本では、タイトルにあるように10代のための実行機能のトレーニング方法について、ワーク式で31項目用意されています。
実際のワークを通して、実行機能の弱さへの気づきやそれを改善する方法を見つけていくことができます。
自らワークを通して、実行機能の弱さや克服法を知りたい10代以上(ある程度文章能力のある子ども)の人にお勧めできる本です。
5.実行機能力ステップアップワークシート

表紙にあるように、この本は体験型実行機能の力を育む本となっています。
そのため、様々なワークが用意されており、まさに実践しながら自らの実行機能について理解を深めていく本だと言えます。
ワークの対象年齢は、小学校高学年~中高生となっています。
ワークを通して自らの弱点に気づき、どのような克服法があるのかを実践的に学ぶことができます。
実行機能に苦手さを持つ小学校高学年~中高生の人にお勧めできる本です。
実行機能と関連性の高い‟ワーキングメモリ”に関して理解を深めたい人にお勧めする書籍紹介記事は以下です。
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