発達障害児・者へのアセスメントには様々なものがあります。
アセスメントとは、査定・評価のことですが、アセスメントを通して、本人の強み・弱みなどの理解に役立てることが大切です。
それでは、発達障害のアセスメントを理解する上でどのような知識が重要となるのでしょうか?
そこで、今回は、発達障害のアセスメントを理解する上で非常に役立つおすすめ本6選【初級編~中級編】について紹介していきます。
実際にこれから紹介する本を通して著者自身、発達障害のアセスメントの理解が深まった、支援の役に立った等、有益な知識を得ることができました。
ぜひ、参考にしていただければ幸いです。
1~6の番号はランキングではありません。紹介内容を見て入りやすい本から手に取って頂けるといいかと思います。
1.これからの発達障害のアセスメント‐支援の一歩となるために
発達障害のアセスメントには様々なものがあります。
本書では、支援に繋げるための〝包括的アセスメント″について、特性のアセスメント、知的水準・認知特徴のアセスメント、適応行動のアセスメント、感覚と運動のアセスメントなど、様々なアセスメントについて短くまとまった一冊となっています。
100ページ程度の分量ですが、発達障害のアセスメントについての全体像を理解したい方にはとても良い本です。
特に特別支援教育に直接的・間接的に関わっている方(関わろうとしている方)にお勧めです。
2.発達障害支援につなげる包括的アセスメント
著者の〝萩原拓さん″は発達障害のアセスメントに関して国内ではとても有名な方です。
1で紹介した本の発達障害の包括的アセスメントについて非常に詳しく記載されています。そのため、1で紹介した本の内容をさらに深堀したい方にお勧めです。
ページ数的には多くはありませんが、専門的な知識がコンパクトにまとまっています。
発達障害児・者の支援に関わっている方(関わろうとしている方)でアセスメントについて深く学びたいと考えている方にお勧めです。
3.発達障害児者支援とアセスメントのガイドライン
400ページ数以上の分量で発達障害児・者のアセスメントが記載されています。
そのため、発達障害児・者に関連するアセスメントについて網羅的に理解することができます。
また、様々なアセスメントについて深く学びたい方にとっても良い本になっています。
大学や大学院などでアセスメントについて勉強・研究されている方、そして、医療・福祉・教育などの臨床の分野で発達障害児・者との関わりがあり、アセスメントを通して個々の状態像を深く理解したいと考えている方にお勧めです。
4.MSPA(発達障害の要支援度評価尺度)の理解と活用
MSPAは診断に先立つ(診断ではなく)個別の支援を目的として、様々な発達特性について、当事者・養育者から情報を収集し、その情報に基づいて特性チャートを作成し、支援に繋げていくというものです。
特性チャートの項目には、「コミュニケーション、集団適応能力、共感性、こだわり、感覚、反復運動、粗大運動、微細協調運動、不注意、多動性、衝動性、睡眠リズム、学習、言語発達遅滞」の14項目があります。
MSPAは、一つのツールで、様々な特性に対して強弱を含めて評価できるため、状態像が多様な子どもたちの理解には最適なツールとなっています。
医療・教育・福祉の現場で働いている方で、診断に先立つ前に何か現場でできる評価ツールを求めている方にお勧めです。
5.成人の発達障害の評価と診断‐多職種チームで行う診断から支援まで‐
本書は、〝東大病院こころの発達診療部″が編集した本となっています。
最近では大人の発達障害が目立つようになってきています。
例えば、職場環境でうまくいかない、子どもの頃から漠然とした生きづらさを抱えているなどです。
一方で、大人の発達障害についてのアセスメントや実際の支援はまだまだ発展途上の領域です。
その中で、本書は最新のエビデンスを踏まえて、成人の発達障害の評価と診断について豊富な内容が分かりやすく記載されています。
医療現場で成人の発達障害のある方と関わっている人はもちろんのこと、福祉や教育で成人の発達障害の支援に関わっている人にもお勧めです。
6.発達障害支援者のための標準テキスト 幼児期から成人のアセスメントと支援のポイント
著書を通して、子どもから大人までの発達障害へのアセスメントと支援方法について学ぶことができます。
全5部(アセスメントツールと個別の支援計画、適応行動、家族支援(きょうだい支援)、本人支援、PDCAサイクルから支援の質を向上させていく)から構成されており、保健・医療・教育・福祉など、すべての領域で対応可能になっています。
実際に発達障害児・者のアセスメントに関わっている方はもちろんのこと、発達障害児・者への支援に携わって方、大学で発達障害について学ばれている方などにお勧めできる本です。
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