
女性の発達障害がここ最近注目を集めるようになっています。
発達障害と言えば、割合として男性の方が非常に多いとこれまで考えられていましたが、最近では女性の割合もとても増えてきています。
そして、女性の発達障害の人は、男性とは異なる特徴・異なる困り感などがあると言われています。
それでは、女性の発達障害の理解を深める上で、どのような知識が有益となるのでしょうか?
そこで、今回は、女性の発達障害の人たちとも関わりのある臨床発達心理士である著者が女性の発達障害に関するおすすめ本5選【初級~中級編】について紹介していきます。
※この記事は、臨床発達心理士として10年以上療育現場に携わり、修士号(教育学・心理学)を有する筆者が執筆しています。
実際にこれから紹介する本を通して著者自身、女性の発達障害に関する理解が深まった、支援の役に立った等、有益な知識を得ることができました。
ぜひ、参考にしていただければ幸いです。
1~5の番号はランキングではありません。紹介内容を見て入りやすい本から手に取って頂けるといいかと思います。
1.最新図解 女性の発達障害サポートブック

発達障害領域で大変著名な〝本田秀夫さん”と臨床発達心理士の〝植田みおりさん”共著の本になります。
表紙にもある通り、この本では、女性の発達障害の家庭・仕事・日常生活でよく見られる困り感に加えて、困り感を解消・軽減するための考え方・対処法が一項目ごと(例:物の管理)に記載されています。
さらに、自分らしく生きるためのヒント・発達障害の概要なども分かりやすく解説されています。
図やイラストも多いため、初心者にとっても非常に手に取りやすい本になっています。
2.女性の発達障害 困りごとにどう向き合うか

ADHDに関して多くの書籍を出版されている医学博士の〝司馬理英子さん”監修の本です。
発達障害の概要から、プライベートでの困り事と対応法、職場や学校での困り事と対応法、自分をいたわり励ますいわゆるセルフケアの方法が記載されています。
全ページ数が100ページ程度のため、分量も少なく、女性の発達障害を短い時間で知りたい初心者の人にお勧めできる本です。
3.ASD(自閉症スペクトラム障害)、ADHD、LD 女の子の発達障害 改訂版: 「新しい生活様式」でも起こる心と身体の不調を理解する

全9シリーズある〝親子で理解する特性シリーズ”の第8巻になります。
ちなみに、同シリーズの他の巻にも女性の発達障害を取り上げている書籍もあります。
この本の監修は、発達障害関連で多くの書籍を出版されている〝宮尾益知さん”です。
この本では、小学生から思春期を対象に、男性とは異なる特性の現れ方(ASD・ADHD・LD)、様々な困り事に対する家庭や学校でのサポートと対応法などがやさしく解説されています。
親子で女性の発達障害について理解を深める上で大変参考になると本です。
4.発達障害のある女の子・女性の支援: 「自分らしく生きる」ための「からだ・こころ・関係性」のサポート

この本では、幼児期から中年期以降まで様々なライフステージごとに、具体的な事例も交えて、女性の発達障害の理解とサポート方法が豊富に記載されています。
理解と対応のキーワードとして大きくは〝からだ”〝こころ”〝関係性”を取り上げています。
その他、二次障害への理解と対応、女性の発達障害児・者を対象とした支援プログラムの実際について書かれています。
取り扱っている内容が豊富なため、女性の発達障害について詳しく知りたい人にお勧めできる本です。
続編も出ており、主に〝カモフラージュ”をテーマに書かれた本になっています。
「続・発達障害のある女の子・女性の支援: 自分らしさとカモフラージュの狭間を生きる」
5.医者も親も気づかない 女子の発達障害

発達障害領域では知る人ぞ知る〝岩波明さん”著の本です。
この本の中には、発達障害の漫画家である〝沖田✕華さん”との対談も記載されています。
その他、お二人の当事者の人との対談もあります。
全対談内容が本の半分近くあるため、非常に女性の発達障害のリアリティを感じられる作りになっています。
その他、女性の発達障害について、学校・家庭・職場での対応法なども分かりやすく解説されています。
女性の発達障害に関して、最新の医学的成果を踏まえて理解を深めたいと考えている人にお勧めできる本です。
大人の女性の発達障害にも参考になるお勧め書籍紹介は以下の記事に記載しています。
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