【ADHD児の多動性をいかに見抜くか!】アセスメントと対応のポイントについて考える

ADHD

ADHDの子どもの特徴の一つに、落ち着きのなさといった〝多動性″があります。

 

一見すると分かりやすい〝多動性″ですが、どのような視点を持ってアセスメントしていけば良いのでしょうか?

また、アセスメントを踏まえて、どのような点に気を付けて対応していけば良いのでしょうか?

 

そこで、今回は、ADHD児の多動性をいかに見抜くかについて、臨床発達心理士である著者の経験と考察も交えながら、アセスメントと対応のポイントについて理解を深めていきたいと思います。

 

※この記事は、臨床発達心理士として10年以上療育現場に携わり、修士号(教育学・心理学)を有する筆者が執筆しています。

 

 

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今回参照する資料は「小嶋悠紀(2025)小嶋悠紀の「特別支援教育・究極の指導システム」③.教育技術研究所.」です。

 

多動性のアセスメントのポイントについて

著書では、多動性について、大きく〝1.大きな多動″と〝2.小さな多動″とに分けています。

それでは、1.2について、著者の経験等も交えて見ていきます。

 

大きな多動

学校の授業中に席を直ぐに立つ、走り回る、教室を飛び出すといった行為は多動性の特徴、つまり、〝大きな多動″として非常に分かりやすいものです。

この際に、こうした多動が、じっとしていることが難しいといった本来の特性上そうなっているのか?あるいは、他の要因(勉強が理解できない、他に気になることがある、苦手な音刺激があるなど)が影響していないか?という視点をもってアセスメントしていくことが重要だと記載されています。

 

著者の療育現場でも多動性が顕著に目立つ子どもがいます。

例えば、いつも落ち着きがない、動き回っている時間が長いといった姿はADHDの特性上良く見られる〝大きな多動″だと感じます。

一方で、時間帯、気分の状態などによって、大きな多動に波が見られる子どもたちもいます。

こうした子どもたちの中には、愛着障害を抱えているケースもあります(以下では関連記事を紹介しています)。

関連記事:「ADHDと愛着障害の違いについて:類似点と鑑別点を通して考える

そのため、生まれ持ってのADHDの特性なのか?あるいは後天的な愛着障害の特性なのか?両方が混在したケースなのか?という視点のアセスメントもまた大きな多動の理解には重要だと感じます。

 

小さな多動

学校の授業中に席に座ってはいるが足を動かしている、椅子を動かしている、手に持っている鉛筆などを常に動かしているといった行為、つまり、〝小さな多動″は大きな多動と比べて分かりにくいと言われています。

そして、〝小さな多動″は、他の要因によって生じているというよりも特性上生じているといった理解が基本だと考えられています。

 

著者の療育現場でも、ゆっくり活動している最中でも、どこか落ち着きがない、手足が常に動いている、何か物に触り動かしている子どもがいます。

こうした姿は〝大きな多動″と比べて分かりにくいこともあるため、まずは、多動性には、〝大きな多動″と〝小さな多動″があるのだという理解が大切だと感じます。

 

 

多動性の対応のポイントについて

著書では〝1.大きな多動への対応″と〝2.小さな多動への対応″とに分けています。

それでは、1.2について、著者の経験等も交えて見ていきます。

 

大きな多動への対応

著書には、大きな多動への対応のポイントとして、〝体を大きく動かすこと″〝動きのタイミングを見極めた声掛け″の重要性を指摘しています。

例えば、プリントを先生まで持ってくる動きを入れたり、立つ動作を入れるなど、体を動かす状況を意図的に取り入れること、また、本人が動きたいというタイミングで指示を出すといった見極めも重要だと記載されています。

大きな多動は小学校低学年での表出が多く、それ以降は、徐々に減っていくケースが多いと言われています。

また、ケースによっては薬物療法も必要になってきます(薬物療法に関する記事は以下で紹介しています)。

関連記事:「【ADHDへの薬物療法について】薬が必要となるケースについて考える

 

著者の療育現場でも特に、小学校低学年時に、子どもの大きな多動が顕著に見られることが多いと感じます。

そのため、よく活動で全身運動を使う活動を盛り込むようにしています。

一度、全力でエネルギーを出すことで、その後は落ち着いて活動することがよくあると感じるからです。

その他、ADHDの多動性以外の要因で多動性が生じているケース、例えば、感覚過敏の問題や集団行動の苦手さが背景となって大きな多動が生じている場合には、それぞれの困り感にそった対応が必要になってくると考えます。

 

小さな多動への対応

以下、著書を引用しながら見ていきます。

小さな多動は、周りへの迷惑をかけていない場合などは「必要な動きだ」と理解する必要がある。

周りに迷惑がかからない範囲で許容することが必要だ。

 

著書の内容から、〝小さな多動″に関しては、周囲が迷惑になっていない場合において、必要な動きであるといった許容する姿勢が大切だと言えます。

一方で、仮に対応が必要な場合には、支援ツール(例:センサリーツール ふみおくん)もあると記載されています。

 

著者の療育現場では、以前小さな多動が目立っていた子どもがいましたが、その子どもにバランスボールを与え、バランスボールに乗りながら活動する時間を多く取り入れたことで、気持ちが安定して活動する様子が増えていきました。

このように、少しの支援アイテムがあると改善できることがあるのだと考えさせられました。

 


以上、【ADHD児の多動性をいかに見抜くか!】アセスメントと対応のポイントについて考えるについて見てきました。

多動性はADHD児の分かりやすい特徴の一つですが、目立つ行動でもあるため、周囲が叱責をし続けることで、本人の自尊心を低下させないような取り組みが必要なります。

私自身、まだまだ未熟ではありますが、今後も療育現場に見られるADHD児への対応のスキルをあげていきたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

ADHD児の多動性の対応について関連記事を以下でも紹介しています。

関連記事:「ADHD児への療育-多動性の対応について-

 

ADHDの理解と支援に関するお勧め書籍を以下で紹介しています。

関連記事:「【臨床発達心理士が厳選】ADHDに関するおすすめ本:初級~中級者向け

 

小嶋悠紀(2025)小嶋悠紀の「特別支援教育・究極の指導システム」③.教育技術研究所.

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